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第466号  海外で働く人の心配事

海外、特に途上国で働く者にとって心配事が二つある。一つは子どもの教育、もう一つは親の問題である。今回は親の問題について書こうと思う。

4月の熊本地震で実家が被災した。一人暮らしの母は何とか無事だったが、家の中は散らかり、冷蔵庫は魔法のように1mも移動していた。それでも幸い家に住み続けることができたが、水とガスがない生活を余儀なくされた。余震が続く中、危なくて外出もできない。もっとも近くのスーパーマーケットやコンビニは営業を停止していた。

一時帰国し、実家に戻ることも検討したが、そもそも地元の空港も被災し、いつ再開できるか未定の状況であった。主要道路網も寸断され、陸路移動も難しい。近所の人たちも同様に被災しており、自分たちのことで精一杯である。母が所属する老人会の助けも期待できない。家でひっそりと生活インフラの復旧と物資補充の再開を待つしかない。
今あるもので食いつなぐしかない。
水がないと水分補給ができず、またトイレにも不自由する。
ガスがなければ、料理もできない。
市役所で水と食料の配給が行われているようだが、足の弱い母ではそこまでたどり着けない。

母を救ったのは親戚だった。いとこがバイクを走らせ渋滞をすり抜け、母の分まで水と食料をもらい受け、届けてくれた。近隣の市に住む親戚は、大量の水とカートリッジ型のガスコンロを提供してくれた。
母にはほぼ毎日電話していたが、これらの支援がどれほど心強かったか話してくれた。

また多くの方々から実家の安否を心配するメールをいただいた。東京で働く同僚からは「何かできることがあれば教えてほしい」という有り難いメールもいただいた。

海外で働くということは、親の理解だけでなく、多くの人たちに支えられ、成り立っていたことに気づかされた。
昔、大先輩から「身近な人を幸せにできないで、国際協力ができると思うのか。」と諭されたことを思い出す。一時帰国の際には、親戚を訪問し改めて感謝の意を伝えようと思う。(Y.A.)
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