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途上国の若者の心に、希望とやりがいの灯を  ~研修監理員の仕事①~

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業務内容について
どのような業務を担当していらっしゃいますか?

私が担当しているのは、「研修監理業務」です。 この業務には様々な側面があり、講義や見学時の通訳や研修員の引率・同行に加え、関係者との打合せ、研修テキストの翻訳、 研修員の研修内容の理解促進、生活面での助力等が含まれています。
また、本来の業務に加えて、日本の伝統・文化の紹介やショッピングの補助等の業務外の交流にもできるだけ積極的に参加しています。

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業務にあたりどのような点が難しいと感じられますか?
研修コースの成功の可否は、講義・見学・発表等の際の通訳レベルに大きく左右されます。 短い準備期間で、病名や岩石・化学物質の種類、数学数式の読み方等の専門用語を覚えて、知識を一気に深めるのは至難の業です。
また、研修期間中は、生活文化や価値観等が大きく異なる各国の研修員を、その多様性を尊重しながら一つのグループとしてまとめ上げ、 有意義な方向に誘導するための方法について夜遅くまで悩むこともあります。
 
特に印象に残った業務はありますか?
数回にわたり、旧ソ連圏の中央アジア各国から来日した若い記者等のマスメディア関係者を対象にしたプログラムを担当しました。 歴史背景と複雑な社会経済事情により、この地域には民主主義が十分に発達していない国が多くあります。 独裁政権のもとで教育を受けてきた青年たちは、「言論の自由は空想に過ぎない。どの国でもマスメディアが政権に同じく操られる。 自国のマスメディアについても現状維持しかできないし、むしろ、その方が望ましい」という、もはや失望感とも言える受け身の思いを持って来日していました。 しかし、日本のマスメディアの歴史や現状の講義、日本のジャーナリストとの意見交換、そして同世代の普通の日本人との交流を通じて刺激を受け、 言論の自由の本来のあり方と重要性、マスメディアの役割、さらには自分自身の使命について大きく考え方を変え、 将来に向けて新しい希望とやりがいを持つ若者がでてきました。 このような勇ましい、時には痛ましい意識転換のプロセスに携わることは、私にとっても価値ある人生経験になっています。
 
どのような点でやりがいや仕事の魅力を感じられますか?
前述のように難しい点はありますが、裏返せばそれがやりがいでもあります。 講義、見学の通訳の過程で新領域の知識が常に増え、また研修プログラムに含まれることがある研修旅行で日本の各地を訪れることによって、 視野が広がり、世の中の物事に対する理解度が深まります。 来日する研修員との新しい出会いも、毎回、魅力の一つです。 そして何より、遠くの開発途上国におけるいわゆるBasic Human Needs、つまり人工的に作られた贅沢な要求ではない、 安全な食糧と水、住宅、教育、保健医療に関する人間の基本的なニーズの充足に少しでも貢献できるという達成感と喜びが、一番のやりがいとなっています。
 


応募・キャリアについて
この仕事に応募しようと思われた理由・きっかけはなんですか?

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ロシアのモスクワ大学で日本語学科を卒業した後、 「せっかく青年時代を捧げて世界一難しいと言われる日本語を習得したのだから、その大好きな日本語の能力を仕事に活かしたい」 という熱意から、当時、JICA研修コースの研修監理業務を担っていた(財)日本国際協力センターの研修監理員に登録しました。 そして平成24年1月、研修監理業務直営化にともなうJICA登録試験に応募し、猛勉強の末、奇跡的に語学試験に合格することができました。
登録制という、依頼があるごとに仕事を受ける仕組みは不安定な要素もありますが、 同時に、より「自由に生きる」ことが可能であるところが、応募理由の一つでした。

これまでにどのようなキャリアを積んでこられましたか?
実は、JICA研修コースの研修監理業務は、私の社会人としての最初の仕事でした。 これまで、マスメディアから官庁統計、看護師育成、防災、国会運営等々の多岐にわたる研修コースを数十コース担当し、 1,000人以上の研修員を迎えることができました。 JICAの研修コースを通じてできた友達や知り合いのネットワークは、家族に次ぐ大切な財産になっています。



最後に、応募を考えている方へのメッセージをお願いいたします。
応募して登録されたとしても、思いどおりに仕事が来ない、技術的な専門用語がなかなか覚えられない、 恥ずかしい通訳のミスが指摘される、研修員の中には発音が聞き取りづらかったり、こちらの意思を受け入れてもらえない人がいる、 等々の様々な困難に直面する覚悟は必要です。 ただ、その覚悟さえあれば、毎回の仕事が未知の領域への挑戦になったとしても乗り切ることはできます。 多様な価値観や性格を持つ人でも、誠実に向かい合えば、 たとえ自己の専門でなく完全には理解できていないことであっても相手に理解を促すことができます。 この部分が一番やりがいをもって取り組めるところだと感じます。 さらにその副産物として、フェイスブックの友達が増えていくことも期待できるでしょう。

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※本インタビューは、「しごと@JICA 活躍するひとの声」で公開していた内容と同一です。