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第229号  タイガーマスクという善意

ここ最近、日本は「タイガーマスク運動」、「伊達直人現象」といわれるムーブメントがおこっていることは、報道などを通じてよくご存知だと思います。原作漫画で、「タイガーマスク」の正体である「伊達直人」を名乗る人からの贈り物をきっかけとして、児童施設などに匿名の寄付を行うものです。最近では、漫画「明日のジョー」の主人公「矢吹丈」、「クレヨンしんちゃん」の「野原しんのすけ」までも登場、昨年の大河ドラマの主人公「坂本龍馬」、他にも様々なキャラクター、人物名などを名乗り、ランドセルをはじめとして、食料、中には100万円もの高額寄付も行われたようです。

 また全国47都道府県すべてで同様の現象が見られ、学生数名がお小遣いを集めたもの、無職であっても自身の蓄えから寄付をしたものなど、年明けからなかなか明るいニュースが聞けない社会の中、少なからずニュースを聞く者の心を和ませてくれたのではないかと思います。

 寄付文化が根付きにくいと言われていた日本で、突如起こったこの流れは、国際協力の仕事に従事する一人として、驚きと共に、まだまだ日本にも善意の心が残っていたのかと嬉しく思いました。この流れは、今後落ち着きが見られることになると思いますが、継続して欲しいと願って止みません。できれば、その善意を日本国内ではなく、全世界にも向けて欲しいとも…。

 ただ、少し気になることもあります。
 今回の流れは、これまで燻(くすぶ)っていた「何かをしたい」という気持ちが、マスメディア報道が一つのきっかけとなり全国的に広がりを見せた、ということであり、その感情の発露が落ち着いてしまった場合、単なる一過性の現象となってしまうのではないかということです。

 また、今回の報道が行われる前から、継続してランドセル等の寄贈、資金の寄付をしている団体や個人も存在しているということは、報道でもあまり触れられることはなく、さらにこのような活動が継続して必要とされている人々がいるということについても触れられることがないという点について、心配しているところです。

 国際協力の現場には、大小さまざまな「伊達直人」が既に存在し、今後も継続した活躍が行われることでしょう。来年も、多くの「伊達直人」が出現して欲しいと願っていますし、全世界の現状に目を向けてくれる「伊達直人」も多く出現して欲しいものです。 (K.N.)

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