前文 2013年5月11日(土)、JICA中部において「国際協力人材セミナーin中部」を開催しました。
前日からの雨が降りやまず、あいにくの天候となってしまいましたが、150名近い方々にご参加頂きました。
(数名の方からお問合せ頂いた、右のお写真の女性は なごや地球ひろば の 案内嬢です。 2Fで開催しているJICAボランティア写真展(~2013年5月26日(日))、6月開催のアフリカ開発会議(TICAD V)開催にちなんで、ただ今アフリカの民族衣装でお迎えしております。セミナー当日はセミナーの受付案内にも協力頂きました。)

午前中は、全体セッション(国際協力の全体像)、JICAセッション(JICA人材の紹介、専門家体験談)、JICAセッション(2)(JICAの役割と仕事)について、午後は、開発コンサルタントセッションNGOセッション国際機関セッションを実施致しました。また、恒例となってきたネットワーキングランチ座談会等の特別企画も実施致しました。 各セッション・プログラムについて、以下にレポートします。

(当日のセミナープログラムの各セッション・企画のタイトルから各レポートを参照いただけます)

当日のセミナープログラム

時刻 本プログラム
09:30~10:50 (A)全体セッション
-開会、進行説明
-開催挨拶
-国際協力の全体像
-新PARTNERサイトの紹介

講演者:
JICA国際協力人材部

- 休憩10分 -
11:00~11:50 (B)JICAセッション
・JICA人材の紹介
・JICA公募案件についての説明
・体験談 公募型専門家(企画調査員)

講演者:
JICA国際協力人材部
中西 泉氏 (JICA専門家経験者)

(C)JICAセッション(2)
・『JICA』の取り組みを始めとする『JICA』自体の説明

講演者:
JICA人事部
- お昼休み -
13:00~13:55 (D)開発コンサルタントセッション
・開発コンサルタント業界の概要について
・開発コンサルティング企業が求める人材像

講演者:
河野 敬子氏 (一般社団法人 海外コンサルティング企業協会
秋吉 一磨氏 (株式会社 三祐コンサルタンツ

- 休憩5分 -
14:00~14:55 (E)NGOセッション
・NGOで働くということ

講演者:
田口 裕晃氏 (特定非営利活動法人 名古屋NGOセンター
浅野 陽子氏 (日本国際飢餓対策機構
兼松 真梨子氏 (チェルノブイリ救援・中部)

- 休憩5分 -
15:00~15:50 (F)国際機関セッション(1)
・国際公務員になるために

講演者:
綾部 悟始氏 (外務省国際機関人事センター

15:50~16:40 (G)国際機関セッション(2)
・国際機関の仕事について

講演者:
村上 秀樹氏 (国連工業開発機関(UNIDO)

特別企画

12:00 ~ 12:50 ネットワーキングランチ
13:00 ~ 14:00、15:00 ~ 16:00 座談会

その他

10:00 ~ 16:30 個別キャリア相談
11:50 ~ 12:45 登録団体出展コーナー
12:15 ~ 12:45 ワンポイント相談コーナー

全体セッション(メイン会場)

全体セッションの様子 全体セッションの様子 午前の全体セッションは、JICA国際協力人材部部長、JICA中部国際センター所長の挨拶から始まりました。


続いて国際協力人材部より、「国際協力の全体像」について解説しました。

以前は先進国から途上国への資金の流れの多くがODA(政府開発援助)でしたが、90年代後半以降は民間資金が急増しており、国際協力業界でもNGOやJICAだけでなく企業をはじめとする民間セクターの存在が急速に増していること、国際協力の仕事の内容は多岐にわたっており、多様な職種、人材が存在していること、また業界の特徴として実務経験が重視されますが、決して途上国における実務経験に限定するものではなく、一般的なビジネススキルやマネジメント力等、日本国内での実務経験も重要であることを説明しました。

全体セッションの様子 また、国際協力の仕事はPARTNERの求人情報に掲載されているので、どんな仕事があるのかを情報収集し、自分はどこを目指すのかといった分析をすることが必要であり、特に自身の特性や志向を踏まえて、マネジメント系(計画・立案・調整タイプ)とスペシャリスト系(実践・現場タイプ)の職種、どちらの道に進むべきか考えることが大切、と説明しました。

なお、「掲載終了した求人を検索」にチェックを入れて求人情報を検索すると、過去の求人情報の傾向を分析することができるため、活用頂きたいことと、キャリア相談FAQには国際協力の仕事に関する情報がたくさん掲載されているため、ぜひ一度ご確認頂きたいことを伝えました。

休憩時間をはさみ、メイン会場ではJICAセッション(JICA人材の紹介、専門家体験談)、セッション会場ではJICA説明会を行いました。


JICAセッション(メイン会場)

JICAセッションの様子 「JICAの仕事及び応募方法の紹介」と題して、国際協力人材部より、様々なJICA人材について契約形態(契約/職員)、職種(マネジメント系/スペシャリスト系)、募集方法(公示/公募)を説明。また、過去1年間にPARTNERに掲載された中部圏のJICA関連の求人を紹介し、日本国内での仕事もたくさん掲載されているため、PARTNERで検索して欲しいと伝えました。

続いて、JICA専門家経験者の中西 泉(なかにし いずみ)氏に、JICA専門家としての体験談をお話し頂きました。


JICAセッションの様子 中西氏は、高校在学中からNGO主催スタディツアー等に参加され、高校卒業後はインド、マレーシア、ネパールを旅行し、インドではボランティア活動をされたそうです。日本帰国後もインドの風景が忘れられず、ヒンディー語専門学校、インドへの語学留学、大学進学(南アジア専攻)、ヒンディー語翻訳、在インド日系企業勤務と、一貫してインドに関わり続けてこられました。

その後、2011年3月から2年間、JICA技術協力プロジェクトの業務調整員として、インドのマディヤ・プラデシュ州に派遣されて仕事をしていました。業務調整員の仕事は、短期専門家への同行やプロジェクト事務所の引っ越しに伴う業務、重要な会議(合同調整委員会)の事前打ち合わせや当日の会議出席、JICA事務所との年間活動報告及び次年度計画に関する協議、経費執行に関するカウンターパート機関との打ち合わせ・説明会開催、カウンターパート機関からの経費請求処理等の多岐に渡るものだったそうです。

業務調整員として求められる人材像は、明るさ、現地適応力、語学力(赴任国公用語+現地語)、決断力、フットワークの軽さ、情報収集力、分析力など多岐にわたり、また必要な能力としては、やはり業務調整員は予算関連の仕事が多いため、会計・経理、調達・購買に関する知識が必要とのことでした。特に、経理処理や調達方法について「日本ではどのように行っているのか」という質問が多かったため、日本の類似事例や解決策を提示してあげられることが重要だったそうです。また、目の前の仕事に追われていても、何のためにこの仕事をしているのか、”Development”の意味(the process of gradually becoming bigger, better, stronger, or more advanced(Longman English Dictionary Onlineより))を常に忘れないよう心掛けていらっしゃったそうです。

社会人経験は、固定概念や前例への依存というデメリットもありますが、専門知識や年齢、経験値、説得力につながるもので、特にインドでは年齢や専門分野での経験が重視されるため、現地での活動では重要だったとお話しされました。

現在は社団法人全国愛農会に所属されており、「人づくりによる愛と共同の村づくり」「人づくりによる仲間づくりによる村づくり(国づくり・世界づくり)」を目指して、引き続きインドのプロジェクトなどを担当されているそうです。


JICAセッション(2)(イベント会場)

JICAセッションの様子 JICAセッション(2)では、JICA人事部人事企画課より「JICAの役割と仕事」について、JICAのミッションと職員の働き方を中心に説明致しました。

JICAセッションの様子 JICAのミッションであるODAについて、日本と途上国の相互依存関係が強まっていることを説明し、JICA職員の働き方について、講演者自身が経験したプロジェクトの事例紹介を交えながら、JICAの仕事は「人づくり」「国づくり」「心のふれあい」であるということを説明致しました。JICA職員として国際協力に携わることの醍醐味を参加者の方々に感じて頂けたようでした。


JICAセッションの様子

お昼休みをはさみ、メイン会場では開発コンサルタントセッション、NGOセッション、国際機関セッションを行いました。


開発コンサルタントセッション(メイン会場)

開発コンサルタントセッションでは、ODAには欠かせない開発コンサルタントという職業について、2部構成で解説頂きました。

前半は開発コンサルティング業界の振興活動を行っている社団法人海外コンサルティング企業協会(ECFA)より、研修・広報業務主任の河野 敬子(こうの けいこ)氏に、後半は開発コンサルティング業界大手の株式会社三祐コンサルタンツより、海外事業本部技術第4部技術課課長の秋吉 一磨(あきよし かずま)氏にお越し頂き、「開発コンサルティング業界の概要」「開発コンサルティング企業が求める人材像」をテーマにお話し頂きました。

前半のパートでは河野氏より、開発コンサルタントの概要として、国際協力の世界における開発コンサルタントの位置づけやJICA等の国際機関との関係、またどの様に関わりながら仕事を進めているのかなどについて説明頂きました。

開発コンサルタントセッションの様子 開発コンサルタントとは、現地政府の要請を受けてJICAや国際機関等の援助実施機関が実施する開発援助プロジェクトを、業務委託により実際に開発途上国で計画立案・設計、技術移転等の仕事をする人であり、活躍する領域も、農業開発・教育・保健衛生・人材育成・経済・エネルギー・・・など、多岐にわたるとのこと。また、開発途上国等の現場の最前線で仕事をすることになるため、当たり前ですが専門性や様々な経験が必要不可欠であり、そのためコンサルタントの年齢層は40代~50代が最も多い構成となっており、20代、30代では国内業務や現場の作業等を通じて修行を積むようなイメージだそうです。さらに最近はシニア層が活躍する場面が増えており、これまでの経験を活かして国際協力の業界へ転職したいとお考えのシニアの方も増えているとのことです。

開発コンサルティング業界は即戦力を求めているため、中途採用のみというイメージがありますが、2012年度の採用実績によると半数以上が新卒採用だったそうで、これから就職活動をする学生さんなども、新卒で入社できるかなど関心のある企業へは是非直接コンタクトしてみて欲しいとのことでした。

その他、開発コンサルティング企業内の様々な職種や、非エンジニアリング系のコンサルタント・キャリアパスも幾つかご紹介頂きました。タイミングは人それぞれですが、必ずどこかのタイミングで修士をとっており、開発コンサルタントへの就職や転職を考える上では修士以上の学歴は必要であり、どのタイミングで修士を取るか、考えてほしいと仰っていました。

後半のパートでは秋吉氏より、開発コンサルタントが求める人材像ということで、実際に開発現場で働いているご経験談を踏まえながら開発コンサルタントに必要とされる能力等について解説頂きました。

開発コンサルタントセッションの様子 まず、三祐コンサルタンツ社についてご説明頂きました。同社は、世界銀行の融資で完成した愛知用水に起源を持つコンサルタント会社で、アメリカの技術者がコンサルタントとして参画した同事業に現地で参加した日本の技術者が創設した企業とのこと。日本が途上国だった時代に受けた技術移転がベースとなり設立された同社が、現在多くの途上国でコンサルティング業務を展開されているという感慨深いお話でした。

次に、秋吉氏が実際に開発コンサルタントとして携わった、エジプトの無償資金協力事業をご紹介頂きました。限られた灌漑用水を有効利用するため、老朽化した堰を改修するという事業で、コンサルタントの役割は①事業計画の提案と妥当性評価(概略設計)、②相手国政府の代わりに入札実施(詳細設計・入札)、③相手国政府の代わりにマネジメント・施工管理実施(工事期間)、と、事業実施前から完了まで長期に渡ったそうです。概略設計時にはいろいろな専門分野の人がプロジェクトに参加してそれぞれの役割を果たしており、秋吉氏の担当は、堰をどこにどうやって作るか検討すること。現地企業への測量・地質調査委託、相手国の資料や近隣の設計事例の収集、現地でのインタビューなどにより情報収集を行いますが、途上国で設計に十分なデータが得られることは稀であるため、不足する情報を補うためには経験が重要ということでした。詳細設計・入札時には、概略設計の詳細化や入札図書の作成や入札のマネジメントを行い、工事期間には施工監理のほか、事業進捗に応じた業者への支払いや現場訪問者への対応もコンサルタントの仕事だったそうです。

専門性をどこで磨くかという点について、秋吉氏の場合は、新卒で三祐コンサルタンツに入社後、10年間在籍した国内部がご自身のバックボーンと考えていらっしゃるそうです。日本には細部にわたる設計基準が定められており、厳しい遵守義務があり、クライアントの要求も厳しいため、国内業務の経験が現在とても役に立っているとのこと。海外での経験も重要ですが、国内業務の経験も大切だとお話しされました。

海外業務の魅力は、相手国の切望感を間近で感じ、それに対する事業の計画から実施まで担当できてやりがいとともに大きな達成感を得ることができること、事業規模が大きいこと、国内に比べて事業計画から実施までが早いこと、自分で設計したものを計画から工事まで携わることができること、改めて日本の良さを感じること、業務を通じて相手国の風土・文化を経験できること、チームで1つの仕事をやり遂げることで、秋吉氏が思う開発コンサルタントとは、コンサルタントとして提案できて、結論を出せる(自分の考えを持つ)ということだそうです。

秋吉氏の講演後、短い時間ですが質疑応答が行われ、三祐コンサルタンツにおけるソフト系コンサルティング業務の割合などについて質問がありました。


NGOセッション(メイン会場)

本セッションでは、東海3県のNGO50団体が加盟するネットワーク型NGOである(特活)名古屋NGOセンターの田口 裕晃(たぐち ひろあき)氏にNGO業界の概要をご説明頂いた上で、日本国際飢餓対策機構の浅野 陽子(あさの ようこ)氏、(特活)チェルノブイリ救援・中部の兼松 真梨子(かねまつ まりこ)氏にもご参加頂き、「NGOで働くこと」をテーマにトークセッションを開催しました。

NGOセッションの様子 まず田口氏より、各種データをもとに、NGO業界の概要を説明頂きました。事務所所在地は関東が多く、NGOの大半がスタッフ数9名以下の規模であること、スタッフの過半が女性で、給与は200万円以上300万円未満が最も多いこと、スタッフの前職は企業が多く、残念ながら勤続年数は短いことなどを説明頂きました。NGOスタッフに求められるものは、コミュニケーションスキル、活動への賛同・興味、実務経験だそうです。最後に、NGOスタッフに向いている人を以下のように紹介して下さいました。

「好奇心が旺盛で地味な作業にも夜遅くまでつきあってくれて、ちょっとささくれだった仲間たちの気持ちをなごませながらも目標を見失わず、状況が難しくても、笑いながら『まあなんとかなるんじゃない』と言い、飲み会が大好きで、頭の回転はいいのだが、そんなに損得勘定ができずどこかロマンチスト(というか楽天的)で『世界は必ず変わる』と信じている人」(下澤嶽氏ブログより)。

続いて、浅野氏、兼松氏、田口氏の3名によるトークセッションが開催されました。


NGOセッションの様子 浅野氏が勤務される日本国際飢餓対策機構は、国際飢餓対策機構連合の加盟団体であり、心と体の飢餓をなくすために自立開発教育、教育支援、緊急援助・復興支援、人財育成・飢餓啓発等に取り組んでいらっしゃるそうです。浅野氏は愛知事務所スタッフとして講演・セミナーへの参加やイベント・ワークショップの企画実施、支援者・ボランティアさんとの関係構築などを担当されているとともに、海外プロジェクト担当スタッフとして海外パートナーとの連絡・調整、プロジェクトの視察・評価、緊急支援物資の発送手配、事務局補佐・国際会議への出席を担当されているとのこと。

兼松氏が勤務されるチェルノブイリ救援・中部は、チェルノブイリ原発事故の被災者救援活動を行うために発足した団体で、2011年からは南相馬市で福島原発事故の被災者支援活動も行っているそうです。ウクライナでの保健・医療支援、菜の花栽培による放射能除去活動の他、クリスマスカードキャンペーンや南相馬市での放射能測定サービスなどに取り組んでおり、小規模の団体のため、兼松氏は会計、会員管理、HPやブログの管理更新、研修生やボランティアの受け入れなど幅広い業務を担当されているそうです。

田口氏が勤務される名古屋NGOセンターは、次世代のNGOを育てるコミュニティ・カレッジ「Nたま」を開催しており、今回ご参加頂いた3名とも「Nたま」ご出身。田口氏はスタディツアーの実施支援事業、開発教育・国際理解教育・ESD、国際協力・NGOに関する相談受付、会員管理・解放発送作業、SNS更新・メルマガ発行等を担当されているそうです。

次に、3名の経歴についてご紹介頂きました。浅野氏は公益財団法人勤務後にNたま研修に参加し、日本国際飢餓対策機構のインターンを経て職員になられました。兼松氏は専門学校で自然環境保全を学ばれ、太陽光パネルなどの販売会社で経理・労務を担当。その後「Nたま」を受講され、チェルノブイリ救援・中部の会計スタッフ募集に応募したそうです。販売会社では、営業担当として採用されたはずが経理担当となってしまいましたが、その時の経験を生かしてNGOに就職することができたそうです。田口氏は大学在学中に「Nたま」を受講し、NGOでインターンシップを経験されましたが、大学卒業後は求人広告代理店に就職。企画営業として2年間勤務された後、名古屋NGOセンターや他のNPOでアルバイトとして勤務され、その後正職員となったそうです。浅野氏、田口氏はインターン、アルバイトを経ての正職員採用、兼松氏は経理という業務経験を生かしてスタッフ採用されており、NGOへの就職を考える方々にとって参考となるキャリアではないでしょうか。

最後に、仕事の中でへこんだこと、やりがいを紹介頂きました。浅野氏は、至らないことは多いが凹んでいる暇はないとのこと。NGOは人との関わりが非常に多く、人間関係がとても大切な仕事であるため、仕事に忙殺されて人への対応が粗くならないように気を付けているとのことでした。また日々新たな気づき、学びがあり、一番得をしているのは自分かもしれないと思っていらっしゃるそうです。兼松氏は、事業への理解が不足したまま現地に派遣された際、現地で何もできなかったことがへこんだこと、やりがいは指示ではなく意思で動けること、利益のためではなく誰かのためになることに一生懸命になれること。。田口氏のへこんだことは、人間関係が複雑になってしまったとき、やりがいは自由な服装、仕事の目的(社会への貢献)、人の変化の瞬間に立ち会えることだそうです。仕事の大切な要素を考えると、やりがいの他、みんなが同じ方向を向いて仕事をしているため人間関係も◎、労働時間は○、給料は△、、、とのことでした。みなさん、NGOでの仕事は、仕事というよりも生き方そのものであるとおっしゃっていたのが印象的でした。

時間の都合上、残念ながら質疑応答の時間を設けることができませんでしたが、田口氏、浅野氏、兼松氏とも、セミナー終了まで登録団体出展コーナーに残って下さり参加者の質問に対応してくださいました。(対応の模様


国際機関セッション(メイン会場)

国際機関セッションの様子 外務省国際機関人事センターより、課長補佐の綾部 悟始(あやべ さとし)氏に「国際公務員になるために」をテーマにお話し頂きました。

国際機関における日本人職員数は、2001年の485人から2011年には765人へと、10年間で約1.5倍に増加しているそうです。しかし、国際機関の専門職職員が約3万人であることを考慮すると、日本人の比率は2.5%であり、経済規模や拠出金を考慮すると未だに非常に低い比率です。専門職には経済・社会開発、政務、人権等の国際機関のイメージに近い分野の他、人事、財務、調達といった管理部門分野もあり、こういった分野に関連する職歴は民間企業でも積める上、日本人に向いている専門分野であるとお話しされました。

また、国際機関の採用制度はポストベースであり、異動・昇進も空席ポストに応募しなければならないこと、応募時は内部候補者の方が有利であることなどをご説明頂き、国際機関で働く方法として、外務省が行っているJPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)派遣制度、国連事務局のYPP(ヤング・プロフェッショナル・プログラム)、そして各国際機関が出す空席公告への応募などの方法があることを紹介頂きました。なお、各機関の募集分野・応募条件を知ることができるため、是非空席広告を研究して欲しいとのこと。空席公告に応募する場合には、特に”Description of Duties”、”Summarize Any of Your Achievements”が重要で、自分がいかにこのポストに適しているかについて、空席広告にある職務内容に合わせて記述することが必要だそうです。

なお、JPO派遣制度は、派遣期間終了後、空席公募に応募して正規に採用される必要があるが、日本政府代表部・大使館からのフォローがあるほか、派遣期間中の実績に対する評価や人脈を使って派遣終了後の正規採用に結び付けることが可能となりメリットは大きいく、主要国際機関の日本人職員に占めるJPO経験者は多いので是非利用して欲しいとのことでした。

国際機関セッションの様子 続いて、国連工業開発機構(UNIDO)より、東京投資・技術移転促進事務所次長の村上 秀樹(むらかみ ひでき)氏に、「国際機関の仕事について」をテーマにお話し頂きました。

日本人にはあまりなじみのないUNIDOですが、途上国や中心国の持続的な産業発展に向けて活動している国連専門機関で、職員数は約700人、うち約20人が日本人だそうです。本部はウィーンで、途上国の地域事務所の他、先進国に投資・技術移転促進事務所があります。地域事務所では技術協力プロジェクトや各種調査を実施しているそうで、村上氏が実際に担当していたプロジェクトとして、ナイジェリアのマンゴーのバリューチェーン調査、中古車リサイクルの技術移転が紹介されました。また先進国に事務所があるのもUNIDOの特徴で、日本事務所は経済産業省との合意により設立されており、日本の先進技術を世界に伝えるというミッションもあるそうです。

村上氏は大学卒業後、電機メーカーに就職され、海外マーケティングなどを担当されていらっしゃいましたが、もっと途上国に近い仕事がしたいと退職し、アメリカの大学院で修士号を取得されたそうです。大学院のプログラムでインターン活動が必須だったため、複数の国際機関に応募され、UNIDO本部のインターンとして採用されたのがUNIDOとの出会いだったそうです。大学院卒業後は開発コンサルティング会社に就職し、うち1年間はインドネシアでJICA企画調査員として仕事をされたとのこと。これが初めての途上国での勤務で、学ぶことは多かったそうです。その後JPO試験に合格し、UNIDOに派遣されました。通常JPOでは、途上国経験を積むために途上国の事務所に派遣されることが多いですが、村上氏がインドネシアから帰国したばかりだったこと、またJPO派遣後の就職のためには人脈構築が必要とのアドバイスがあり、JPOとしてはめずらしく、ウィーン本部に勤務されたそうです。また、通常2年間の派遣期間を、例外的に1年延長してもらい、3年目はナイジェリア地域事務所に勤務されました。派遣期間終了時にはいろいろな人に協力してもらい、なんとか正規採用されるよう努力されましたが、残念ながら採用には至らなかったそうです。ここまで努力して駄目だったのなら縁がなかったに違いないと割り切り、開発コンサルティング会社に再度就職したとのこと。しかし、その後、UNIDOから連絡があり、見事UNIDOの正規職員となられました。

UNIDOの日本人職員はほとんどがJPO経験者であり、JPO派遣制度はUNIDOで仕事をする上で大きな選択肢の一つであること、UNIDOには民間企業経験者が多く、日本企業でのビジネス経験を強みとして生かすことができるというアドバイスを頂きました。参考として、最近のUNIDOのJPO合格者の経歴をご紹介頂きましたが、PhD後すぐに合格された方や、企業からJPO、JICA企画調査員からJPOとキャリアパスは様々だそうです。また求められる資質として語学力をあげられ、UNIDOは英語のみで良いが、英語はネイティブ並みを求められるため、海外の大学院に進学するなど語学力の研鑽が必要とのこと。また他の国際機関(特にジュネーブに本部がある機関)では、フランス語力も必要で、英語だけでは仕事ができないという部署もあるそうです。

また、JICAや開発コンサルタントと国連の違いとして、JICAは開発コンサルタントの仕事は成果そのものの良しあしが問われるが、国連では成果を上手に見せる「プレゼンテーション力」や「報告書作成能力」が求められ、ここでも語学力が非常に重要となるそうです。また非常に国際色豊かな職場であるため、高い適応力や異文化コミュニケーション力が必要。なお、給与面の違いはあまりないですが、子女教育制度等については国連の方が待遇は良いそうです。

最後に、国連を目指す方へのメッセージとして、国連の仕事は他の職業・組織では体験できないやりがいがあること、若手の方が応募するエントリーレベルは最も競争の激しい狭き門だが、いったん入り込めば雇用は割と安定すること、国連への就職には「運」と「縁」も必要で、人的ネットワークの構築に向けた努力が必要なこと、若手から経験豊富なシニアの方まであらゆるレベルで国連は専門性を発揮することが可能であり、年齢制限もないので、いつでも目指してほしいことなどをお話し頂きました。また、村上氏自身、大学院時代JPOに落ちたことがあり、JPOに合格しても派遣終了後すぐにUNIDO正規ポジションを得ることができなかったものの、結局現在はUNIDOの正職員となっており、紆余曲折を経て希望が叶うこともあるので、みなさん諦めずに頑張ってほしいとメッセージを頂きました。

なお、国際機関セッションについても、時間の都合上、残念ながら質疑応答の時間を設けることができませんでしたが、セッション終了後も綾部氏、村上氏とも引き続き会場に残ってくださり、多くの参加者がお二人を取り囲み、熱心に質問をされていました。


国際機関セッションの様子
海外から来ている研修員がBeautiful!と感動されていた端午の節句の鎧と共に


■特別企画■

ネットワーキングランチ

ネットワーキングランチの様子 お昼休みの時間には、JICAセッション、開発コンサルタントセッションの講演者及びJICA職員を囲んでのネットワーキングランチ(昼食会)を開催しました。
毎回キャンセルを見込んで募集をかけさせて頂いておりますが(今回は32名)、お土地柄でしょうか、事前に参加申し込みをして頂いた国際協力人材登録者の方37名(!)にご参加頂き、なごや地球ひろばカフェクロスロードにて、国際協力談話に花を咲かせました。なお今回も、国際協力人材セミナーin九州に引き続き 立食で実施致しました。

4回目となる今回も、できる限り講演者、JICA職員とだけではなく、国際協力への参加を志す参加者同士で思いを共有して頂きたいと思い、関係者にはできる限り共通話題を引き出して頂くように工夫して頂きました。


ネットワーキングランチの様子 「時間が足りない!」、「話し足りない!」という中でも、最後に協力してくださったアンケートには、全員が「参加してよかった。」と回答してくださいました。ありがとうございました。
「大変有意義でした。」「(時間が短い気がしましたが、)逆にいえば時間がいくらあっても足りないので、程々でよかったと思います。貴重な機会をありがとうございました。」と参加者。
会場が少し手狭となってしまい、移動しにくかったこと、申し訳ありませんでした。次のセミナーでは改善していくように致します!


座談会

午後のセッションと並行して、JICAセッション・開発コンサルタントセッションの講演者、JICA職員及びセミナー参加者による、少人数(各回8名程度)の座談会を開催し、「国際協力の世界に踏み出そう」というテーマでディスカッションを実施しました。(計2回・各60分)

座談会の様子 1回目は、大学生・大学院生の方を対象とした座談会を実施しました。
実施する前は、まだ国際協力に対する具体的なイメージをお持ちでない方が多いのかなと思っていましたが、自己紹介と併せてご自身の思いをお話しして頂いたところ、国際協力に携わる具体的なイメージをお持ちの方、明確な原体験をお持ちの方、あるいは明確な方向性はまだ定まっていないものの、留学やボランティアといった形ですでに関わり始めている方と、皆様想像以上にすでに動き出している方が多くてとても驚きました。

JICA職員に加えて、国際協力の世界でご活躍の先輩として午前中のセッションでもご講演頂いた中西氏に参加頂き、意見交換を開始しました。
みんなが気になる言語習得の話から、思い入れのある地域の話、キャリア形成に係る地域と専門性の関連の話、女性・母親の海外赴任など、様々な疑問についてお話しすることができました。座談会という形で相互に意見交換できたことから、具体的なイメージを描くことができたのではないでしょうか。


座談会の様子 国際協力の世界で活躍を続けるためには、人と人とのつながりがとても重要です。本日参加頂いた皆様もも年代が近いということもあり、座談会後もお互いに意見交換をしている姿が見受けられました。これからのお互いの道を支えあっていけるようないい仲間になって頂けるととても嬉しく思います。

2回目は、社会人の方を対象にした座談会を実施し、中西氏、大塚氏に加え、開発コンサルタントセッションで講演頂いた秋吉氏、そして飛び入りスペシャルゲスト、三祐コンサルタンツ 久野社長、高橋氏を囲んで意見交換、質疑応答を行いました。
急遽、参加者のキャンセルが発生したため参加者を募ったところ、抽選が必要なほど多くの方の希望を頂いたため、一部の方にはオブザーバーとして参加頂きました。


座談会の様子 参加者の方は年齢もキャリアも様々であり、国際協力に今後どのように関わるかについて、若手社会人、専門性をお持ちのシニアの方、JICA職員、開発コンサルタント、JICA専門家と、様々な視点での意見交換を実施することができ、大変盛り上がる会となりました。
参加者の幅が広いため、ご自身の関心とは異なる話題が少し多くなってしまった方もいらっしゃるかと思いますが、それもある意味では座談会の魅力ともいえるのではないかと思います。少しでも皆さんのヒントになれば幸いです。
こちらの回でも、座談会終了後にも積極的に質問されている方や参加者同士で連絡先を交換されている方が多数おられました。

アンケートではありがたいことに「すごくためになりました。時間が過ぎるのがあっというまでした。」、「大変勉強になったので今後もまたやってほしい。」、「様々な立場の参加者と意見交換ができてよかった。」などのお声を頂きました。次回のセミナーでも継続して実施する予定です。参加者の方が国際協力の世界に踏み出すための一助になったのであれば何よりと思っています。


個別キャリア相談

今回も個別キャリア相談(一人30分予約制)を実施致しました。お申し込みを多数頂きましてありがとうございました。定員数の都合上、当日は37名の方のみの実施となりました。
参加された方からは、「思った以上に真剣にアドバイス頂いた。 自分のために(相談員の方が)ちゃんと準備してくれていて感動した。いつか活躍することで応えたい」とのお声を頂きました。

個別キャリア相談は、毎週木曜日にJICA本部でも「相談員が個人個人のためにちゃんと準備したうえで」実施しておりますので、こちらも是非ご利用ください。 なお、今年度はいよいよSkype等を利用したリモート対面個別キャリア相談を開始する予定です。開始された暁には是非ご利用ください!


登録団体出展コーナー

昼休みよりメイン会場出入り口のロビーエリアに、登録団体出展コーナーを開設し、各団体のパンフレット等の配布を行いました。
今回は過去最高の20を超える団体にご協力を頂きました。なお、講師団体以外にも、イカオ・アコ、グローバルプロジェクト推進機構、ヒマラヤン・グリーン・クラブから担当者が立ち会い、来場者へ直接ご説明して頂きました。

当日出展されたのは、以下の団体です。(順不同)

登録団体出展コーナーの様子
登録団体出展コーナーの様子
・イカオ・アコ
・特定非営利活動法人 ヒマラヤン・グリーン・クラブ
・特定非営利活動法人グローバルプロジェクト推進機構
・特定非営利活動法人ソムニード
・特定非営利活動法人ジャパンアフリカトラスト
・特定非営利活動法人APEX
・特定非営利活動法人ケアリング・フォー・ザ・フューチャー・ファンデーション・ジャパン(CFF)
・特定非営利活動法人 アジア日本相互交流センター ICAN
・早稲田大学大学院アジア太平洋研究科
・COSPA(パナマ野生蘭保護活動)
・LOOB JAPAN
・公益法人 アジア保健研修所
・公益財団法人愛知県国際交流協会
・公益財団法人名古屋国際センター
・社団法人 全国愛農会
・名南税理士法人事業開発部
・一般社団法人 海外コンサルティング企業協会
・株式会社 三祐コンサルタンツ
・特定非営利活動法人 名古屋NGOセンター
・一般財団法人日本国際飢餓対策機構
・特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部
・国際連合工業開発機関(UNIDO) 東京投資・技術移転促進事務所

講演終了後、登録団体出展コーナーにて参加者の質問に対応する講師の方々

登録団体出展コーナーの様子 登録団体出展コーナーの様子


ワンポイント相談コーナー

メイン会場の後ろでは、昼休みを利用してワンポイント相談コーナー(1人5分)を実施しました。ワンポイント相談コーナーでは、JICA相談員が1対1でキャリアプランや具体的な事例に関する質問に応じました。お昼休みにも関わらず相談待ちの行列ができる状況となり、コーナー開催時間を午後のプログラム開始直前まで延長し、16名の方にご利用頂きました。

次は、2013年7月20日(土) 国際協力人材セミナー in 東京 を予定しております。
皆様に有益な情報を提供できるように、企画してまいりますので、是非ご参加ください!


PARTNER