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経験蓄積・学習型の企画調査員  ~企画調査員(企画)の仕事①~

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企画調査員としての第一歩

私は現在、シエラレオネで「地域開発」の活動をしています。企画調査員の仕事としては在外では4カ国目です。JICAの仕事を始めたきっかけは、JICA北陸で研修監理業務担当者を募集しているのを知人から紹介されたことです。
その時に初めてJICAの名前を知ったくらいで、それまではまさか自分が国際協力業務に携わるとは、全く考えていませんでした。その当時、研修監理業務ならばいろいろな国の人と出会えて楽しいかもと、軽い気持ちで応募したことを記憶しています。

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研修監理業務の契約が終わる頃に、JICA本部で、専門家や企画調査員の登録制度ができ(その当時「PARTNER」は存在していませんでした)、応募・登録した後に間をおかずにインドネシアの案件に採用となり、それが企画調査員としての第一歩でした。その後はラオス、アフガニスタン、シエラレオネと続いています。

次につながる業務経験

企画調査員として情報収集・分析、援助計画の立案、案件形成、プロジェクトの進捗管理等の業務を行ってきましたが、これまで私が携わった案件はどれも、異なる分野のものでした。
インドネシアでは研修事業と水産分野。ラオスでは南南協力、航空分野、鉱工業分野、民間セクター促進。アフガニスタンではマザリ・シャリフ連絡事務所の運営管理、道路等の社会基盤整備、地域開発。そして現在、シエラレオネで地域開発に携わっています。

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「専門分野は何ですか?」と聞かれることも多いのですが、専門性と言えるのは大学で勉強した「観光開発」程度でしょうか。在外事務所で活動されている多くの企画調査員は何かしらの専門性を持ち、その分野での優良案件の形成を行っています。私のような専門といえるものを持ち合わせていない企画調査員は稀なようです。
専門性を持ち合わせていればそれがもちろん強みになりますが、私の場合は、専門性というよりも担当していた業務経験が、次の案件への応募に応用できたのだと考えます。

JICA北陸での研修業務がインドネシアでの在外研修業務に、インドネシアでの業務経験がラオスでの南南協力事業に、ラオスでの南南協力事業と日本の支援を集中した「ラオス南部地域の開発」に携わった経験が、マザリ・シャリフや現在のシエラレオネでの地域開発につながっていると思います。また、南南協力での業務経験は、各プロジェクトの人材育成部分を分析し研修事業につなげる業務でしたので、各種プロジェクトを、広く浅くに理解できたことも、次の案件に応募する際に役に立ったと考えています。

業務上で大事なこと

業務を行うにあたっては、関係資料を多く読み、できるだけ多くプロジェクトを訪ね、現場で専門家から話を伺い、プロジェクト活動の理解を深めるよう努力しています。
また、相手国政府やドナーからの情報収集とコミュニケーション経路を確立し、業務に活用できる情報の引き出しを増やすように心がけています。JICA特有の言葉や、慣れない事業プロセスは、他のスタッフに聞いて、事業が滞らないよう気をつけています。最初は何もわからず、On-the-Job Trainingを受けているようでした。少しずつ増えていった経験値が、継続的な企画調査員業務に繋がっているものと考えます。

また、活動国でのマナーや習慣、文化理解等については、ナショナル・スタッフからのアドバイスをよく聞くようにしています。文化も慣習も違う海外生活ですので、その違いを受け入れる柔軟性と、それを支えてくれるナショナル・スタッフとの関係構築がとても重要なことだと思います。彼らは良きアドバイザーであり、良き友人です。今でもお互いにメールのやり取りをして、近況を確かめ合っています。

国際協力の現場

企画調査員の仕事の醍醐味は、案件形成の情報収集のために観光では絶対に行けないような場所に行けること。そして、それぞれの国で様々な人に出会い、時には地域の人たちと食事を共にするなど、文化風習に接しながらJICA業務を推進できることかと思います。

特に印象に残っているのは、アフガニスタンでの活動です。行動規制があったことから、防弾車でマザリ・シャリフ市内しか活動できず、プロジェクトの活動現場にも殆ど行けないという状態が続いていました。しかしようやく郊外への活動許可が下り、基幹産業である農業支援の一環として、農産物のフィールド調査に日本からの調査団と行った時は、緊張と解放感を感じました。

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また、大寒波が押し寄せ一晩のうちに市内のほとんどの水道管が凍結し、それから約1ヶ月水が出ず、不便な生活を強いられたこと、ナショナル・スタッフの家族が、郊外で何者かに襲撃され、命を落とし、その葬儀に参列したときの悲しみなど、アフガニスタンでは、活動できる喜びと生きていく厳しさを目の当たりにしました。


JICA業務はドナー協議や政策協議から、貧困で脆弱な人へ直接裨益する活動までさまざまです。国際協力や企画調査員業務に関心を持っている方は、専門性だけではなく、いままで培った経験が必ずどこかで形を変え、業務の幅を広げ国際協力に役立つことができると思います。

※本インタビューは、「しごと@JICA 活躍するひとの声」で公開していた内容と同一です。