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第283号  仕事が人を作る~美容師さんの場合~

新年になる前に床屋に行かなかった中年男二人組が、新年早々の青年海外協力隊の面接試験で美容師さんと対峙して、お話しをするということがありました。美容師という職種もあったのですね。スリランカやガーナからの要請だったそうです。うーん、美容師って私は床屋派なのでね、別に床屋にこだわっているわけではないけど、青春期に美容院に行くという洒落っ気が足りなかっただけで、何て質問しようかな。その頭はご自分でやったの、などとアンポンタンな質問が浮かび、そう言えば、美容院だと顔そりはしてくれないらしい、ということは剃刀を使わないのが違いなのだろうか、などとディテールのほうに頭が回りつつ、美容師さんとお会いしました。■大体、みなさん、自分も人の役に立つことが出来るのではないかと思った、と応募の動機を話されるのは他の職種の方と同じ。最近、外国人のお客さんと盛り上がっちゃって、向こうでも教えたいな、と思ったなどと言われる方は皆無。でも、技術は見せればわかってもらえるかも知れないけど、薬品とか衛生とかは言葉を使って教えないと正確に伝わらないよね、言葉は大丈夫?と痛いところを突くのが面接官の務め。健気に最近、英語の勉強を始めています、という回答に、うんうん、と肯きつつ、一方で、相方は、頭ぼさぼさの中年二人ですんません。で、メールのアドレス、凝っているね、などと変化球を投げかけ、緊張をほぐしたのか、訳わからない、そんな質問、と思わせかく乱させるのか、場はヒートアップしていったのでした。■私の行く床屋はなかなか懲り症な方で、内装に木をふんだんに使い(そのためにお金をかけすぎて建物の外観はコンクリート打ちっぱなしになっている)何より客と政治談議がお好きで、予習用になのかホームページも立ち上げていて、一応、出かける前にブログを覗いて備える、ということとなっています。震災のあと行ったら、戦前の物理学者、寺田寅彦が書いた随筆に「いつも忘れがちな重要な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である」とあるのを紹介して、もともと日本人には知恵があったのにね、どうしちゃったんだろうと思いますよ、などと頭の上から聞きました。床屋さんというのは、昔からラジオなど聞いているので雑学に詳しい、というイメージがあったと思いますが、どちらかと言うと博覧強記(はくらんきょうき)のタイプです。■ハハ。やっぱり、床屋のおやじの話でなくて美容師さんの話を聞きたいですね。美容師さんとお話しをして、中年二人組が気付いたのは、美容師の方々は非常にコミュニケーション力が高い、ということでした。自分の気持ちや考え、やりたいことを、とてもきちんと語り伝えることができる人が多い。語学はこれからかもしれないけれど、すごいな、と思いました。たぶん、お客さんが、こんな感じにね、とか言うのを、こんなんですか〜とか、理解して示してあげて、作業中もお客さんといろいろな話をする。こうしたことが、知らず知らずにこのような能力を高めていったのでしょう。まさに「仕事が人を作る」ですね。国際協力に、多くの方が、是非に、と相談されに来られるのですが、まず、今のお仕事を一生懸命にやる、ということを大切にされたらと思います。今の仕事で自分の能力を高める、そして、それは多分、国際協力やその他の場で生きてくるのだろうと思います。そして、中年二人組は、まず、床屋へ。床屋さんのエンターテイナー振りを楽しみに。 (A.T.)
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