国際協力の仕事全般に関する質問

1-1.国際協力の仕事には、どのようなものがありますか?
国際協力には様々な関わり方があります。

国際協力というと、国連やJICA、開発コンサルティング企業といった国際協力を専門にした機関がイメージされがちですが、実際に専門性を活かして技術協力や資金協力の現場で国際協力業務に携わっている方は、日本の民間企業(建設会社、電力会社、シンクタンク、商社など)、公務員、自治体職員、大学の研究機関および医療機関の方など、国際協力が本来の業務ではない方が多いことにも目を向ける必要があるでしょう。

国際協力の仕事は多種多様であり、まとめて紹介されることがほとんどないために全体像が分かりにくくなっています。そこで、PARTNERではその働き方に着目し、「国際協力の働き方や関わり方」を紹介しています。

一般的に、マネジメント系・無期雇用の場合は、新卒採用が一般的であり、仕事への関心度や人物評価、語学をはじめとした一般的な素養などが求められるため、専門性は重要視されない一方、求人枠は非常に少なくなっています。

マネジメント系・有期雇用の場合、無期雇用の場合と比較すると、定められた期間で成果を上げるための実務経験や専門性がある程度求められますが、大卒後(または大学院修了後)、数年間(目安として3年以上、ただし求人により異なります)の実務経験を積めば参入可能です。求人枠はやや少なめです。

スペシャリスト系・有期雇用の場合、求人枠はある程度存在しますが、高い分野・課題の専門性や実務経験を求められるため、参入できる人材になるまでに時間とコストがかかります。

スペシャリスト系・無期雇用の場合、多様な組織が国際協力に関わっているため、その求人の総計という意味においては求人が多いです。ただし、開発コンサルティング企業を除くと、組織本来の業務は国際協力ではないことが多く、また組織の人事方針もあることから、その組織に所属したからといって必ず国際協力関連の業務に携われるとは限りません。


主な求められる専門性や業務経験に関しては1-3
海外における実務経験の積み方に関しては3-3
1-2.国際協力の仕事をするために、求められる資質や能力とは何ですか?
1-3.国際協力の仕事に求められる専門性や業務経験は何ですか?

語学力をはじめとするコミュニケーション力は共通して必要といえますが、それ以外はマネジメント系・スペシャリスト系のそれぞれの場合によって、重点とされる資質・能力は異なります。
必要な語学力については 1-4

マネジメント系の仕事の場合、総じて求められるのは、多くの関係者の調整をして成果を出していくためのマネジメント力です。
マネジメント系の仕事は、新卒採用においては、大学院生であれば国際協力や専攻分野の専門性を問われることもありますが、学部生の場合は、他業種の企業などと同様に、仕事への関心度や人物評価、語学をはじめとした一般的な資質や能力を中心に選考されることが殆どであり、国際協力分野における専門や途上国などでの経験ばかりが問われるとは限りません(採用条件は機関・団体によって異なりますから、詳細は個々の募集要項などをご確認ください)。
経験者採用や期限付きの雇用の場合は、どの団体においても即戦力となることが求められるので、社会人としての経験や高い語学力、募集団体や仕事によっては、特定の職務経験や途上国での実務経験を必要とされることもあります(募集団体にもよりますが、多くの場合、インターンは職務経験として見なされません)。
マネジメント系の仕事に就くためのキャリア形成については2-2

一方、スペシャリスト系の仕事の場合、総じて求められるのは、開発途上国の現場で必要とされる技術力(分野・課題別専門性)とそれに関連した実務経験です。
例えば、農業、医療、環境、教育など、国際協力活動に活かすことのできる分野における学術的なバックグラウンド(専門や業務によっては、修士号や博士号を必要とされます)に加えて、実際にそうした専門性を活用して国内外(開発途上国を含む)で業務や指導を行った経験、いわゆる実務経験が必要とされます(募集団体にもよりますが、多くの場合、インターンは職務経験として見なされません)。求められる経験年数は、仕事によって、2~20年と幅があります。

なお、文学や語学、芸術、体育といった専攻は、国際協力のスペシャリストの専門性としては活かしにくいのが実情です。

新卒でスペシャリスト系の仕事に就くことは、ほぼ不可能ですが(例としては少ないですが、スペシャリスト系の仕事の一端を担う、「開発コンサルティング企業」が新卒採用を行うことがあります)、就職するなどして実務経験や専門性など、能力を向上させることで、スペシャリスト系の仕事への道が開けてくると言えます。
スペシャリスト系の仕事に就くためのキャリア形成については2-3

1-4.語学力は、どのくらい必要ですか?

国際協力の基幹言語となる英語の能力は、まず必要です。たとえば、JICAでは「高いコミュニケーション能力が求められる仕事」ではTOEIC730点以上、「業務上、充分なコミュニケーション能力が求められる仕事」では、TOEIC640点以上など、仕事によって求められる基準は異なります。また、国際機関で働くには、英語またはフランス語などで業務遂行が可能なレベルの語学力を要求されることがあります。例えば、外務省国際機関人事センターのJPO(Junior Professional Officer)派遣制度の多くの合格者は、TOEFL iBTで100を超えるスコアを持っているようです。

英語と合わせて、そのほかフランス語や、スペイン語、ポルトガル語などができると、仕事の幅を広げられるでしょう。開発途上国の中には、英語よりも、フランス語やスペイン語、ポルトガル語が話されている国も多いためです。「国連公用語」の設定もありますので、それも参考にしてはいかがでしょうか。また、英語に加えて、特定の地域で話されているような言語(アラビア語、ロシア語、ベトナム語など)の能力があると、仕事に活かせる場合があります。

参考までに、JICAにおける語学力の基準は、こちらでご覧頂けます。
語学ガイドライン(PDF)
 
各種仕事・制度における求められるスキル(語学)についてはこちら

1-5.ニーズの高い専門分野は何ですか?

例えば、JICAでは「農業開発・農村開発」「保健医療」「水資源・防災」といった分野において特に専門家が多く派遣されており、中でも「農業開発・農村開発」は年々増加しています。(2013年度実績)
参考までに、JICAが分野ごとに、どのような協力活動を行っているかは、「JICA課題別取り組み」でご覧頂けます。

また、PARTNERでは個人登録者(国際協力人材登録者、簡易登録者)の方限定で、直近の動向を踏まえた需給予測についても紹介しています。
JICA関連人材データ」へ

1-6.国際協力の仕事について、具体的なイメージが持てないので色々と調べたいのですが、どのような情報源がありますか?

JICAを通じた国際協力の仕事について知るには
「しごと@JICA」 http://partner.jica.go.jp/shigoto/
国際協力の現場を知るには
「JICA 国別取り組み」 http://www.jica.go.jp/activities/regions/index.html
「JICA 課題別取り組み」 http://www.jica.go.jp/activities/index.html
JICA広報誌 http://www.jica.go.jp/publication/index.html (PDFでもご覧頂けます)
「ODA見える化サイト」http://www.jica.go.jp/oda/index.html
JICAのボランティア事業について知るには
「JICAボランティア」 http://www.jica.go.jp/volunteer/index.html
国連・国際機関で働くことについて知るには
「外務省国際機関人事センター」 http://www.mofa-irc.go.jp/
「国連フォーラム」 http://www.unforum.org/index.html
開発コンサルティング企業について知るには
「(一社)海外コンサルタンツ協会(ECFA)」 http://www.ecfa.or.jp/japanese/index.html
NGOについて知るには
「国際協力NGOセンター(JANIC)」 http://www.janic.org/
国際協力に関わるJICA以外の団体の仕事について知るには
「(株)国際協力銀行(JBIC)」http://www.jbic.go.jp/ja
「(一財)日本国際協力センター(JICE)」http://sv2.jice.org/
「(独)日本貿易振興機構(JETRO)」 http://www.jetro.go.jp/indexj.html
「(一財)日本国際協力システム(JICS)」 http://www.jics.or.jp/
「(独)国際交流基金(JapanFoundation)」 http://www.jpf.go.jp/j/
国際協力の仕事全般について知るには
情報誌(年一回発行)「国際協力ガイド」 国際開発ジャーナル社
月刊誌「国際開発ジャーナル」 国際開発ジャーナル社
ここに記載した以外にも様々な情報源があります。関心に合わせてご自身でお調べください。
PARTNERでもキャリアの情報収集に役立つ様々な情報提供を行っています。具体的なキャリアモデルを知りたい場合はこちら

1-7.国内でもできる、国際協力の仕事はありますか?

国際協力に関わる機関、団体、NGO、企業などにおける、事務系の仕事が挙げられます。たとえば、財務会計、広報、情報システムなどの業務です。

ほかにも、開発途上国の人材を招いて行う研修事業に関わる団体において事業に携わるなど、国内でもできる仕事はあります。また、JICAでは本部のほか、各地の国内機関で勤務する期限付きの職員や専門嘱託を募集する場合があります。詳細はこちら(しごと@JICA)

お住まいの自治体において、国際交流・国際協力の団体が設置されている場合、それらの団体で職員を募集することもありますから、広く情報を確認してみることをお勧めします。
「PARTNER」では、国内の仕事の募集情報も掲載しています。 PARTNER求人情報(国内)

1-8.仕事を続けながらできる、国内での国際協力はありますか?

仕事を続けながらの活動は、ボランティア休暇や週末を利用するボランティアが中心になるでしょう。お住まいの自治体のホームページや広報誌に、国際協力に関連するボランティア情報が掲載されていることもあります。また、自治体において国際交流・国際協力の団体が設置されている場合、多くは自治体のホームページにリンクが掲載されていますから、それらの団体に問い合わせても情報を集められるでしょう。

JICAでは、日本各地にJICAの拠点を置いており、そこから日本でできる国際協力についての情報を発信しています。お住まいの地域に近いJICA国内機関にぜひ足を運んでみてください。
JICA国内機関はこちら

「国際協力NGOセンター(JANIC)」を活用して、近くで活動している、あるいは、地方ごとのNGO活動のネットワークを作って情報をとりまとめている団体などを調べて、参加できそうなボランティアを探す方法もあります。外務省の「NGO相談員」として指定されている地方ごとの団体が、その地域に密着したボランティア活動を案内していることもあります。 「PARTNER」では、ボランティアの募集情報も掲載しています。 PARTNER求人情報(ボランティア)