PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第255号)

第255号  夏の飲み物(大人限定)

夏の飲み物としてのお気に入りはモヒート。モスキートではありません。(寒い駄洒落で失礼でした。)透明な液体に緑が涼やかで正に夏の日差しが似合っている飲み物です。作り方は、私の場合、グラスにロン(*)を五分の一注ぎ、砂糖少々、炭酸水をシュワーって入れて、レモンをキュっと搾り、その液体のなかに生のミントの葉を押し込んで、グイグイとしごいて出来上がり。グイグイしごいてミントの味を引き出すのがポイントではないか、と思います。外で飲むと、ミントの葉っぱが高いせいか3枚4枚申し訳なく入っているのが出てきたときはがっくりこん、なのですが、普通はグラスから飛び出るくらいたくさん入れてくれます。手作りの場合は、ベランダのプランターで繁茂するミントをつまんで投入。ミントは強い植物なので手間要らず、です。■モヒートの故郷はキューバ。スペイン語でクーバ。途上国のなかで、個性が際立っている国の一つはキューバではないかと個人的に思っています。そんなに満遍なくいろいろな国に行っての話しではないのですけどね。10年ほど前に訪れたハバナは1959年にアメリカが逃げ出したまま当時の建物や車がそのまま経年変化した不思議な街。トラック牽引の公共バスに乗って終点までためしに行ってみたら、公団住宅のようなところで、そのなかを馬車に乗り換えて一周して元のところに帰ってきたという経験をしたことがあります。対峙しているはずの国の通貨ドルしか使えないプジョーのタクシー、ホテル、レストラン。裏道に佇むペソしか使えない品数も少ない売店。ドルを得られる人とペソしか得られない人の格差をゾクって感じます。一般家庭がこっそり外国人向けにレストランをやっていました。■映画「苺とチョコレート」(1994年)は現在キューバ映画の原点とも言われる作品ですが、この映画を見たときもこの国のもうひとつの不思議さを感じました。内容は、共産主義青年同盟に入っている大学生とゲイの芸術愛好者との交流を描いたハバナを舞台にした作品。大学生がゲイをスパイだと思って突き止めようとする過程で友情が芽生え深まって行くのですが、最後は芸術愛好者に「こんなに言論の自由がない国だとは思わなかった」と言わしめ国を出ることを決意して別れをします。キューバ・メキシコ・スペインの合作映画ですが、自国の批判を語らせるこのような映画をよく許可したと思いました。深読みすると、信条が違う者同士でもお互いが理解し尊重することを描いているので、国の制度など関係無いのだよ、ということがメッセージなのかもしれません。■この映画の最初と最後に出てくるアイスクリーム屋さんは、観光客の人気スポットで、つまりドルで苺アイス、チョコレートアイスを売っています。子供のときにカリブ海に横たわる「へ」の字の島が北回帰線の上にあるのを地図で確認したこと、振り返ると葉巻や音楽やヘミングウエイなどキューバのイメージは知らず知らずに膨らんでいったな、と思います。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのコンパイ・セグンドがまだ存命中にあったコンサートで、コンパイが疲労困憊(ひろうこんぱい)して座り込んでしまったこと。キューバのきれいな切手に魅せられ切手帳ごと譲ってもらったこと。モヒートを夏の昼間に飲みながらキューバにまつわるいろいろなことに思いを馳せました。暑くてボーっと頭も働かない状態ですが、みなさんが思う個性の際立った国の話を聞いてみたいな、と思いました。 (A.T.)

(*)ラム酒

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