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第282号  履歴書には書かないこと

 海外に住む日本人が現地の食事に慣れないというのはよく耳にする話だ。私自身は大雑把な性格や体質が幸いしてか、多少汚かろうがむやみに辛かろうがよく分からない食材だろうが口に入れられないものはほとんど無い。海外で仕事をする上では非常に便利な性質と思われるが、日本の生活において羨ましがられることはない。大らかな感覚の持ち主だと好意的に迎えられることすら稀だ。いかんせん繊細さに欠けると見なされるのであろうか、特に異性に対するアピールとして「何でも口にできる」というのは、決して高評価にはならないようである。同じように海外における仕事に関連するスキルでも「外国語ができる」というのは比較的、美点のように受けとめられるのに何故だろう。外国語を話すことより何でも食べられることの方が、現地への適応という点から高度なスキルになる場合もあると個人的には思うのだが。

 そうは言っても、たとえば国際協力の仕事に応募するに際して、履歴書に「何でも口に入れられます」とは書かない。これでは子どもの作文である。せいぜい、「順応性が高い」くらいの婉曲的表現に留めるだろうか(もしかすると食生活がごく限定される地域での業務であるなら、書き方によっては強みになるかもしれない…)。

 たとえば、「オヤジギャグが得意」「定価でモノを買わない」なども日常生活においてはことのほか重宝する性質であるが、履歴書に記すのはためらわれる類のことである。書いたところで「仕事する気があるのか」とマイナスの評価を受けるリスクが高すぎる。やはり、「年長の方々とコミュニケーションをとることにも長けています」「費用対効果を念頭におき行動します」くらいの表現に留まるだろうか。
 それにしても、遠回しな表現になった途端、個性とは程遠い性質と成り果てるものである。

 履歴書には書く必要が無い、書きようが無いという特性、特技、趣味、知識といったことは実に多い。しかし、それらが人知れずとも様々な場面において自身を助けてくれているのは確かである。
 皆さんはどんな「履歴書には書かないこと」をお持ちだろう? (A.I.)

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