PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第404号)

第404号  「ボランティアツアー」 短期の海外ボランティアでできること

今(2014年)から10年前、『地球の歩き方』では大学生に向けてボランティアツアーを企画し、募集を開始しました。
今では海外でボランティア活動をすることがそれほど珍しいことではなくなりましたが、
当時海外でボランティア活動といえば「最低でも3ヶ月位から」とか、語学を含む「特殊技能」を要件とする場合がほとんどで、普通の大学生が参加を検討するような状況ではなく、1~2週間程度のボランティア”ツアー”などは存在しませんでした。
『地球の歩き方』では海外でボランティア活動を行う人の門戸を広めようと考えていたので、まずは、参加のしやすさ、次にツアー内容を整備し、安全に活動できる地域に絞ってプログラムを造成しました。内容は孤児院の支援や植林活動、遺跡保護活動等でした。
参加者は初年度こそ2桁だったものの、次第に大学生の夏休み・春休みの過し方として定着していきました。(今では4桁にのぼります!)

海外ボランティアツアーが一般的になってくると、懐疑的な意見も耳にするようになってきました。
「たった数日間の活動で何ができるの?」
「短期のボランティアなんて自己満足であって、現地のためにはなっていないんじゃない?」
など、様々なご意見をいただきました。

ただ、これまでの10年間で目に見える成果が出てきたことも事実です。
10年間に亘り支援してきた孤児院の子どもの中には、今では旅行会社に就職し、日本語ガイドとなり、ボランティアツアーを空港に出向かえる担当をしている卒院生もいます。
孤児院の施設長は、内向的な性格の子どもも日本の大学生との交流で、心が開かれていくと言っています。たしかに学生は毎回入れ替わりではありますが、日本から来るお兄さん、お姉さんと遊んだことが、親に捨てられたという心の傷を負った子どもたちに、何らかの刺激を与えていたことは間違いありません。
学生ひとり一人が関わっている、ある一点では変化は見えないかもしれませんが、活動を続けることで「点」は「線」に変わっていくのです。

活動は現地への貢献ばかりではありません。
学生にとっても、日本とはまったく違う環境下にある子どもたちと実際に触れ合うことで、自らの置かれた環境を客観的に見つめなおすことができますし、国際貢献の意義や必要性についても真剣に考えるきっかけとなるようです。
帰国後の感想では、「自分の進むべき道が見つかった」、「学習の必要性を感じた」、「いかに自分が恵まれた環境にあるかがわかった」、といった体験談が多数寄せられています。

一週間だけの活動ではありますが、ボランティアツアーは現地にとっても、ご自身にとっても有意義なものであると今では確信しています。
(H.K.)(寄稿)
 
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