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第217号  奇跡

 チリでの落盤事故発生から70日。「奇跡」の救出劇については、広く報道されていたため、詳しく述べる必要は無いと思う。事故に遭われた33名の強い意志、救助にあたった方々の並々ならぬ努力、そして家族の全員生還へのゆるぎない祈りが今回の「奇跡」に結びついたのであろう。原因究明や再発防止、今後の補償問題など、これからクリアしなければならない問題も多いが、健康に問題ない人から順次、入院先の病院から退院していくとのこと。先ずは、全員の救出を喜びたい。

 70日もの間、坑内に閉じ込められた33名は、リーダーを中心として冷静に救出を待っていたが、地下700メートルでの閉鎖空間での生活、精神状態は想像に絶するほどの過酷さが伴ったであろうことは想像に難くない。混乱し、ときには取り乱すこともあったであろう。

 この事故と同列に語ることはできないと思うが、国際協力の場でも自分自身の生活、精神状態を保たなければならない状況は多々ある。特に「現場」への赴任当初は、右も左もわからない土地で、人間関係も限られた、いわば心理的に閉ざされた世界において、バランスを取ることが求められる。

 その中で、現場での目標を達成するという強い意志や現場関係者の努力など、チリでの「奇跡」を起した各要素は、私たちの周りにも存在し、実はそれは「日常」のことであったのかと、今回の事件の報道を見ながら気付いた。

 そう考えると、事の大小はあるにせよ、私たちが日々生きていること自体が「奇跡」であるということなのだ。 (K.N.)

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