PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第347号)

第347号  【6/1TICADⅤ開催】アフリカでの小さなエピソード

明日6月1日から、TICADⅤ(第五回アフリカ開発会議)が開催されます。
前回のTICADの後、援助倍増の追い風の中でウガンダで勤務した経験から、日本の支援がどう現地で感じられているか、小さなエピソードを。

ある日、地方の病院への出張が入った時、私が苦手なレンタカーのドライバーと一緒に行くことになりました。運転が荒く、ガソリンスタンドで必ず店員の女性を口説くようないい加減な男で、嫌な出張になるな、と思っていました。病院での仕事を終えて車に戻ると、ドライバーがいません。こいつはどこでサボっているのかと思い病院内を探してみると、何やら天井から下がっている看板をいじっています。何をしているのかと聞くと、「この病院は日本が作ってくれたものだからきちんと使わないと。看板がずれていたが病院スタッフも気づいていないようだから俺が直しているんだ。日本人はそういうところも指導してくれているしね」とのこと。

また、無愛想で横柄な別のドライバーと出張したとき、途中で急病にかかったシニアボランティアの方を搬送することになりました。休憩する時間もとれず運転を続けてもらったのですが、不満ひとつ言わず「日本の高齢の方がこんな田舎で頑張ってくれている。任せてくれ」と運転を続けてくれました。その後も会うたびに、「あの人は元気になったか」と、心配してくれていました。
このように日本にも日本人にも興味を持たないだろうと思っていた人たちが思いがけず温かな言葉や行動を示してくれ、一気に親しみを感じるようになりました。

その後は、日本人や日本に対するポジティブな感情に触れることが多くなりました。自動車などの製品の品質の高さは有名ですし、礼儀正しく真面目な日本人には多くの人が良い感情を持って接してくれました。「日本人は礼儀正しく誠実で一生懸命だ」というような言葉も聞かれました。

一方、日本国内での報道では、「アフリカ=貧困や紛争」と感じさせるようなネガティブな報道が多くみられます。
昨年夏頃、日本人の視察グループを受け入れるにあたり、事務所のスタッフに対して、「日本人にウガンダの何を知ってほしいか」ということを聞いてみました。答えは以下のようなものでした。

  • 発展しつつある都会だけでなく、貧しい生活をしている地方も見てほしい。
  • 紛争後の復興が進む地域を見てほしい。
  • 素晴らしい自然と人々の温かさを感じてほしい。
  • ビジネスの機会は豊富にある。援助だけでなく投資を考えてほしい。
  • 教育のプロジェクトや稲作のプロジェクトなど、実際に動いている事業を見てほしい。
  • 報道で流れるネガティブな面だけでなく、ポジティブな面にも目を向け、発信してほしい。

 

などなど、色々な意見がありました。
きっとウガンダの生活の苦しさを知ってほしい、もっと支援してほしいといったことばかりかと思っていたところ、意外にも自国の持つ魅力や可能性をもっと知ってほしい、という前向きなメッセージが多く見られました。やはりウガンダ人自身もネガティブイメージを持たれていることを残念に感じており、特に他国で暮らしたことがある人はそのステレオタイプに対して危機感すら感じているようでした。

TICADはアフリカと日本が近づく最も重要な時期です。アフリカ各国を正しく理解し、熱い期待に応えなくてはいけません。
現在もアフリカで活躍している方々も、これから活躍したいと考えていらっしゃる方々も、アフリカからのラブコールを見逃さないよう、PARTNERからの情報にも目を向けて頂ければと思います。 (S.T.)

先月 来月