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第472号  イラン人の時間感覚

待ち合わせ相手に、「いま、行くよ」と、電話で言われたら、何分後ぐらいに待ち合わせ場所に来ることを想像するだろうか?
ここイランでは、感覚的に言って2分から1時間超えぐらいの幅がある。

彼らは大体約束の時間に遅れる。テヘランの場合は大渋滞やタクシー待ちが日常茶飯事で、仕方ないケースもある。だから、遅れること自体はこちらも織り込み済みで準備をする。

ただ、相手の状況を聞いた時に返される「今、行くよ(alaan miyam)」には、面食らうこともしばしばだ。発話後すぐに来ることはまれである。すでに集合場所にいる私が、「今どのあたり?」と、さりげなく集合場所を変えるための質問をしても、“alaan miyam”と再度言われてしまう。

先日、留学時代のルームメートがテヘランを訪れていたので、夕食の約束をした。待ち合わせ時間は19:00だったが、直前になって彼のリクエストで、18:30に早めることにした。私は18:25に到着。

さて、私は何時に彼に会えたでしょうか?
19:25である。その間、SNSを通じて3回“alaan miyam”を言われた。そんなこともあろうかとポケットに忍ばせておいた文庫本も、たいがい読み終わってしまった。

これは多分、「いま、行くよ」を文字どおりの意味で捉えてはいけないのだろう。イランのみなさまにとって、約束の場所に向かい始める準備を始めた時点で、「いま、行く」ことが始まっているのだろう。たとえそれは、まだ靴紐を結んでいる最中であったとしても。そう考えれば、こちらも心に余裕ができる。

日常生活は、相手の時間感覚にある程度合わせた方が楽な場合もある。他方、時間に最上の価値を置く国日本との間に挟まって仕事をする者にとっては、時に悩みの種となる。今できます、今きます、今終わりました…職場では様々な「今」が飛び交っている。

どの「今」が、日本人の感覚にとっての「今」なのか、慎重に見極めながらの作業が続く。(JICAイラン事務所 J.M.)
 
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