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第296号  青は藍より出でて藍より青し

「今までJICAについて名前を聞いたことがあるという程度の浅い知識しか持っていませんでしたが、ODAの現状と課題や青年海外協力隊の活動について、詳しく学ぶことができました。初めて知ることが多く、日本での日常生活の中で触れる機会の少ない部分だったので、とても良い機会になりました。JICAについて知ることで、両国間のつながりを身近に感じ、これからもっと注目していきたいと思いました。」

これは、JICAの在外事務所で筆者からブリーフィングを受けた学生さんからいただいたお礼状の一節。在外事務所には多くの訪問客があるが、最近増加しているのが、大学やゼミ単位で組織される海外研修旅行だ。とりわけ国際協力や開発援助、また環境問題などのグローバルイシューを研究テーマとして取り組む学生にとって、現場を訪れ、実務者から話を聞くことはまたとない貴重なチャンス。海外旅行は初めてです、といった緊張感も漂う学生さんたちから、次々と質問の手が挙がる。中には「想定外」の質問もあるが、良く事前の勉強もしてポイントをついた質問がほとんどだ。筆者の学生のころは、残念ながらこうした機会はほとんどなかったので、昨今の学生さんをとても羨ましく思いつつ、知っている限りのことをできるだけ分かりやすく説明する。帰国後は、大変しっかりとした報告書や冒頭のようなきちんとしたお礼状もいただく。メディア等ではよく「内向き」と批判されがちな昨今の若者であるが、筆者には逆に頼もしいとさえ感じることがあった。

JICAはこれまで多くのインターンを受け入れてきた。2001年、当時駐在していた在外事務所が、初めて第1号と第2号のインターンを受け入れた時期に筆者はたまたま居合わせた。自分の研究テーマについての情報収集を行いながら、インターンは様々な仕事を手伝い、青年研修員の日本への送り出しでは、壮行会の司会まで任されて頑張った。その10年後、筆者は彼らとまた同じ在外事務所で、今度は別の立場で再会を果たすことができた。第1号のインターンは、その後、在外公館の草の根無償担当の専門調査員、他の開発途上国の国際援助機関事務所スタッフ、JICA事務所の企画調査員等の経験を積んで、JICA専門家として、かつてインターンを経験した任国に戻ってきた。第2号のインターンは、専門分野の研究をさらに深め、現在大学の准教授として、研究者・教育者としての階段を着実に登りつつある。冒頭紹介した学生からのお礼状は、まさに彼の「教え子」たちを受け入れたときのものだ。「君たちの先生は、10年前、この事務所でインターンをしながらJICA事務所の仕事を手伝ってくれたんだよ!」と紹介する筆者。その脇で、「元インターン」は照れ臭そうに笑っていた。

青は藍より出でて藍より青し。インターンを経験した彼らのさらに次の世代が、今、着実に国際人としての歩みを始めていることを、ことのほかうれしく思った。(M.O)

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