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第336号  MADEINJAPANの心意気

海外に行くと、先進国、途上国の別なく日本料理というのは人気のようですね。結構、店が現地の方々でいっぱいだったりして、へー、なんて思ってしまいます。いつぞやパリで、インテリアがポストモダンで、お洒落な回転寿司屋なんていうのを見たときはクックックと苦笑しましたよ。長寿の国日本の料理はヘルシーで、おしゃれ、トレビアーンなのかも知れません。でも、ですが、日本人の板さんがやっているところは、まずもって見たことがないです。フィリピンの寿司屋で修業した人が握っていたり、パナマの日本料理店で修業した人が天麩羅を揚げていたり。結構、韓国料理店とか中華料理店って、本場の人が料理している事が多いので対照的だな、と思います。えーい、シャリが崩れる、ちゃんと握ってくれよな、などとボヤいても、みんな来てくれる、ハッピー、ホッピー、問題ないでござんす。現地化した味と形を享受せざるを得ない状況を噛みしめるのでした。 日本人は現地に行かずとも、寿司ロボットもおにぎりロボットもあるので、現地で適当にアレンジしてやっておくんなさい。国際化、国際化って声高に叫ばずとも、日本食の旅がらす、どこへでも参上させて頂きます。我々日本人の味覚とちょっと違っても、それが現地化というものでござんす。

そういえば、援助の世界でも、日本食とはいかないまでも、日本色を出した援助が頑張っていますね。例えば、一村一品プロジェクト。もともとは大分県の知事が30年以上前に提唱した、市町村がそれぞれ特産品を育てて地域の活性化を図る運動です。単純な“おらが町の特産品”開発でなくて、そこに至るプロセスでは地域の住民が参加してみんなで作り、生産するという一つのコミュニティの活性化の手法だと思います。こりゃいいや、とあっと言う間に日本国中で賛同者が増えて、いまやアジアからアフリカにまで広がっています。

アフリカと言えば忘れてはいけないのが、みんなの学校プロジェクト。これは、日本のPTA制度を取り入れた学校運営にみんなが参加するプロジェクトで、今やアフリカの多くの国で実施されていますね。

もしかすると日本の得意な援助の手法って、コミュニティに入り込んでそれを活性化して、行政サービスと結びつけて、収入を上げたり、生活を良くしたりすることなのかな、と思います。

バングラデシュで聞いたのですが、リンクモデルという、これまた25年も前に京都大学の先生が発案した仕組みが、このほど目出度く政府から全国で実施すべしとなったそうですよ。これは、住民と行政を結びつける縦のリンク、各行政を結びつける横のリンクに着目してコミュニティを変えて行こうというもの。一度はうまく行かなくて事業の継続が危ぶまれた時期もあったそうですが、見事に再生して看板プロジェクトです。そこには保健、教育、x農業などいろいろな分野の知見を入れて人間の安全保障の実現を目指します。

こうした日本発案のモデルが世界に広がって効果を上げているって、ちょっと誇らしい気持ちになります。この前の大震災の経験も、実はコミュニティで教えられることは多いのですよ。お金はなくてハードの整備はできなくても、いざという時にどのようにみんなで避難するか、とか、ハザードマップを作成するとか、ソフトの面で協力が出来ます。

産業界では、どうも日本の職人魂が弱くなったなんて言われているみたいですが、どっこい、MADE IN JAPANの心意気が援助の世界ではあると思います。 (A.T.)

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