PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第244号)

第244号  信念のある人

3月11日以降、時間が遅く感じられるようになりました。動作がゆっくりになってきたように思えます。ひとつひとつを確認するようになり、刻一刻の移ろいを目にしっかり焼き付ける。多くの犠牲になった方々のことを思うと、しっかり生きなくてはならないと思えてきます。なぜ、自分は生きながらえてきたのか、どのように生きていったらいいのか。改めて振り返り、そして限りある未来の時間をどのように使うか。内省的な日々。■日本経済新聞平日の朝刊の最後の面をご覧になられたことがありますか? いろいろな市井の方が書いている面です。投書欄のような簡単なものでなく、8段使って写真も1枚入り。自分はこんなことをしている、こんなことをしてきた、ということが書かれています。この欄を毎日読んでいると、世の中、本当に思わぬことをされている方が多いのを知り得るのです。■最近で印象に残っている人は、例えば、鯛焼きに魅せられた女性の話。海辺で鯛焼きを頬張ろうとして手からスルリと落ちて砂まみれになったのを拾い上げ防波堤に載せてみたら、海を見つめる姿には命があるように見えた。以来、旅するたびに景色に鯛焼きを置くようになった。こうすれば、ほら、気づかなかった鯛焼きから見た景色が見えるでしょうと、三つ編みに小さな鯛焼きが付いたペルーの女性の後姿の写真が載っていました。鯛焼きなんて外国人に説明するだけでもどうしようかと思いますが、楽しそうですね。男性も負けていません。ある還暦の男性は、貧乏でも不器用でも好きなことを続けて生きていける証明として、ドラムをいろいろなところで叩き続けているそうで、キリマンジャロ山頂で演奏する自分の写真を載せていました。■日本人だけでなく外国人も登場します。パリの公園で長い筒状のもの(ウグイスと言うらしい)を持って、端をそこに居る人の耳にもっていき、もう一方の端から詩をささやく、という話。ベンチに座っていたら耳元でいきなり詩のささやきが聞こえてくるって素敵ではないですか。ん?少しシュールですか? 言葉の持つ力を考えさせられますね。この集団、「ささやきの詩想レジスタンス」Les Souffleurs commandos poétiquesと名乗り、各コマンドはいつも大量の本を読んでささやく言葉を見つけているそうです。■その道一筋、職人気質みたいな人、なにやらけったいにも思えることをやっている人、いろいろな方々が登場する楽しい紙面です。そして皆に共通しているのは大真面目なところ。信念を持ってやられているのですね。震災復興でみなさんそれぞれの思いがあると思います。信念のある人になりたいとつくづく思います。 (A.T.)
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