2010年9月4日(土)、JICA国際協力人材センターでは、外務省国際機関人事センター国連ボランティア計画(UNV)国際開発センター(IDCJ)及び国際協力NGOセンター(JANIC)等の協力により、JICA東京(幡ヶ谷)におきまして、国際協力のプロを目指し、即戦力を有する社会人や大学院生を対象に、「国際協力人材セミナー in 東京」を開催しました。以下、セミナーの概要を簡単にレポートいたします。

熱気溢れるメイン会場 午後のNGOセッション ワンポイント相談コーナー 個別キャリア相談

 当日は、午前中の気温33度という猛暑にもかかわらず、国際協力のプロを目指す188名の熱心な方々が参加し、各セッションにおいては、講演中に熱心にメモを取る姿や質疑応答における活発な質問、そして講師陣の丁寧な回答等、朝9時25分から7時間があっという間に過ぎていきました。200名以上は入る講堂をメイン会場に、日中はエアコンの効果も及ばない瞬間もあるほど、受講者の熱気の溢れる一日となりました。


 まず午前中のJICAセッションでは、145名の参加者を前に、国際協力人材部長より、「JICAが求める国際協力人材とは」という挨拶から始まり、国際協力人材部と調達部から、JICAにおける公募案件と公示案件に関する情報の読み方について、具体例を示しながら情報の読み方のコツや留意点を説明されました。また、案件に関する応募手続きや応募書類等の応募方法についても詳細に紹介するとともに、応募するためには事前に“国際協力人材登録”(個人向け)が必要であることを強調されました。

 そして、専門家の経験談としては、公募型専門家の舟橋 學(ふなばし がく)氏から、公募のための準備として、履歴書の書き方、企画書の留意点、面接の回答方法等に関する具体的なアドバイスをいただきました。また、公示型専門家の杉野 晋介(すぎの しんすけ)氏からは、プロポーザルの作成やプレゼンテーション時の心構え等、個人コンサルタントとしての経験談についてわかりやすく、ユーモアたっぷりに話していただきました。


 午後の開発コンサルタントセッションでは、119名が参加して、(一財)国際開発センター(IDCJ)の総務部長兼新規事業部長(主任研究員)である寺田 幸弘(てらだ ゆきひろ)氏が、「開発コンサルタントが求める人材」をテーマに講演されました。まず冒頭に、事前にIDCJとPARTNERが協力の上実施した「開発コンサルタント企業が求める人材に関するアンケート調査」の結果分析を絡めながら開発コンサルタント企業での仕事とは何かというお話をいただきました。アンケート結果によると、「採用において特に重視する点」は、学歴・知識では専門分野の知識が最も多く、実務能力・スキルでは、コミュニケーション力と専門分野の技術スキルが共に一番となっていることなどに触れました。こうしたことを踏まえて、本題ではIDCJの事例をもとに、開発コンサルタントの業務内容や採用の背景、採用担当者の納得を得るためのチェックリスト等、“どんな人材が必要とされるか?”について、現在の動向をお話しました。


 一方、同時開催のNGOセッションでは、参加者57名を対象に、国際協力NGOセンター(JANIC)事務局次長の富野 岳士(とみの たけし)氏が、「NGOで働くということ」をテーマに、日本の国際協力NGOの現状について統計数字をもとに職場としてのNGOについてお話されました。そして国際協力NGOの求人募集の実態について、有給スタッフの男女別・年齢別構成、専攻分野、人数の推移、学歴、職歴、給与や諸手当、在職年数等について、マイナス面やNGO組織の今後の課題などについても、詳細に解説されました。そして選考基準や求められるスキル・視点について、民間企業等と比較しながら、また自身のキャリア構築とも併せて、「NGOの就職には“旬”はない」として講演をまとめました。


 その後の国際機関セッションでは、149名の参加者を前に、外務省総合外交政策局の国際機関人事センター課長補佐の神宮司 英弘(じんぐうし ひでひろ)氏が「国際公務員になるために」をテーマに、国際機関人事センターの役割や業務の説明からはじまり、“国際公務員になるには”各種の方法があることを述べられました。まず、退職、転任、転出あるいはポストの新設等で欠員が生じた場合に、国際的に公募される空席公告への応募の紹介がありました。さらに、外務省のJPO派遣制度への応募や国際機関が実施するヤング・プロフェッショナル・プログラム等、各種の応募手段を紹介するとともに、経験を積むための各種機会~国連ボランティアや国際機関のインター制度の利用等~についても説明がありました。

 最後に、国連ボランティア計画(UNV)東京駐在事務所の駐在調整官である長瀬 慎治(ながせ しんじ)氏が、「国際機関の仕事について」をテーマに話されました。同氏は、朝からの出席者を気遣い、「みなさん疲れているのでは? 立ち上がって背中を伸ばしましょう」と呼びかけ、会場にいる参加者をストレッチでリラックスしてもらい、講演を開始しました。まずUNVの組織概要や業務についての話から、世界中で年間7,700人が働く国連ボランティアの立場は、多様性と中立性と成果重視であると説明されました。そして、国連ボランティアになるための資格や応募方法や待遇等について、ご自身が大学事務職員から転職されたこれまでのキャリアパスを踏まえて的確にアドバイスされました。


   なお、セミナー開催と同時進行で、個別キャリア相談が国際協力相談員6名によりセミナールームで行われました。本相談は、定員48名を超える申し込みがあり、PARTNERのサービスの中でも大変人気があります。1名あたり30分の相談ですが、みなさん今後の進路や国際協力の仕事について熱心に質問するとともに、相談員のアドバイスを真剣に聴いていました。さらに、別室において、昼休みを利用したワンポイント相談も、時には待ちの列ができるなど、業界や分野別に分かれて各講師陣に熱心に質問していたのが印象的でした。



《 当日のプログラム 》

■ 午前の部 ■
JICAセッション 09:25~12:25(途中休憩あり)

- 開会、進行説明(国際協力人材センター長 江種 利文)
- 開催挨拶(国際協力人材部部長 西脇 英隆)
- 「JICA専門家とは」
  ・ 公募型案件についての説明 (JICA 国際協力人材部 中堀 宏彰)
    JICA専門家応募の際のテクニカルポイントをご紹介
  ・ 公募型専門家の経験談 (公募型専門家 舟橋 學 氏)
    キャリア構築、応募から採用に至るまで経験者自身が力を入れたこと、現場での仕事について
  ・ 公示型案件についての説明 (JICA 調達部 竹内 博史)
  ・ 公示型専門家の経験談 (公示型専門家 杉野 晋介 氏)
    キャリア構築、応募から採用・業務遂行まで、専門家自身の経験に基づくリードタイムのコツについて


■ 昼休み ■
ワンポイント相談コーナー 12:25~13:40

午前の部についての質問や、各国際協力実施機関を目指すためのキャリア構築について、「ちょっと聞きたい」方のための相談コーナー。


■ 午後の部 ■
【I】 13:40 ~ 14:40 (選択制)

  □開発コンサルタントセッション
  - 「開発コンサルタントが求める人材像」 開発コンサルタントの業務、求める人材について
     一般財団法人 国際開発センター(IDCJ)
     総務部長兼新規事業部長 主任研究員 寺田 幸弘 氏

  □NGOセッション
   - 「NGOで働くということ」 職場としてのNGOと働いているスタッフのキャリアパスについて
     特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター
     事務局次長 富野 岳士 氏

【II】 14:50 ~ 16:45 国際機関セッション
   - 「国際公務員になるために」
    JPOをはじめ、国際公務員になるための各種プログラムと求められる人材像について
     外務省総合外交政策局 国際機関人事センター
     課長補佐 神宮司 英弘 氏

   - 「国際機関の仕事について」 実際に国連で働く邦人職員によるキャリア構築とUNVについて
     国連ボランティア計画(UNV)東京駐在事務所
     駐在調整官 長瀨 慎治 氏



●同時開催:個別キャリア相談

 
《 過去のセミナー・レポート 》

2010年7月 国際協力人材セミナー in 関西を読む
2010年3月 国際協力人材セミナー in 東京を読む
2010年1月 国際協力人材セミナー in 中部(名古屋)を読む