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第302号  サムライ日本

サッカー・ワールドカップブラジル大会の最終予選が始まっている。
テレビ中継での視聴率が30%を超え、国民挙げての盛り上がりが感じられる。
ワールドカップを目指すサッカー日本代表選手はサムライ・ブルーと呼ばれている。長谷部、川島、
本田、長友、香川等、挙げれば切りがないが、皆「サムライ」に相応しい。 特に川島選手(ゴールキーパー)の孤軍奮闘してゴールを死守する姿、PK戦での雄々しい姿はまさにサムライだ。

最近は、サッカーのみならず様々なスポーツにおいて、海外でプレーする日本人選手が増えているが、 契約金額や年俸の多寡ではなく、名誉や誇りのために自らを向上させようと格闘している姿は、 我々日本人が忘れかけている精神を呼び覚ましてくれる。「サムライ」は、新渡戸稲造氏の言葉を借りれば、 武士道の精神を持った決断力のある果敢な性格の持ち主を象徴しており、何よりも名誉、誇り、礼節を重んじる人である。 これに対して、現代人である我々の多くが行動判断の基準としている合理的精神は、突き詰めれば「損か得か」である。
戦後社会においては合理的価値観が支配し、損得で物事を考えるという打算主義がまかり通っている。

最近の国際関係も然り。国際ルールを軽視し、自国の利益のみを考えた我田引水的な外交が見受けられる。 外交とは利害対立のなかで合意形成を行う作業であるが、一定の品位や礼節があって然るべきだと思う。 外交は国と国との付き合いであるものの、突き詰めると国を代表している個人と個人の信頼関係に帰する。 個人が損得のみで交渉を行う先には信頼関係などなく、あるのは過去の辛い教訓のみではなかろうか。

東日本大震災および震災後の復興支援は我々日本人の生き方や考え方を見直す契機となっている。
被災地の人たちの立場に立った、郷土愛や誇りを尊重し礼節をわきまえた、地域再生への協力。 経済発展のみを重視した支援ではなく、コミュニティや暮らしのあり方を考えた「心の豊かさ」を体現できる社会構築のための側面支援。 協力する側も共感する場が、そこにある。被災地支援の考え方は、我が国が実施している国際協力にも当てはまると思う。

JICAには「人づくり国づくり心の触れ合い」というキャッチフレーズがあった。
いまいちど自分の足元を見つめ直し、国際協力を実践していきたいと思う。 (G.U)

以上

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