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ボランティア事業の黒子ですがやりがい、手応えがあります  ~企画調査員(ボランティア事業)の仕事②~

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ボランティア調整員として、パラグアイそしてアルゼンチンで活躍された中野直美さんにお話を伺いました。
 

ボランティア調整員の仕事について

-中野さんは過去2回、ボランティア調整員をご経験されていますね。

1996年からの3年半パラグアイ、そして2003年から3年間アルゼンチンでボランティア調整員を務めました。アルゼンチンでは、私が初代のボランティア調整員だったのですが、青年海外協力隊員が入っていなかったので、シニア海外ボランティアと日系ボランティア合わせて約50名を、二人で担当していました。帰国してから約一年になります。
 

-それでは今日は、直近のアルゼンチンのお話を中心にお伺いしていこうと思います。ボランティア調整員として担当されていた業務は?

大きな柱としては、ボランティアの活動と生活の支援、そしてボランティアの要請開拓などの派遣計画の策定、この2つになると思います。プラス、スポットで入ってくる調査団対応業務など、さまざまな仕事ですね。
 

-ボランティアの活動と生活の支援とは、日々具体的にどのようことをされるのですか?

まずは、受入準備をして、ボランティアを空港にお出迎えすることから始まります。派遣されてくる時期は年2回(平成19年度からは年4回派遣)とほぼ決まっているので、それに合わせて早め早めに準備をします。

この受入準備の段階で、受入リストを作成したり、履歴書を拝見し配属先に送付したり、関係書類を準備したりするので、派遣されてくるボランティアと直接会っていなくても、既に名前と顔が頭の中に入っています。

ここから、ボランティア一人一人との関係がスタートすることになります。その後の支援の方法は、本当にいろいろあるのですが、どこまで支援すべきかというその線引きは非常に難しいなと感じます。

基本的には、ボランティアの方々自身で対処していただくのですが、ボランティアが困っている時や病気の時などは当然フォローすることになります。また、やはりボランティアもそれぞれですので、個人個人極力細やかに対応することを心がけて、公正さを保ちながら対応するようにしていました。

アルゼンチンはインターネットが普及していたので、日々ボランティアからメールや電話で相談や問い合せが入ってきますし、事務所に直接来られる方も多くいました。誰も来ない日はないですね。事務所に寄ってくれた時はなるべく活動の進捗状況を聞いたり、世間話を通して様子を確認したりしていました。

その他にも、事務的な仕事も多いです。文書作成から経理処理まで、ボランティアが活動すればそれに伴ってさまざまな事務処理が発生します。他にも、ボランティアの安全管理も重要な仕事で、それぞれのボランティアが犯罪被害に遭わないよう働きかけをしたり、緊急時に直ぐに連絡が取れるよう常に何処にいるか把握するのも仕事の一つでした。
 

-ボランティアの活動に中野さんが直接関わることはあるのですか?

巡回指導といって、ボランティアの任地に直接活動を見に行くことも調整員の仕事です。ボランティアには着任後6ヶ月ぐらいまでに活動計画を作ってもらうので、その進捗状況を確認しに行ったりします。

また、ボランティアから定期的に提出される報告書の内容を見て、活動がうまくいっていない様子だったり、配属先との関係で問題を抱えていたり、ボランティアから要望があった場合などには、状況を改善するためボランティアの任地まで出張しサポートすることもあります。

こういった特別の用事がなくとも、要請開拓や任地に赴任するボランティアに同行した帰りなど、「近くまで来たけど元気?」と訪問することもありました。地方で一人で活動していたりすると、こういった訪問があるとないのでは随分違うと思うので。
 

-受入準備から始まって2年間ボランティアのフォローをしていくのですね。

そうですね。最後に、帰国報告会がボランティアの派遣隊次ごとに行われて一区切りとなります。ボランティア調整員は、報告会のアレンジを行ったり、ボランティアの帰国準備に付随する手続きを陰からフォローすることになります。
 

-ボランティアの要請開拓とは具体的にどのようなことをされるのですか?

やり方は色々あります。例えば、アルゼンチンでは、政府関係機関やNGOなどを対象に、JICAの事業紹介を行うセミナーを実施しています。その一コマでボランティア事業の紹介を行って、ボランティア派遣の可能性を多くの機関に周知します。その結果、各機関から問い合わせが入ることがあります。

他にも、技術協力プロジェクトやJICAの技術研修プログラムで研修員を日本に派遣した実績のある機関や、既にボランティアが入っている地域でボランティアの活躍を見た別機関から「うちでも是非ボランティアが欲しい」という要望を受けることがあります。

このような要望があった機関に、ボランティアに期待する活動内容などを所定のフォームに書いていただいて、それを基に直接話を聞いて内容をつめていきます。この時、治安状況や生活環境も調査して、ボランティアが派遣できる地域であるかどうかも確認します。配属先もボランティアもそしてJICAも満足できるような要請をあげることを目指して、ボランティア調整員、現地職員は動きます。
 

-現地職員と共に動くこともあるんですね。

はい、事務所の体制にもよりますが、最近では、プログラムアプローチの動きがあるので、私たちボランティア調整員も、農業、教育、保健などの分野別という形でボランティアを担当する場合もあります。ボランティア事業と技術協力プロジェクトをリンクさせるなど、分野別の取り組みの中でボランティア派遣を計画していく必要性があります。

そういった動きの中で各分野を担当する現地職員と一緒に動くことが多かったと思います。
分野別の取り組みに携わる中で、私は栄養士の資格は持っているものの、他に全く専門性を持っていないので、専門性があるといいなと思う場面が多々ありました。しかし、実際は嘆いていても仕方ないので、専門的な部分はシニアボランティアの方々などにどんどん質問して、助けてもらっていましたね。

分野における専門的なところは、ボランティアの皆さんにフォローしていただいて、私はそれ以外のところをフォローするという形です。私たちは、全体のプログラムやプロジェクトに、専門性を持った各ボランティアの活動をいかにつなげていくかという役割を主に担っていけばよいのかなと思います。そのために、ボランティア調整員には、マネジメント力が求められるというのが実感です。
 

仕事のやりがいについて

-ボランティア調整員としてやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?

やはり、ボランティア自身が、活動だけじゃなく、生活や人間関係を含めた全ての部分で「来て良かった」と感じてくれた瞬間ですね。帰国の際、空港での見送りにホームステイ先の家族や配属先の方が来てくれていたりして、彼らからも「すごく良いボランティアが来てくれて良かった」と言われることがあります。

こういう時は、自分としてもやりがいを感じますね。そして、帰国された方々が任国の応援団になってくれた時はすごく嬉しくなります。アルゼンチンでも、シニア海外ボランティアのOVの方々が中心となってグルメ・アルヘンティーノというNPOを立ち上げて、今でも日本とアルゼンチンとの交流を続けています。私も、その中の一助となれたのかなと感じると嬉しいですし、自分ももっと何かできないかなという刺激にもなります。
あと、私は事務的な業務も嫌いじゃないので、一つ一つの業務を終えた時がすごく嬉しい!
 

今までのキャリアパス

-今までのキャリアパスを教えて下さい。

91年に家政の青年海外協力隊員としてホンジュラスに行ったのが、私のラテン世界との関わりの始まりです。お恥ずかしい話ですが、しょっちゅう愚痴をこぼしたり、ぱっとしない隊員だったと思います。任期を終えてすぐ、メキシコのカンクンで観光ガイドの仕事につきました。その頃は、調整員になるとは全く考えていませんでしたが、人に満足してもらうようお世話をするという点で、共通する所がある仕事だったかもしれませんね。

年齢が30歳になって、メキシコで骨は埋められないと思って、一旦帰国しましたが、メキシコで約3年間働いたことでスペイン語は少し上達し、中南米の習慣や生活にも慣れ、ラテンの世界が少し分ってきた頃でもありました。ちょうどそんな時、ボランティア調整員が一般募集されていたんです。自分の心の中で、青年海外協力隊の時に、十分やりきれなかった思いがあったので、今度は協力隊員をフォローする立場で恩返ししたいという強い思いが沸き上がり、応募したんです。

無事合格して、パラグアイに3年半いました。その後、パラグアイの旅行会社で3年程仕事をして、再度アルゼンチンのボランティア調整員となりました。
 

応募者へのメッセージ

-最後に、これからボランティア調整員に応募を考えている方々へメッセージをお願いします。

ボランティア調整員は、まず人と関わることが好きな人が向いているでしょうね。ボランティアの中にも本当にさまざまな性格・年代の方がいらっしゃるので、どんな方とでも自分から接していける人でなくてはならないと思います。

そして、人と関わることが好きなだけでなく、仕事にしっかりメリハリをつけられるということも大事です。多くのボランティアを一手に担当しますし、事務的な仕事も相当量あります。両方とも効率よく確実にこなしていく為には、自分でしっかりコントロールして仕事にメリハリをつけられなければならないと思います。

ボランティアを通じて任国に協力することができる仕事ですので、是非チャレンジしてみてください。

-どうもありがとうございました。
 
※本インタビューは、「しごと@JICA 活躍するひとの声」で公開していた内容と同一です。