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第436号  青年海外協力隊での経験を経て、現在思うこと ~青年海外協力隊50周年によせて~

 「なんだ、日本にもベナンみたいなところ、たくさんあるじゃん!」
派遣先である西アフリカのベナン共和国から帰ってきた私は岩手県の大槌町という町で働くことになった。大槌町で暮らし始めて3ヶ月が経ったとき、私の口からはそんな言葉がこぼれていた。生まれてから大学まで横浜で育った私は、日本の「地方」の現状をよく知らなかったし、さほど興味もなかった。しかし、2年間の協力隊生活を経てはじめて近所とのつながりや太陽とともにゆっくり時間が過ぎていく生活の良さを感じ、こんな生活をしながら一生ベナンで生きていくのもいいなぁなどと考えていた。しかし任期には必ず終わりが来るもので、ついに日本に帰国するときがきた。ベナンから離れることが名残惜しく、日本のキビキビとした生活に馴染めるかどうかが不安でもあった。
 案の定、帰国してからは「彩はベナンに行ってから歩くのが遅くなった」と母に言われたり、近所の子どもや大人と夕方おしゃべりをする時間が懐かしくなったり、ときにはなにか人間の温かみのような物足りなさを感じることもあった。

 そんな中、NPOカタリバという団体に出会い、大槌町のコラボ・スクールで被災した子どもたちの学習支援をする仕事をすることになった。
 人生で初めての「日本の田舎暮らし」。
 初めての「社会人」。
 私にとってまた新たなチャレンジの連続だった。新たな環境で、経歴も考え方も様々な同僚・上司とともに、日々我々が大槌町にできることや子どもたちにとって良いことはなにかを考えながら事業展開している。ストレートで教員になっていたら味わえなかったようなたくさんの経験を積みながら、苦悩することも新しい学びを得ることもある。さらには、コラボ・スクールで働く中で隊員時代の経験が活かされていることがたくさんある。地域の人たちに溶け込み、一緒になって協力し合うコミュニティを作ることや、多少のことではくじけないタフな精神力、協力隊での経験を子どもたちに話すことで彼らの視野が広がったりするなど、様々な場面で重宝している。コラボ・スクールでは、未来の大槌町を創る子どもたちの成長をサポートしながらも、自分たちは常に新たなことに挑戦をしながら成長し、次なるそれぞれのステップへ向けて研鑽している。
 私が青年海外協力隊に参加できたことは、異国・異世界に視野を広げてくれた一方で、外から日本の教育課題や社会課題を俯瞰する「目」をもつ機会にもなった。協力隊員として貴重な体験をし、様々に苦悩しながら力を磨いてきた自分だからこそ、できることがある。日本や世界に自分の「力」を発揮していくことが、これからもずっと求められていると感じている。

コラボ・スクール
北見 彩 寄稿

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