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第443号  支援の現場から~協力隊員が見る、ネパールの今

青年海外協力隊として2014年7月からネパール国の首都カトマンズの隣の市に派遣されています。今年4月25日に発生したネパール地震に被災しましたが、その後5月1日に日本に緊急帰国し、6月4日にネパールに再赴任となりました。地震前後および今見て感じたことを人々の様子を中心にお伝えします。

まず、被災後1週間に感じたことは人々のたくましさです。地震の翌日には各所空き地にテントがあり、調理する人々の姿が見えました。公的支援を待たずに自ら動き、助け合う人々の姿に驚きました。私の近所では地震発生から店舗が通常営業するまでの1週間、近所でお金を出し合い、開いている市場まで食糧を買いに行き、食事を用意していました。水道が止まり、「水が無い」と言いながらも、いつも通りお茶や食事を振る舞う姿に、こちらが元気づけられる思いでした。地震発生1週間後にはバスも動き、空いている店舗は少数ながら、店の片づけを始めている姿も多く、一刻も早く日常を取り戻そうと頑張る姿に底力を感じました。

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(写真:地震3日目に避難所の清掃を始める地元ボランティア)


ネパールに再赴任した今、地震直後には見えなかった問題が明らかになりつつあります。特に住宅と学校が私の住む地域では大きな課題です。住宅には政府から1戸10万ルピー(約12万円)が支給されることが決まり、今は初回支給分の1万5千ルピー(約1万8千円)の配布準備をしています。既に倒壊家屋は解体が進んでおり、仮設住宅建設が多く行われています。しかし実際は解体しても、再建資金の足りない住宅も多く存在します。

学校もカトマンズ地域では5月31日から再開しています。学校は建物が大きく、被害が甚大です。立て直しが決まっている学校もあれば、資金目途のつかない学校もあります。気温35度を超えるなか3メートル四方のトタンで作られた仮教室に36人が勉強する学校、建物の1階に全生徒を集めて授業する学校、落ち着きのなくなった子どもを心配する先生方を見ながら、震災の影響が今後何年も続くであろうことを思い知らされます。

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(写真:仮設校舎で授業をする中学生たちの姿)


私の地域では食料やテントは足りてきていますが、今も支援の行き届かない地域は多く存在します。アジア最貧国のネパールが、さらに世界から遅れてしまうと心配する声も聞きます。物質的にも精神的にも、まだまだ対応が十分ではありません。

今、ネパールの人々は日本の技術に高い関心を寄せています。先日の小笠原諸島西方沖地震で震度5の地域でも建物は倒れず、人々が冷静だったことを知り、技術や普段の備えについて日本から学びたいと考えているようです。私もボランティアとして住民に寄り添い、できることを行っていきます。ぜひ皆さんもネパールへの継続的なご関心とご支援をよろしくお願いします。(S.O)
 
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