PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第441号)

第441号  利他の心

国際協力に従事して20年以上たちますが、そもそもどうしてこの世界に入ったのだろうか、国際協力における専門性って、なんだろうか、と最近つらつら考えます。やはり、長年やっていると惰性という部分もあるのも否めません。最近、自分の履歴をまとめる機会があって、自分の強みや自分の経験、感動したこと、を書く機会がありました。そうすると、次のようなことがわかってきました。
 
私のこれまで出逢った人で、すごい、見習いたい、すばらしいと感じる人は、こんな感じの人でした。
 
 
Aさん:企画調査員(ボランティア事業)に従事していた人で、とにかく傾聴がすごい。
どんな不安もどんな不満もどんな疑問もすべて「聴く」。正直、答えはわかっているのではというようなことでもまず聴く。帰国後のボランティアから、Aさんに話を聞いてもらって前を向けるようになった、という話をたくさん聞きます。
 
Bさん:○○省課長級の方で現職のままで派遣された専門家。
政策アドバイザーという位置づけでしたが、現場での多少の行き違いがあり、現場のニーズと専門家が用意していったものは違い毎月開いたセミナーでは出席者は当初ほとんどまばら。そこでBさんは、職員と個別に話をして、困っていること、知りたいこと、興味があること、を聞き出して、それに対応するセミナーに変更しました。そのうち、この人の話を聞くとためになる、と評判になり、セミナーの依頼が殺到しました。私もセミナーに参加したら、あふれんばかりの人でした。
 
Cさん:○○省の技術系の40代の専門家。
極端な話、カウンターパートがここが困っているんだ、という話を聞くと、自分の業務と直接関係あるかないかにかかわらず、とにかく対応する、という人でした。その方が離任するときの送別会はその機関の人全員が出席したのではないかと思うほど大勢の人が参加していました。それぞれの送別の辞では、「こんなに自分たちのことを考えてくれた人はいない。Cさんの働き方をみて、自分はこれではいけない、日本から来てくれた人がこんなにしてくれるんだから、自分たちができることをもっと自分たちでやらないといけない」と出席者に力説していました。専門家が最高の褒め言葉だと泣きながら謝辞を言っていたのにもらい泣きしてしまいました。
 
 
私はこれらの人にどうして惹かれるのでしょうか。いわゆる専門的な技術について何も触れられていません。相手側からも技術が高いか、知識が多いか、を評価されていません。やはり月並みですが、利他の心を持っているからだと思います。相手を知り、相手にとって必要なことを行う、最近は「おもてなし」の心というのがはやりですが、その原点は利他の心だと感じます。日本人はこれを強く持っていると言われています。ぜひ大切にしたいと思っていますが、どうやったらそうなれるのだろうか。。どなたかお分かりな方教えてください。。(K)
 
先月 来月