PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第399号)

第399号  ピン芸人の道

「相手国の政府高官と会えても5分くらいしか話す時間はないわけです。その5分で相手の心をグーッとつかむ。まあ、芸人の一発芸ですな。」
ある有名なJICA専門家の方のお話です。技術や知識で超一流というだけでなく、その人の総合力、あるいは人間力のレベルの違いを感じさせるお話でした。

 芸人といえば、塩野誠氏が東洋経済に書かれているキャリア相談のブログを思い出します (キャリア相談 Vol.29
このブログでは塩野氏はコンサルタントになる事の「覚悟」といった事について書かれているのですが、その中で「20代のジュニア時代には(中略)をマスターし、シニアになったらクライアントに芸人として、芸風や人間性で認められる事が必要となります」と書かれています。
 冒頭の専門家の言葉と重なります。ODAの世界でコンサルタントや専門家を生業(なりわい)とするのは、個人の力量で食ってゆくという点において、まさに「芸人」として生きてゆくことと同じなのかもしれません。


 このコラムを読まれている方は、大組織の中で終身雇用の安定した職を選択するよりも、自分の力量で個として生きる道を指向されている方が多いものと思います。「芸人」として生きてゆくのは、大企業での安定したキャリアを選ぶよりだいぶ厳しい選択だと思います。私自身、そろそろ就活を始める娘を持つ親ですので、結構、身につまされる話です。

 そう思う一方(引用ばかりですみません)瀧本哲史氏の「僕は君たちに武器を配りたい」(講談社文庫エッセンシャル版、定価500円!)などを読むと、大企業でサラリーマンとして生きる方がこれからの時代はリスクが高い生き方とのこと。人材として「コモディティ」となってしまう事の方がよほどハイリクス、これから生き残れるのは「スペシャリティ」だけだ、そうです。確かにそうかもしれません。JICAのような大組織で働いているからそんな事が言えるんだ、と言われそうですが、これからは大企業でもスペシャリティがないと生き残っていけない時代なのかもしれません。そう言えばJICAの田中理事長も、「JICA職員もこれからはby name で仕事できるように」という趣旨のことを話されていますし。


 ODAの世界で「個」として生きて行く道を選択された皆さん、大変だと思いますが頑張ってください。JICAとしても、そんな皆さんに、出来るだけ働きやすい仕事の場を提供してゆきたいと思います。 (K.T.)
先月 来月