PARTNER 国際協力キャリア総合情報サイト PARTNERニュース・コラム(第488号)

第488号  シリーズ 国際協力の第一線(団体編)~インターン経験を通じて感じたこと~


 私は特定非営利活動法人ハート・オブ・ゴールドで2年間のインターン後、2017年4月から職員として採用されました。
 当会はオリンピックメダリストの有森裕子が1996年にカンボジアで行われた、第一回アンコールワット国際ハーフマラソンに招待選手として参加したことがきっかけとなり、この大会を支援していきたいという想いのもと設立されました。現在は大会運営をカンボジア側に移譲し、小・中学校体育科教育支援事業、障がい者スポーツ支援事業、子どもの自立支援事業(養護施設運営・日本語教育)の活動を行っています。

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(小学校の体育・手作りの平均台で授業)

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(戦略的二国間スポーツ国際貢献事業(Sport for Tomorrow)で実施したカンボジア初の障がい者陸上競技会の様子)

 インターンの2年間はNGOインターンプログラムを通して活動していました。
 (NGOインターンプログラムとは→http://www.joca.or.jp/activites/ngo-intern/
 私は、ハート・オブ・ゴールド東南アジア事務所(カンボジア)にて小学校体育科教育支援事業や障がい者スポーツ支援事業等に携わり、総務や経理などの一般事務の補佐も行っていました。
 小学校体育科教育支援事業(JICA草の根)ではモデル州である15州のうち10州以上の小学校の体育ワークショップやモニタリング・評価に同行し、現場の状況を把握していきました。カンボジアはポルポト政権により、多くの知識人が虐殺されたという背景から教育の質はとても低く、もちろん教員自身がきちんとした体育の授業を受けたことがありません。カウンターパートである教育・青年・スポーツ省(以下、教育省)メンバーと共に地方へ体育ワークショップで訪れると、教員は「難しい」「運動は苦手だから教えられない」などマイナスイメージで始まっていることが多いと感じていました。しかしモニタリングで数回訪れ、フィードバックを繰り返すうちに教員の意識は変わっていきました。初めはボールもまともに使えなかった教員がしっかりと授業の目的を考え、道具を工夫して作る等、生徒にしっかりと授業を行えるようになっていきました。
 私たちは教員に体育を教える教育省の人材育成も行っているわけですが、彼らがまずしっかりとした体育の知識をもち、普及するための体制を整えなければいけません。彼らにも課題を与え、教員と同じように生徒に対する授業を実施するワークショップ等を行ったりしました。普段生徒に教えているわけではないので、うまくいかないことがあったり、他の業務もある中で大変だったこともあったと思いますが、このような時間を通して彼らが新しい発見をしたり、教員の気持ちを理解することで今後の指導方法を見直すきっかけとなったのではないかと思います。
 これらの経験から職員となった現在、私はプロジェクトの達成状況や課題をまとめ、次のプロジェクトの計画立案を行い、申請書を書いています。

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(水道パイプでハードルを作り、陸上の授業を行う小学校)

 国が違っても、カンボジアに質の良い体育を普及するという目標に向かって試行錯誤しながら一緒に進み、濃い日々を過ごすことで、教育省スタッフや地方の教員とも信頼関係を築いていきました。カンボジアの体育が少しずつ変わっていく様子を見てきて、まだまだこれからさらに普及体制を整えていく必要があると感じますが、将来的に彼らが自立して活動していけるようにサポートしていきたいと思っています。

 私は、NGOインターンプログラムを利用できたからこそ、2年間でここまでたくさんの経験ができました。国際協力活動に興味のある方、将来NGOで働きたいと思っている方は、まずはNGOインターンプログラムを通して働いてみることをお勧めします。なぜなら、本やインターネットから情報は簡単に入手することができますが、実際に現地に住み、働いてみて初めて知ることや理解できることが沢山あるからです。その都度起きる出来事に対処していくと、始めはできなかったことが徐々にできるようになり、その経験が、自分の知識や技術に変わり、私自身ふと振り返ったときに成長している自分の姿に驚かされます。きっと素晴らしい経験が待っていると思います。

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(教育省のスタッフと子ども達と一緒に)


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