2014年9月27日(土)、JICA市ヶ谷ビルにおいて「国際協力人材セミナー in 東京」を開催しました。台風が心配されましたが当日は爽やかな秋晴れ(日中は暑いぐらい!!)で、200名を超える方々が参加くださいました。
 座談会や意見交換会等の特別企画を始めとするセミナーの各セッション・プログラム企画について、以下にレポートします。


(当日のセミナープログラムの各セッション・企画のタイトルから各レポートを参照いただけます)

当日のセミナープログラム

時刻 本プログラム
メイン会場(国際会議場) イベント会場(セミナールーム2F/6F)
09:20~10:50 (A)全体セッション
・開会、進行説明
・開催挨拶
・国際協力の全体像
・JICA人材の紹介
・PARTNERサイトの紹介
- 休憩10分 -
11:00~12:00 (B)JICAセッション(1)
・JICA公募案件についての説明
・体験談 公募型業務調整員
(C)開発コンサルタントセッション(1)ソフト系
・開発コンサルタント業界の概要について
・開発コンサルティング企業が求める人材像
- お昼休み 60分-
13:00~13:50 (D)国際機関セッション(1)
・国際公務員になるために
(E)JICAセッション(2)JICAボランティア~シニアボランティアを中心に~
・JICAボランティア説明
・体験談 長年の経験、知識、技術を活かした国際協力・国際貢献
JICAセッション(4)
・『JICA』事業の紹介
・『JICA』採用についての説明
- 休憩10分 -
14:00~15:00 (F)国際機関セッション(2)
・国際機関の仕事について
(G)開発コンサルタントセッション(2)ハード系
・開発コンサルタント業界の概要について
・開発コンサルティング企業が求める人材像
15:10~16:10 (H)JICAセッション(3)民間セクター
・『JICA』の取り組み、民間セクターによる国際協力について説明
(I)NGOセッション
・NGOで働くということ
16:10~16:20 閉会

その他

09:00 ~ 16:30
登録団体出展コーナー
10:00 ~ 16:30
個別キャリア相談
12:20 ~ 12:50
ワンポイント相談コーナー
13:00 ~ 16:10
座談会
16:30 ~ 17:30
意見交換会

全体セッション

 「全体セッション」は、JICA国際協力人材部部長より挨拶と、「国際協力のキャリアを目指す方へ」と題した国際協力業界の動向についての説明から始まりました。 repo01

 国際協力60周年を迎える今、日本と途上国の相互依存関係が強まっていること、JICAのミッションである政府開発援助(ODA)の意義や、国際協力を取り巻く環境の変化、日本の政策におけるJICA事業の位置づけについて説明し、最後に国際協力のキャリアを目指す方の志として、構想力(夢を描く力)と実行力、粘り強さ/忍耐力、顧客志向(相手の立場に立って考える姿勢)持ち、「技(専門性)」を磨くとともに、「人間性」を磨くことが大切だとメッセージを贈りました。

 続いて、JICA国際協力人材部より、「国際協力の仕事の全体像」について解説しました。

 国際協力の労働市場は多岐にわたっており、多様な職種、人材が存在していること、また援助業界(開発コンサルティング企業、国際協力NGO、国際機関、民間企業、JICA職員)とよばれる業界では、途上国との様々な関わり方があり、実務経験だけではなく、一般的なビジネススキルやマネジメント力、コミュニケーション能力等、日本国内での実務経験も求められるので、これからますます援助業界の職種や人材が多種多様になってくると解説しました。
 さらに、国際協力の仕事を契約形態と業務内容の特徴からそれぞれの職種を分類したマトリックスを基に、マネジメント系(計画・立案・調整タイプ)とスペシャリスト系(実践・現場タイプ)の業務の特徴について説明したうえで、キャリ形成のヒントとし、マネジメント系、スペシャリスト系の各カテゴリの業種・職種において求められる能力を紹介しました。

 知識や経験が求められるものはそれぞれあるものの、どのような分野の仕事につくにあたっても「なぜその仕事をやりたいのか」という動機が重要であると解説、また、国際協力人材に求められる6つの資質と能力について説明した上で、やはり職種ごとに求められる資質や能力は異なり、その職種で必要とされる能力については日々自己研鑽に励むことが重要、と解説しました。
 私たちはどうしたら国際協力の仕事につけるか、というHOWから考えがちだが、国際協力の仕事の内容は多岐にわたり、多種多様な人々が関わっていることから、自分がなぜ国際協力の分野に進みたいのか、どのような立ち位置で国際協力に関わりたいのかというWHYとWHATから考え、具体的に“動機”を明確にすること、そして自分の知識を増やし、日々の実務経験からの積み重ねを大切にすること、をメッセージとして述べ、講演を締めくくりました。

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 休憩時間を挟み、国際会議場では「JICAセッション(1)公募型業務調整員体験談」、セミナールーム600では「開発コンサルタントセッション(1)ソフト系」、を行いました。

JICAセッション(1)公募型業務調整員体験談 (国際会議場)

 まず最初に、JICA国際協力人材部より、「JICA人材の紹介:「公募案件」について」と題し、様々なJICA人材について契約形態(契約/職員)、職種(マネジメント系/スペシャリスト系)、募集方法(公示/公募)を紹介しました。また、PARTNERに掲載された公募案件の探し方、応募の方法について説明し、公募案件から選考の流れ、業務企画書作成時のポイントについて説明しました。

 続いて、JICA技術協力プロジェクト業務調整員経験者の田島 久(たじま ひさし)氏より、JICA業務調整員について講演頂きました。

 田島氏は、青年海外協力隊隊員としてベトナム・ホーチミン市文化芸術学校の美術学科デザイン課の教員として活動され、2002年、JICAベトナム国南部連絡所にてプログラムオフィサーとして、ベトナム南部のJICA事業全般、特に、青年海外協力隊の要請開拓にかかる業務を担当されました。
 その後、JICA業務調整員として、2004年から2006年はベトナム・ホアビン省の保健医療統合サービス強化プロジェクトに参画、2007年から2011年はベトナム日本人材協力センタービジネス人材育成プロジェクトに参画、2012年から2014年まではラオス母子保健統合サービス強化プロジェクトに参画されるなど、長くJICAのプロジェクト事業に携わって頂きました。
 プロジェクトの内容や、身に付けた知識、苦労された点等を写真と共にご紹介頂き、現地では、現地語を勉強し情報の取得やコミュニケーションを積極的にとるようにすること、地域の歴史や文化を理解すること、現地の人との関わりをもつことが大切とお話し頂きました。
 最後に、メッセージとして、将来専門家を目指す方への3つの心構えを挙げられました。
   (1)  周囲から指導を受けながら経験を積むため、素直な心が肝要
   (2)  中長期的に人材育成のイメージを持つことが肝要
   (3)  相手の熱い心を汲み取り、相手の主体性を引き出しながら、彼ら自身の成果をサポートする意識が肝要

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開発コンサルタントセッション(1)ソフト系 (セミナールーム600)

 「開発コンサルタントセッション(1)ソフト系」では、ODAには欠かせない開発コンサルタントという職業について、2部構成で紹介しました。
 前半は開発コンサルティング業界の振興活動を行っている一般社団法人 海外コンサルティング企業協会(ECFA)より、研修・広報業務主任の河野 敬子(こうの けいこ)氏をお招きし、開発コンサルタント業界の概要を解説頂きました。また、後半は開発コンサルティング業界大手の株式会社三祐コンサルタンツ海外事業本部 蛭田 英明(ひるた ひであき)氏より講演頂きました。

 まず河野氏より、開発コンサルタント業界の概要として、開発コンサルタントとは何か、開発コンサルティング業界の情報、開発コンサルタントのキャリアパス等について説明頂きました。

repo05  開発コンサルタントとは、援助実施機関が発注するプロジェクトを実際に開発途上国で計画立案・設計、技術移転等を行う仕事をする「人」であり、活躍する領域は農業開発、教育、保健衛生、人材育成、経済、観光、農林水産業、道路、鉄道、水資源、電力、エネルギーと多岐に渡り、ものづくりを支援する「ハード系」と、ひとづくりを行う「ソフト系」に分類できると説明頂きました。
 開発コンサルティング業界は、即戦力として活躍できる人材が求められることが多いことから、中途採用が多く新卒採用が少ないと言われているが、今年度(2014年度)は、中途採用が減り、学部卒の新卒採用が増えたという説明があり、興味のある方は、経験がないからと言って諦めずに、是非“チャレンジ”して欲しいとメッセージを頂きました。
 また、開発コンサルティング企業が求める人材、キャリアパスの例、開発コンサルティング業界の情報を収集する方法についても紹介頂きました。

repo06  続いて蛭田氏より実際に開発現場で働いている経験談を踏まえながら、現地の雰囲気や1日のスケジュール、開発コンサルタントの業務内容、キャリアパスについてお話し頂きました。

 ザンビア共和国の小規模灌漑開発技術協力プロジェクトにおける、職場や現場での活動状況、さらには、生活環境等について写真・動画を交えて紹介頂きました。「灌漑開発・灌漑農業を推進するために最新の設備・技術を導入するとコストが掛かり、また現地の方が維持管理できないという問題が発生してしまうが、現地にある草木等を活用する簡単な技術であればコストも低く、現地の方たちでも維持管理が可能」など、途上国の課題解決に際して考慮していることを、具体的に例を挙げて紹介頂きました。併せて、実際に習得した技術を活かして、現地の方たちが独力で水路を新たに整備した姿を再訪の際に見られたことを紹介頂き、「ひとづくり」の成果を実感できることが開発コンサルタントという仕事の醍醐味であるとお話し頂きました。また、プロジェクトの取り組みを国内で展開し、そして維持管理できる人・体制をどのように整備していったかなどを紹介頂きました。
 実際に海外で開発コンサルタントとして活躍されている蛭田氏のお話を聞くことにより、参加者は開発コンサルタントの業務内容をより具体的に理解し、イメージすることが出来たのではないかと思います。

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 お昼休みをはさみ、国際会議場では「国際機関セッション」、「JICAセッション(3)民間セクター」を、セミナールーム600では「JICAセッション(1)JICAボランティア」、「開発コンサルタントセッション(2)ハード系」、「NGOセッション」、そして大会議室では「JICAセッション(4)」、を行いました。

国際機関セッション (国際会議場)

 外務省国際機関人事センターより、課長補佐の綾部 悟始(あやべ さとし)氏をお招きし、「国際公務員になるために」をテーマに講演頂きました。 repo08
 全体像として、国際機関の採用制度はポストベースであるということ、異動・昇進も空席ポストに応募しなければならないことを説明頂き、下記の3つ募集制度について紹介頂きました。
 ・国際機関のポストに空きが生じた場合に出される「空席公告」
 ・外務省が行っている「JPO(Junior Professional Officer)派遣制度」
 ・外務省が行っている「国連事務局YPP(Young Professional Program)試験」

 「空席公告」については、各国際機関を合わせると、数百以上の空席公告が出されており、同時に複数の空席公告に応募することも可能であること、また、制度に関係なく、国際機関で働くための準備として、まず書類選考を通過するためにも自分がいかに即戦力となりえる能力を有しているかについて、書類上でアピールするテクニックが必要、とアドバイスを頂きました。
 一度や二度の応募で採用されることは難しく、非常に難関とされている国際公務員への道ですが、JPO派遣制度は主要国際機関の日本人職員のなかにも経験者は多いので是非諦めずに、何度も積極的に挑戦して欲しいとのこと。また、「空席公告」は対象としている年齢も幅広く、40代50代の方も即戦力として是非応募して欲しいとのことでした。

 続いて、国際連合児童基金(UNICEF)東京事務所代表の平林 国彦(ひらばやし くにひこ)氏より、「国際機関の仕事について」をテーマに講演頂きました。
repo09  平林氏は心臓外科医として活躍されていましたが、1994年に転機が訪れました。それは、ニューヨークタイムズに掲載された一枚の写真です。スーダンの地で小さな子供が倒れており、その子供を禿鷹が狙っているように見える写真でした。その写真を見て平林氏は、人を助けるには必ずしも心臓外科医である必要はないのではないか、と思い、国際協力の道を目指されたとのこと。
 1994年から約10年間は、国立国際医療センター国際医療協力局に勤務し、ボリビア、コロンビア、インド、インドネシア、ホンジュラス、ウズベキスタン、南アフリカ、ベトナム等、様々な病院での技術指導、保健省での政策立案支援等を担当され、JICA専門家・チーフアドバイザー、WHO短期コンサルタント等を経て、2003年からはUNICEFでご活躍されています。
 今回のセッションでは「国際機関の仕事について」ということで、UNICEFの人材募集のタイミング、採用基準についてお話頂きました。また、UNICEFで働かれている職員の方の9割が国際機関セッション(1)で説明をしたJPO派遣制度を経験された方である、と、職員の方の経歴についても紹介頂きました。

 最後に平林氏から参加者の方々へ、国際協力にかかわるうえでも重要となる、「人生・世界を変える7つの能力」についてメッセージを含めてお話頂きました。

  1.「志」 (目標を持ち続ける力)
  2.「貫」 (Noと言わない、諦めない力)
  3.「潔」 (高潔・清貧でいられる力)
  4.「寛」 (多様性を受け入れる力)
  5.「和」 (協力できる力)
  6.「仁」 (思いやられる力)
  7.「智」 (正しい決断を下せる力)

 また、「人のためになることが事業を成功させること」「私は何ができるのか」「どうやってではなくWHYを毎日考えられる人」は国際協力機関に向いている、と国際機関で働くためのヒントを共有頂きました。

JICAセッション(3)民間セクター  (国際会議場)

 民間企業がどのように国際協力の活動をしているのかについて、JICAが行っている中小企業海外展開支援について解説を行いました。
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 まず、JICA国内事業部 中小企業支援事業課より、「JICAの民間連携事業」について解説と事例を紹介しました。JICA民間連携事業の中小企業を支援するメニューの中で、最も予算規模が大きく実施案件数が多いのが、中小企業からの提案に基づき、途上国の社会経済の課題解決につながる製品・技術の普及方法を検討する「普及・実証事業」であり、予算上限1億円、採択案件数は年間で約40件にもなるとのこと。
 国際協力やJICA事業に不慣れな中小企業との業務は、他のJICA事業に比べて円滑に進まないことが多くあるが、だからこそ案件担当のやりがいと達成感は大きい、と普及・実証事業の醍醐味を伝えました。

 続いて、JICAの「中小企業等の海外展開支援事業(ODAを活用した中小企業等の海外展開支援のための委託調査業務)」を活用し事業を展開している民間企業として、株式会社西原商事 専務取締役の西原 靖博(にしはら やすひろ)氏に、ODAを活用した海外展開事業についてご紹介頂きました。
repo11
 西原商事は北九州市で廃棄物のリサイクルなどを手がけており、インドネシア共和国のスラバヤ市では低コスト運営の廃棄物処理事業をおこなっています。
 スラバヤ市では、人口増加と経済発展の相乗効果により、消費が急激に拡大しており、一般ごみの最終処分場が不足するケースが見られるようになっていました。一方、日本では人口減少に伴う廃棄物市場の縮小が見込まれることから、「東南アジアの都市が抱えるごみや廃棄物の問題に対して、ビジネス展開をすることで貢献できる」と考え、ごみの分別・リサイクル、生ごみの堆肥化後の肥料販売等の海外展開戦略を立案するに至ったと説明がありました。
 スラバヤ市では1日あたり、1,200tもの家庭ごみが最終処分場に埋め立てられていますが、生ゴミを堆肥化し、プラスチックをリサイクルすれば、埋め立てるごみの量を減らせることがわかりました。ごみの分別作業をおこなう中間処理施設を設置し、ごみの山から売れるものを回収して生計を立てていたウェイスト・ピッカー(waste picker)と呼ばれる人たちに真新しい制服を支給しごみの分別を依頼しました。
 真新しい制服を支給したのには理由があり、ごみ処分場というと汚いイメージがあるが、きれいな格好をし、きれいな場所(中間処理施設)で働くことにより、作業員が胸をはって働ける産業にしていきたい、という西原氏の思いが込められていました。

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JICAセッション(2)JICAボランティア  (セミナールーム600)

 「JICAセッション(2)JICAボランティア」は2部構成で紹介しました。
repo13  前半はJICA 青年海外協力隊事務局よりJICAボランティアについて解説があり、後半はNPO法人 シニアボランティア経験を活かす会 須山 勝彦(すやま かつひこ) 氏、桑田 和幸(くわだ かずゆき)氏より長年の経験、知識、技術を活かした国際協力について講演頂きました。

 まずJICA 青年海外協力隊事務局より、JICAボランティアの現在の活動状況(79ヶ国で2,384名、職種は多岐に渡る)に加えて、現地での活動、派遣前・派遣中の支援体制等について説明がありました。

 続いて、須山氏、桑田氏よりボランティアの現場での経験談を踏まえながら、ボランティア参加の動機、現地での活動内容、経験して学んだこと等について講演頂きました。
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 桑田氏は半導体の材料を作る企業で品質を担保する部門に所属し、海外赴任もした経験を活かしボランティア活動をしたいと考え、定年を機にJICAシニアボランティアへ応募されたとのことでした。
 シニアボランティアへ合格後、シリアへ赴任し、ご自身の経歴とは異なる業界で品質管理の指導を行った経験についてお話し頂き、「業界は異なっても、汎用性的なスキルや知識は活かすことができる」ことを参加者に伝えていました。
repo15  現地の方たちが求めることや大切にしていることを理解する為、配属先の工業会議所の担当者と毎日話をする時間を必ず設け、5分でもよいからコミュニケーションすることを心がけたこと、結果、6ヶ月かけて人間関係を構築できたとの体験談を共有いただきました。
 参加者から、桑田氏の帰国後にシリアが内戦状態となってしまったことについて質問があがりましたが、現地で関わった方々から「(桑田氏が関わった)企業や仕事、仕組みは無くなってしまったが、自国の為に、引き続き、品質管理の経験を活かして活動していきたい」という前向きな連絡を多数受け、活動の成果は確実に息づいていると実感した、と回答されている姿が大変印象的でした。
 最後にこれからJICAボランティアへチャレンジされる方に対して、まずは健康第一であること、そして、英語でのコミュニケーション力を磨くこと、自身のスキルの棚卸をすること、家族の理解が不可欠であることをアドバイス頂きました。


開発コンサルタントセッション(2)ハード系 (セミナールーム600)

 「開発コンサルタントセッション(2)ハード系」でも、開発コンサルタントという職業について、2部構成で紹介しました。
 前半は、一般社団法人 海外コンサルティング企業協会(ECFA) 研修・広報業務主任 河野 敬子(こうの けいこ)氏より、後半は、株式会社建設技研インターナショナル 水資源部 次長 中村 和弘(なかむら かずひろ)氏より講演頂きました。

 まず河野氏より、午前と同様、開発コンサルタント業界の概要として、開発コンサルタントとは何か、ハード系ソフト系とは何か、また開発コンサルティング業界の情報、開発コンサルタントのキャリアパス等について説明頂きました。

 続いて中村氏より「開発コンサルタントが求める人材像」をテーマに、実際に開発の現場で働いている経験談を踏まえながら、開発コンサルタントに必要とされる能力等について解説頂きました。
repo16  中村氏は入社後、株式会社 建設技研インターナショナルの親会社である、株式会社 建設技術研究所の河川系の部署に配属され、国内で6年間経験を積まれ、その後建設技研インターナショナルへ転籍され現在まで東南アジアを中心に経験を積まれました。特に中村氏の初の海外プロジェクトであるラオスの気象水文業務改善計画プロジェクトについて、途上国ではエンジニアがおらず資金もないという厳しい状況でプロジェクトを推進することに苦労を感じた、と当時を振り返られました。
 開発コンサルタントに求められる能力については、専門知識や分析能力など色々と言われているが、と前置きされたうえで、特に必要なものとして「好奇心」、「協調性」を挙げていました。「好奇心」は全ての行動の根拠となり、「協調性」はプロジェクトを様々な経歴・スキルの人たちと協力して進める上で必須であると解説されていました。
 最後に、「色々とやりたいと思う仕事はあるけれども、組織の中では必ずしも希望が叶うわけではない。 しかし、それで腐らずに、専門分野は得意分野として持っておきつつも、状況によっては別の新しい分野を学ぶぐらいの気持ちでいることが大事」とメッセージを送って頂きました。

NGOセッション   (セミナールーム600)

 「NGOセッション」では、特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC) 能力強化グループ マネージャ松尾 沢子(まつお さわこ)氏より「NGOで働くということ」をテーマに講演頂きました。

repo17  日本のNGOの活動の傾向について、対象地域は、アジアが中心であり近年アフリカでの活動が増えていること、活動分野の上位は教育、保健医療、農村開発であると説明頂きました。また、国際協力NGOの職場環境と求人募集の実態について、職種は総務、庶務、財務、募金・寄付・支援者拡大、スポンサー開拓・・・と多岐に渡っていること、有給スタッフは女性比率が高く、中途採用が多い、と解説頂きました。
 NGOで働くにあたっては、「自分の国際協力の原点は何か」、「働きがい(給与+役職+やりがい)は何か」を確認してみること、また、実際に働く前にボランティアやインターン等に参加し、業界やその団体との“相性”を確認してみることが大事、とアドバイスを頂きました。

 最後に「NGOで働くこと」をゴールにするのではなく、社会課題の解決のために自身がやれることを見つけたり、新しく自分の団体を創ったり、海外だけではなく今までの経験・活動を国内で活かしたり、と様々な広がり、活躍の場、活躍の仕方があることを認識してほしい、とのメッセージを頂きました。

JICAセッション(4)   (大会議室)

repo18  JICAセッション(4)では、JICA人事部より、①「JICA事業」②「JICA採用」について説明しました。
 60名ほどの会場は開始と同時に即満室となる盛況なセッションとなりました。
 セッションではJICA事業の説明に加え、JICA本部(東京)の執務室内で撮った職員に対する“リアル”な職場インタビューなどの動画や、講師の実体験を交えて紹介しました。
 社会人未経験者でも仕事現場を感じられる非常に臨場感のあるセッションとなり、多くの参加者が熱心にメモをとっていた姿が印象的でした。
 セッション後も熱い質疑応答が続き、参加者のJICAの実施している事業への関心や、参加の思いが高まったことを感じされられました。

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■特別企画■

登録団体出展コーナー

 今回も、受付開始と同時に登録団体出展コーナーをオープンし、各団体のパンフレット等を配布しました。大変多くの団体にご協力頂き、以下の団体の皆様には会場にて、参加者へ団体の活動内容など直接説明頂きました。 repo20
  特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC)
  特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
  特定非営利活動法人Teach For Japan
  公益財団法人 国際開発救援財団
  公益財団法人 オイスカ
  フロム・ジャパン合同会社
  中央開発株式会社
  国立大学法人政策研究大学院大学
(一部の)企業・団体から具体的な求人案件のご紹介もあったからでしょうか、参加者の方が担当者を囲んで熱心に質問されている姿が印象的でした。

当日出展されたのは、以下の団体です。(順不同)
ご協力ありがとうございました。


個別キャリア相談

 今回、個別キャリア相談(一人30分予約制)は、約40名にご利用頂きました。
 利用された方からは、「(一般的な分野ではない)相談でしたが、相談員の方が自分の相談内容を見て事前に資料を準備して頂いており、安心して相談ができた。また、さらには他にできる可能性があることを具体的に提案していただき、とても励まされ、トライしてみようという気になりました。」、「期待以上! キャリア相談員の実体験を元にした、深みのあるアドバイスを頂き、大変参考になりました。」、「相談内容があまり固まっていない状態で臨んでしまったが、相談員の方がうまく引き出してくれて、悩みが明確になり、有意義なセッションとなった。」など前向きになれた、とのお声を多く頂きました。

 なお個別キャリア相談は、毎週木曜日にJICA本部(東京麹町)でも実施しておりますので、こちらも是非ご利用下さい。また、Skypeを利用したリモート対面個別キャリア相談も受け付けておりますので、遠方の方もご利用頂けます。
 ★対面相談は国際協力人材登録者限定のサービスです。受けたい方は予め登録しておきましょう!

ワンポイント相談コーナー

repo21  昼休みを利用して、セミナー会場(国際会議場)の一角で、講演者、国際協力キャリア相談員に個別相談が可能な「ワンポイント相談コーナー(1人5分程度)」を実施しました。
 今回も、JICA職員に加え、開発コンサルタントセッション講師、JICAボランティアセッション講師をはじめとする国際協力業界の関係者にも相談員として参加頂きました。総勢10名以上の相談員で対応しましたが、常時3、4人ほどの待ちができる盛況ぶりでした。
 時間がなくご利用できなかった方も、(先述の通り)個別キャリア相談は、毎週木曜日にJICA本部(東京麹町)でも実施しておりますので、是非ご活用ください。

座談会

 午後のセッションと並行して、座談会を開催しました。
 業務調整員経験者、国際機関・開発コンサルタントとして活躍されている方を取り囲み、国際協力をやってみたい大学生・若手社会人から、青年海外協力隊経験者、中にはシニアボランティア経験者等、様々な思いと経験を持った方々が集まった座談会となりました。
 それぞれの立場は異なるものの、「これから(も)国際協力の世界で活躍するためには、どうすればよいだろうか」という課題について、実際に活躍していらっしゃる方から、また周りの方から何かを得ようと発言されている姿が印象的でした。
 座談会で経験者から頂いたメッセージの一部を共有いたします。

「身近に国際協力を専門にしている人が少なく、深い悩みを相談できる人がいないため、アドバイスが欲しくて参加したが、少人数なので、とても質問しやすかった。」
「聞きたいことが聞け、いろいろなバックグラウンドを持つ方と話ができてよかった。」
「思った以上に様々な意見をいただいてありがたかった。」
「他の方のモチベーションの保ち方を知ることができて、よい機会になった。」

意見交換会

 全てのセッション終了後、参加者、講演者を含む意見交換会を開催しました。
 事前に申し込みをして頂いた方に加え、講演や座談会を受けてもっと情報収集したいと当日飛び入りで参加された方が加わり、講師やJICA職員も含めて総勢50名を超える会となりました。
 参加頂いた方からは、「いろいろな方の経験や意見が伺えてよかったです。面白かっただけにもう少し長く話したかったです。」「講演では質問できなかったことが直接聞けて良かった。」とのお声を頂きました。
 この意見交換会が出会いのきっかけとして役立てば、幸いです。


 次は、2014年11月8日(土) 国際協力人材セミナー in 北海道(札幌 かでる2・7) を予定しております。
 引き続き皆様に有益な情報を提供できるように、企画してまいりますので、ご期待ください!


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