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第384号  自分の目で見る

あえて国名は出しませんが、長く続いた内戦後もイスラム主義の長期政権が続き、米国の経済制裁を受けている国というと、皆様どういったイメージを持たれるでしょうか?
多分ほとんどの人は、「テロ多発の危険極まりない国」と連想するのではないかと思います。正直、私もそんな不安を持ちつつ、家族を連れて、約3年半前に赴任しました。

ところが、まず着いてみての第一印象は、「なんか全然違うぞ。ずいぶん皆のんびりしてて、とても20年以上内戦をやっていた史上最悪の人道上の危機があった国とは思えん。」でした。
そんなはずはなかろうと、人々の暮らしぶりを観察してみると、子ども達は皆純真かつ素直で、兄弟は仲良く上の子が下の子の面倒を見、親や目上の人を敬い、オジサン達はお茶を飲みながら知人と延々語らい、道端で食事中の人と目が合えば(異邦人の私にさえ)「食ってけ」と必ず誘われるような、いろいろと問題はあるものの、悪い面ばかり強調されているけれど、そんなに捨てたもんじゃありません。

広大な国土の中には紛争状態に近い場所や無法者が大手を振っている地域もあるのですが、それ以外の地域では首都と同じように、或いはそれ以上にゆったりと時間が流れています。
これだけインターネットなどで情報が氾濫している時代でも、私たちが日常接している情報というのは、いかに部分的で偏ったものであるのか、特に、日本ではイスラム諸国の情報は内戦関連に絞られており、知らず知らずの内に思い込みで塗り固められていたのかと、つくづく『実際に行ってみて自分の目で見ることは大事なんだ』と思い知らされました。

そんな素朴な魅力のある国でしたが、非常に残念なことに、私の赴任中の3年間の間に徐々にではありますが、不良少年が増え、犯罪も増える傾向にありました。
日本の一般庶民からすると信じられない豪邸のならぶ住宅街もあり、高級車も街に溢れ、貧富の格差は広がるばかりの状況で、それは仕方ない成り行きかもしれません。
また、2年半前に分離独立した世界一新しい兄弟国が混乱に陥っていることについては、皮肉なことに報道どおりで、なんともやるせません。(F.I.)
 
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