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第248号  ピカイチを探せ!

今年は開幕が遅れたプロ野球。毎年、何回か野球場に足を運ぶことにしています。その球場はあの村上春樹が啓示を受けた霊験あらたかなところ。春樹が、外野芝生に寝転びながらフライがあがったのを見て、「小説を書こう」と思い立ち、処女作「風の歌を聴け」で小説家の第一歩を踏み出したように、自分にもなにやら啓示がないかしらん、とご利益頂戴半分で出掛けるのですが、いまのところ閃(ひらめ)きは無いようです。あんまり応援が熱心なほうでなく、どちらかというとお弁当をつつきながら人間ウオッチングに飽かないので、周囲の“ワー”という声であわてて現況把握になることも。気持ちは春樹のように長閑(のどか)なのですがね。外野が芝生から椅子席に変わっているせいかしらん。■先日、今季初めて球場に行ってみました。実は、ビール売りの女性のなかに、毎年お見受けする方が居て、「今年もやっていますかね?」と気になっていたのです。あのビール樽を背負って階段を歩き回り、プシュー、ハイ、生ビール一丁あがり、とやっている女性です。チームのほうも大方の予想をはずれ、なぜか首位、というのも気になっていましたけどね。外野席に座るや、遠目に発見、傍まできたときにさっそく注文、「今年もやっているのだね」などと、ビールを注ぐ間に話をしてみました。このときわかったのですが、彼女、なんと、野球のある日は会社を休みにしてもらっている、とのことでした。驚きましたね。そんなにチームが好きなの?だけど、売っている最中は試合なんて見ていないよね。■実はかねがね彼女の動きをみていて、多分、この球場で売り子さんのトップではないか、思っていました。勝手に分析してみた彼女のノウハウとは—。①客が手を挙げて合図をするのがよく見える立ち位置を知っている。②遠くまで見通し、視野が広い。③移動の経路は無駄がない。④ビールを注ぎ始めるのは客のところに到着する前から動作を開始。⑤客のところで注いでいる間も周りへの目配りを欠かさず。⑥代金を受け取るときとおつりを返すとき、相手の目を見る。⑦泡立ちの良くなる注ぎ方を知っていて無駄がない。ふっふ。これぞ私だけが知っている球場のビール販売員七つの鉄則。なんとかの法則とか最近そういったタイトルの本が目に付きますが、「実用書を書こう」という啓示はまだありませんので、今回が本邦初公開。■それにしても、彼女はすごい。個人的には今後の人生で樽を背負ってビール販売する機会はないと思いますが、ピカイチの人を見つけた、という感じです。人生いたるところ師あり、ですな。ピカイチさんはたくさん居てそういう人から学ぶことはたくさんあると思います。みなさんが最近、見つけたピカイチの人はどんな人ですか?そんなことを思いながらボーっと試合を眺めていたら、同点に追いついたあと中継ぎが打たれて、あれよ、あれよと終わってしまいました。これで2位に0.5ゲーム差。踏ん張り時。(6月になる直前にチームはとうとう2位となりました。。。。頑張れ!スワローズ。頑張れ!みなさん) (A.T.)

※事務局註:本稿執筆段階(5月31日)では、東京ヤクルトスワローズはセントラルリーグ2位でしたが、本メール配信時(6月3日18時現在)では1位となっています。

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