PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第393号)

第393号  つながりを作る仕事

私は生物多様性保全のプロジェクトの専門家として派遣されています。
生物多様性保全の専門家は、「動物や植物に詳しい」と思われがちですが、私は種の区別などほとんどできません。実際には生物多様性保全とは「いろいろなつながり」を作る仕事です。日本と途上国のつながり、森-里-川-海のつながり、都市と農村のつながり、現在と将来のつながり、などなどです。
現在私はいろいろなつながりを構築する業務を行っています。つながりの中でも重要なものは、いろいろな組織や機関をつなぐことです。生物多様性保全は個別の部局が単独で実施しても効果はありません。農業、漁業、観光、建設、医療など多種多様なセクターをつなぐことが重要です。いろいろな関係者に会って話を聞いたり、いろいろな関係者が一堂に介する会議の企画・運営を行ったりしています。喧嘩して長期間口をきかないカウンターパートの調停、何でもNoから入るカウンターパートへの我慢強い説得、(何でもYesから入る人も、場合によっては問題)、事なかれ主義のカウンターパートに対する当事者意識醸成のための打ち合わせ、見えない宗教上の争いの傍観、などなど多くのことを経験しています。


 私はJICAを休職中の専門家です。私がJICAから途上国政府に出向してきた職員であると思っている日本人やカウンターパートは実際に多く、JICAの事業方針や考えをきかれることは結構あります。JICA出身であることが自分の強みにもなっているのですが、最近はJICAの看板を外してみようと思う時があります。JICAを知らないふりをすることもあります。
JICAという一種の「守り」を捨て、一個人としていろいろな人に対峙していると、人間としての自分の度量が試されたり、自分の弱さを発見することにもつながることを覚えました。また、如何に自分を認めてもらうか、毎日試練の連続です。自分と他者をつなぐことは、時には苦しく、時には大きな喜びです。自分が、思っている以上に鈍感だったり、短気だったりすることにも気づかされます。自己成長のための貴重な機会に恵まれていることに感謝しています。


 任期終了後はJICAに復職の予定です。「いい経験でしたね」だけでは許されない世界ということはJICA職員ですので重々承知しています。「いろいろなつながり」が、自分の成長だけでなく、JICAという組織や国際協力事業にも少なからず貢献しないといけません。きちんとした成果をあげるべく緊張感と危機感を持って業務に取り組んでいきたいと思います。 (K.S.)

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