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第335号  異国で助けられた記憶

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もう昔のことですが、スリランカに着任して1カ月めのこと。

 

慣れない仕事で残業となり、そろそろ帰ろうと思った矢先に南国特有のスコール発生。

ようやく雨足が弱まって事務所を出たところ、道路前方に大きな水溜りを視認した。

幸いこちらは日本製四輪駆動車だ。「ええい!」と勢いよく突っ込み・・・ん?フワーっと浮かんだかと思うとそのまま横滑りして右側溝に落ち込んでしまった。

車のエンジンはかかるが、全く動けない。水はドア直下まで来ていた。午前中にコロンボプランの会議があったので一張羅を着ていたが仕方ない、ズボンの裾をめくってもあまり意味のない水溜りの中に降りた。

暗くてわからなかったが、車の周りには20人くらいのスリランカ人が集まってきていた。少しずつ水が引いてきたので、みんなで車を持ち上げようとしてくれる。もちろん自分も一緒に力を入れたがビクともしなかった。

そこへたまたま地元の人が運転する四輪駆動車が通りかかり、「ワイヤーロープを持ってくるから待ってろ」と。しばらくして本当に戻ってきてわたしの車を引き揚げてくれた。

お礼にアメリカ製のタバコをカートンごと進呈しようとしたが「いらない」と手を振って颯爽と去っていった。

周囲に目を凝らすとまだ約20人に見守られていることに気付き、人力で持ち上げようとしてくれた皆さんにそのタバコを配ることができた。

無事帰宅し、「ええい!」で突っ込むとよくないことがあると反省したが、失敗を助けてくれる人がいたことが嬉しかった。シャワーを浴びた後の紅茶で身も心も温まった。 (A.M.)

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