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第289号  どこにいっても、大切なのは人間力

先日、書店内を見て回っていたら、「グローバル人材」のタイトルを冠した書籍が平積みにされていました。昨今の不況の中、新たな活躍の場として海外を目指す人や、国内市場の縮小とともに、企業が新たな市場を求めて海外に展開していく目的から、この言葉がちまたにあふれているのでしょう。考えてみたら、国際協力分野で働く人は、まさに「グローバル人材」の一部なのでしょうね。

グローバル人材に求められる能力として、経済産業省のグローバル人材育成委員会では、①社会人基礎力、②外国語によるコミュニケーション能力、③異文化理解、活用力、を挙げています。

このうち、外国語によるコミュニケーション能力は、みなさんもよく理解し、語学能力の向上に努めていらっしゃることだと思います。資格試験のスコアを上げたり、語学スクールに通ったり、はたまた留学したり。

あと、異文化理解、活用力は、なかなか難しいところですが、日頃より、日本人以外の友人の輪を広げたりするなどして、様々な考え方や慣習を持つ人の存在を受け入れられる土壌を作ったりすることもできるかもしれません。いきなり、仕事の場で経験すると、フラストレーションも溜まってしまいがちです。

さて、そうは書いたものの私自身は、どこで働くにしても、大切なのは「人間力」、とそれに根ざした働く姿勢が、結局は重要なのではないかと思うのです。

異文化理解とは、結局、多様な考え方の人がいるという前提で、相手の気持ちを汲み取り、バランスをとっていくことなのだと思います。規模が違うだけで、普段働いている職場の中では、多かれ少なかれ見られる状況なので、実は、日頃の経験からも学んでいることは、多くあると思います。

もちろん、日本人の苦手とする(私も!)はっきりと自分の考えを相手に伝えるという能力は身につけないといけませんが。「あ、うん」の呼吸は通じません。

でも、その点は身につけられたとしても、海外の現場で、現地スタッフと働いた経験を振り返ると、たとえ民族や慣習が異なっても、受け入れられる人は「人としての魅力」を有しており、日本だろうが海外だろうが変わらないように思うのです。ようは社会人としての基礎力と人柄が伴っていないと、いくら語学能力や主張する能力を磨いたところで、真の「グローバル人材」として第一線で活躍することは困難だと思います。

さて、最初に挙げられた「社会人としての基礎力」を身につけるにあたって、まず大切なことは、「今、働いている仕事に対しては、給料をいただいているという意識のもと、自分に出来る能力を精一杯発揮する」ということだと思います。社会人一・二年生によく見受けられることですが、キャリアプランを立てることに夢中で、「とりあえず、民間企業に進んで業務経験を積んで…」などと言う人がいます。仕事の成果として、給料をいただくのですから、腰掛け意識で働いていたら、社会人としての基礎力は決して身につきません。たとえ、期限を決めていたとしても、そのことは胸の奥にしまい、今、与えられた仕事に精一杯取り組み、将来、グローバルに活躍するためにも、まずは社会人としての基礎力を是非、身につけてください。 (T.N.)

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