PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第349号)

第349号  「出会い」と「転機」

少し前のことになりますが、長らく糸口が見つからずに行き詰っていた取り組みが、パートナーとの出会いにより、予期せぬ早さで展開したという事例がありました。きっかけは、ある教育機関との連携に関する他の部署からの相談でした。

その教育機関は、これまでJICAと連携いただく機会はなかったようで、もともとの相談も、前述の取り組みに特化したものではありませんでした。しかしながら、その活動内容にどこか惹かれるものがあったため、新幹線で日帰り出張をしてお話をお伺いすることにしました。

意見交換を進めていくうちに、先方も同じ問題意識を持っておられることが分かり、力を合わせれば例の取り組みを具体的に動かすことができそうだという感触がでてきました。気が付けば3時間弱が経過していましたが、基本的な方向性について、その日のうちに確認しあうことができました。

前述の打ち合わせは12月初旬に行われましたが、お互いのリソース(人材、ノウハウ、ネットワーク、そして予算)を組み合わせて、急ピッチで準備が進み、年明けすぐに2か国の現地調査、3月初旬までに国内でのトライアルプログラムを完了して、次に進むべきステップを具体的に把握することができました。

現地調査に際しては、JICA専門家が果たした役割も忘れることはできません。関係機関への趣旨説明、アポイント取り付け等をわずかな期間で完了し、受け入れ準備を整えてくれました。その後も教育機関と密接に連携しながら、主体的にフォローいただいた結果、現地サイドでも取り組みに呼応した活動がスタートすることになりました。何より注目すべき点は、その活動が援助ではなく自分たちの予算で運営されていることにあります。

内輪の話で恐縮ですが、複数の部署がかかわる場合、調整に時間がかかることもあるのですが、この件に関しては、本部、国内機関、在外事務所、そして専門家の連携がとてもスムースに進みました。新たなパートナーとの出会いがもたらした「予想外の急展開」と「刺激」の連続に関係者皆がわくわくし、一体となって準備を進めた結果であると思っています。

この事例においては、パートナーとの出会いにより新しいアイディアや視点が創出され、我々にとって取り組みの選択肢や可能性が格段に広がりました。少し大げさな表現になりますが、途上国支援の方法や民間企業との連携の進め方についても、これまでの概念を超えた何かが生まれる可能性も秘めています。

一方、パートナーになっていただいた教育機関は、最近の主要国際会議において、当該取り組みにフォーカスしたサイドイベントを主催するなど、パイオニアとしての歩みを踏み出されています。JICAとの連携にも引き続き注力いただきながら、それを発展させて、途上国の開発課題にシンクロした教育機関として展開する準備も進めておられます。

初めてお会いしてから1年半で物事がここまで進展することは、正直なところ予想できておりませんでした。単に足りないところを補完しあうというだけではなく、それぞれのリソース、ネットワークがつながって、相乗効果が発現したケースであり、まさに「PARTNER」が目指しているところではないでしょうか。協働作業はまだ始まったばかり、今後どんな展開になっていくのか、とても楽しみにしています。 (H.M.)

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