PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第470号)

第470号  大学生、アフリカの村に住む

「ここ数年で村の人口が急激に増えて村のビジネスにも大きな影響があるようです・・・」
「最近、とある水産資源の需要が高まり、民間企業が同村の資源の買い付けをはじめていて、村の一つの収入源となっている反面、村人による過剰な漁獲が進んでいます。ただ、会社の要求水準も高く、全員がその企業と取引できているわけではないようです・・・」

あるアフリカの一国で、JICAインターンシッププログラムの一環として村落調査を実施している大学生のレポートの一幕。なかなかどうしてリアルな情報であふれていました。


JICAでは主に大学生・大学院生を対象としたインターンシッププログラムを形成・実施しています。日本で就労経験を積むもの、海外で実施中の技術協力プロジェクトにおいて専門家の業務補助を経験するものなど、そのプログラム内容は多岐にわたっています。
そんな中でもインターン生が独自に村落調査を実施するプログラムは多くないのではないかと思います。筆者が担当している上述のプログラムは正にそのようなタイプのもの。特定の技術協力の枠組みに収まらず、自由な、いわゆる非構造型調査(質問票等の定型によらない調査)を実施していくことで得られる情報は想定していた以上に興味深いものでした。

「水産資源の漁法、流通経路など、ビジネスのやり方に村人ごとに違いがあり、村人間の対立が激しいのです。」
同インターン生が調査を実施している村はJICAの技術協力でも支援対象となっているいくつかの村の一つです。彼がレポートしてくれた漁法はその国の法に触れる可能性もあり、その監視・モニタリング体制整備はJICA技術協力の支援テーマにもなりうるものです。もちろん通常の支援の中でも一定の実態調査を行っているものの、必ずしも個々の村で生じている対立構造のような人間模様まで把握できているわけではありませんので、現場のコンテクストをより深く理解し、今後の協力プログラムを構想していくうえで、インターン生の報告は参考になるものでした。
インターン生自身も村落調査手法を体系的に学習してきた訳ではなく、結果については慎重な議論も必要です。他方で計画の策定に際し自由な調査を妨げない範囲でJICAの協力プログラムのロジックを知ってもらう、各アクターの基礎情報を把握した上で考察してもらうなどして、結果の精度も一定程度高めることができたように思います。何より、本人の努力と、既存概念に過度にとらわれない調査を行ったことで、新鮮で瑞々しい情報を得られたことがインターン担当事務所員としての喜びを感じるところでした。

インターンシップや同様に長期間村落滞在する協力隊事業、JICAプロジェクトはこうした生の情報の宝庫だと思います。こうした情報をうまく形式知化・活用して、さらに強力な協力を推進していければと思う次第です。(T.S.)
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