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第496号  連載コラム「ぷろのぶ~国際協力を傍らに、本業に打ち込む若者たち~」(第3回)

「馬が導いてくれた社会人の国際協力のカタチ」

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 「馬に携わる仕事がしたい」これが最初の夢でした。
小さい頃から生き物が好きで、山の中に入っては、虫を取り、手のひらの上で愛でたり、虫かごで育てたりと、生き物と触れていることが大好きでした。そんな生き物と共に競うスポーツとして辿り着いたのが、競馬でした。中学生の時にその競技の存在を知った私は早速、競馬学校の騎手課程を受験すべく条件を調べましたが、体重制限43キロとのこと。受験日までに食事制限しましたが、45キロを境に一向に体重が下がらなくなり、受験を断念。それでも馬と関わりたいという思いは捨てきれず、高校では馬術部に所属し、卒業後は牧場に行き、厩務員になることを夢見ました。高校3年生の頃、運よくインターハイに出場することが出来ました。良い成績を残して、胸を張って牧場に行こう。そう思って臨みましたが、結果は惨敗。人生を改めて見つめ直すことになりました。

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 心機一転大学受験をするも、敢え無く失敗。暗黒の浪人生活に突入しました。予備校に通うと、浪人生の中には相変わらず遊んでばかりいる人もいて、私は誘惑に乗らないよう、自らケータイを破壊し外部からの通信をシャットアウト。慣れない勉強に鞭を打つため、体を縄で縛り付け、強制的に勉強を進めました。極端な勉強の仕方をしているため、模試の結果が良いときは良いですが、伸び悩むと精神的に落ち込むことがあり、ふとした時に電車に引き込まれそうになることもありました…。そんな時、予備校の先生から受験勉強を乗り切る方策として、大学入学後にやりたい夢や目的を明確にすることが良いとアドバイスを頂きました。私は「一回きりの人生、どうせ死ぬなら、一人でも多くの人に、直接的に役に立つようなことをやりたい」と真剣に考えるようになりました。

 どうにか暗い浪人生活を乗り越え大学に入学。大学時代は「役に立つようなことをやりたい」という目的を胸に、アメリカ、コスタリカ、バングラデシュでボランティア活動に参加しました。特にコスタリカで参加した、「オサガメ(英語名:レザーバックタートル)」という世界最大のウミガメの卵の保全活動は、生き物が好きな自分にとっては、この上なく楽しめる活動でした。地球上に生息しているウミガメは全種、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに名前が掲載されており、太平洋ではこのオサガメの数が激減しています。オサガメは地球上の生物で一番クラゲを食べる生き物で、一日に200kgも食べると言われています。クラゲは魚の卵や幼生を食べることから、クラゲの増大は魚が減少することを意味しており、生態系を保つためにオサガメの数を維持することが重要です。一方、コスタリカ・トルトゥゲーロに住む地元の住民は、オサガメの卵が滋養強壮に良いと信じており、卵が乱獲されていました。私が参加した「La Tortuga Feliz」では、ボランティア参加者が昼夜間に砂浜でパトロール活動を行い、オサガメの産卵に立ち会い、産んだ卵を孵化場(hatch)で保護する活動を行います。参加者は主に20歳代で、欧州からスペイン語を学びにコスタリカに来た方が大半でした。オサガメの産卵から、卵を持ち帰り孵化して海に帰るまで直に目にする体験ができるだけではなく、ウミガメの生態について座学もあり、生き物好きな私としてはワクワクが止まらない活動でした。

 そんな私も社会人になり、目の前の業務に追われ、次第にボランティア活動から遠ざかっていきました。職場で働きながらも、何か出来ることがないかと、途上国をテーマにしたイベントに参加してできた友人のつながりで、やんまー(※)という仲間と出会いました。やんまーは社会人でありながら会社員という枠にとらわれず、人を巻き込み、思ったことを次々とカタチにし、楽しいイベントを打ち立てていました。そんな彼とともに、「社会人でもできる」ではなく、「社会人だからできる国際協力」をカタチにし、楽しみながら人を巻き込んでいきたいと考えるようになりました。

 勉強会や事業構築の検討会を経て、メンバーの繋がりでインドネシアのNGO hoshiZoraと繋がり、団体の経営課題の解決に貢献できる手段について検討しました。私は会計周りの業務を日常行なっていたことから、hoshiZoraのAnnual Reportの改定を提案しました。提案資料作成するにあたって、メンバー同士で集まったり、スカイプを通じ意見交換を行ったりしましたが、各分野でプロフェッショナリティーを持つメンバー達の会議の進め方や、提案方法、合意形成の取り方に、感心するとともに刺激を受けました。また、実際にインドネシアを訪れ、代表者と顔を突き合わせて話をすることができ、仮定を持って行なったプレゼンが刺さることの気持ち良さを味わいました。他業種同士のメンバーが集い、社会貢献・課題の解決に向けて知恵を出して進めていくことの楽しさと、それを実際に提案することで喜んでもらえたことがとても良い経験になりました。

 自分の好きなことや一生のうちにやるべきことに純粋に向き合い、国際協力活動と出会いました。その活動が社会へ与えるインパクトや、そこで出会うメンバーとの交流を含めた楽しさがあるから、社会人になってからも続けられています。思えば今の活動の原体験は幼い頃に馬に憧れ、浪人時代に苦しい日々を過ごしたことかもしれません。
「一回きりの人生、どうせ死ぬなら、一人でも多くの人に、直接的に役に立つようなことをやりたい。」
私はぷろのぶで、同じような思いを持つメンバーに感謝しながら、その思いを高めていけるように取り組んで行きます。

ぷろのぶ 角倉廉

※山本陽平さん(やんまー)
(第1回コラム執筆者/http://partner.jica.go.jp/ColumnDetail?num=494


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