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第346号  職業としての国際協力

ある時期を境にして、日本の大学では、国際関係、国際協力、開発協力などの名称が付された大学院が相次いで設立されるようになりましたが、私自身はそのような大学院が設立され始めた早い時期に大学院を修了し、運もあり、国際協力を職業としてJICAで働き始めた一人です。

国際協力等に関連する大学院は、「学際的」であることが特徴の一つといえますが、文系の大学院として位置づけられ、取得できる学位も学術修士などの場合が多く、就職活動にあたっては、実際には、国際協力の分野で仕事をしたいと思っていても、国際協力を「職業」とする道は比較的狭い道であり、厳しい現実が待っているともいえます。(あくまでも私見ですが、理系大学院修了者よりも文系大学院修了者の方が、就職先が限定されているようにも感じられます。)
 

ボランティア等も含め、広い意味での国際協力活動に何らの形で携わることは重要ですし、意義があることでもあり、日本が国際化していく中で、そのような機会は増えつつあると思います。

他方、「国際協力」を「職業」として、生活していくことは、単に国際協力活動に携わることとは別の側面もあるといえます。すなわち、結婚をして、子供を育て、なおかつ、自分自身のやりたい仕事である国際協力を「職業」として生活を維持することを考えた場合、国際協力の仕事は、国際機関も含め、有期契約であることが多く、生活が不安定である側面もあり、ある種の「覚悟」が必要といえます。

しかし、15年近くJICAで仕事をする中で、私が出会った多くの方々は、そのような比較的不安定な生活状況の中にあっても、国際協力に対する熱い思いを持って活動されているのだなと実感させられる瞬間が多くありました。

国際協力の事業を考えるとき、様々な開発理論、新しい開発課題に対応する取り組み方法などを身に着けていくことが重要であることには変わりませんが、国際協力の現場は、有期契約といった、比較的不安定な生活環境において、真摯に活動する多くの方々によって支えられていることを忘れないことが重要です。(終身雇用制度は崩壊し、労働力の流動化が進んでいるとは言われていますが。)

予算的な制約等もあり、外部の方が納得できる制度とすることが必要ですが、このような方々が、いかに安心して途上国での活動に集中できるような環境を構築することができるのかが、私自身の現在の業務における、大きな課題の一つとなっています。 (H.T.)

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