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第260号  さじ加減

途上国生活の楽しみの一つは?と問われれば、食べること、を挙げたいです。途上国の鳥はブロイラーでないから日本より美味しいよ、と言う人もいますね。今回は簡単かつゴージャスな料理のご紹介です。作った人が“皆”、絶賛の料理の名は「紅茶豚」。豚と紅茶の取り合わせのネーミングが妙でしょう? 「なんじゃそれは?」と思われた御仁には、早速、作り方をご披露。まず、豚のかたまり肉400〜500グラムを手に入れ、ひたひたになるくらいの水のなかに“ドボン”と紅茶と一緒に煮る。以上それだけ。紅茶もダージリンだのアッサムなどこだわらず、シンプルにいつものティーバッグがよろしい。40〜50分もすれば長時間、煮込んだような容姿に変貌。これを引き上げて薄切りにして、刻み葱など添えて、適当に作ったドレッシングをかけて頂く。葱でなくても香味野菜、大根おろしでもなんでもよろしい。紅茶効果で肉がしっとりして紅茶の香りがほんのりして、上品でおいしいのであります。手間はかかっていないのにりっぱに見える。「これどうやって作ったの?」「このレシピ教えて」なんて聞かれて、ちょっと晴れがましい気分になれます、と書いてある料理本もありましたよ、ふふふ。誰が作っても失敗しない1時間の料理。■これを初めて食したのは技術専門家のお宅。料理の名前は聞かなかったのですが、帰国後に料理の本で見つけました。スーパーで肉のかたまりを買うときから、今日は料理するんだもんね、ふふ、と高揚してきます。料理というのは、個人的な印象ですが、結構、理にかなったことをするな、と思っています。例えば、紅茶豚はなぜ紅茶で煮るのか、と言うと、豚の脂分が分解されてさっぱりヘルシーに。私の好きな麻婆豆腐のとろみ付けは片栗粉を使うのですが、火を止めて入れるのは、糊化しすぎないように。包丁で野菜を短冊切りにするのは、薄くなるので火が通りやすいから汁物に、とかあるのですよね。料理の本にくどくど理由は書かれないのですが、結構、大事だと思います。■最近の料理の本は本当に写真がきれいで、ほれぼれしてしまいますが、きちっと分量や手順を書くのが最近の傾向だそうです。紅茶豚は、こうなります。「豚肉500グラムとティーバッグを鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて火にかける。煮立ったら弱火にし、ふたをずらしてのせ、ときどきアクをとりながら、40分〜50分ゆでる。竹串を刺してみて澄んだ汁がでればゆであがり。冷めてから3〜5ミリ程度の薄切り。ネギの白い部分を5センチ長さの千切りに、ラディッシュは輪切りにして、それぞれを水にさらしてパリッとさせる。紅茶豚を添え、ドレッシングをかけて頂く」。どうですか、作る気持ちが湧いてきましたか?■まあ、このとおり作るのですがね、料理の本に頼れば失敗はないかもしれないけど、豚を鍋に“ドボン”、の説明のほうがこの料理のイメージが湧いてきませんか、とも思うのです。自分なりのさじ加減を持つ。レシピをいちいち見ないで、ドボンとおおざっぱに作って、わしわしって自分の味を楽しむ。「型に入って型に出る」は能の世界の言葉で、そんなに大袈裟なことでもないのですが、「塩、小さじ1」でなくて、「塩、ひとつまみ」のほうがいいな、と感じられるようになりたいですね。いつまでもマニュアル見ないとあかん、というのではなくて。暑さが続き、バテ気味のときには、気力・体力の回復にビタミンB1が有効。豚肉はビタミンB1の宝庫で最適であります。 (A.T.)
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