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【後編】

 日本での生活がスタート。帰国後の子供たちのサポートに注力した1年半
 3年間の任期後は、ウガンダでのプロジェクト経験の縁でお声がかかり、以前とは別の開発コンサルティング企業に就職しました。ウガンダやラオスへの短期派遣もさせてもらいましたが、生活の拠点は日本にありましたので、出張中以外は子供たちが日本での生活に慣れるためのサポートに力を尽くしました。子供は小学生になっていましたが、読み書きといった教育面だけでなく、「気を付け、をする」「列にまっすぐ並ぶ」といった日本の子供には習慣として身についていることが出来ないなど、日本での生活に馴染むことに思いがけず苦労をさせることになりました。
 ただ、一方で、ウガンダには周囲に日本人家族が複数いたことで、子供たち自身が自分を「日本人である」と強く意識することもある環境でした。ですので、帰国した際には「これが思い描いていた日本というものだな」と彼らなりに受け入れていったように見ています。幸いにも、ウガンダに戻りたいというような不満を子供から聞いたことはありません。

 長期専門家へ2度目の挑戦、家族で南アフリカへ
 そうこうしているうちに、再度、ウガンダと類似の案件で、プロジェクト管理のポジションの長期専門家の公募がありました。子供の将来を考えると、中学以降は日本で教育を受けさせるべき、中学以降をアフリカで過ごさせると、逆に日本に戻ってきて生活することが難しくなってしまうだろう、と当時は考えていました。なので、子供を連れて行けるのはその時が最後のチャンスだろうな、という思いがあり、家族帯同を前提に挑戦したいと伝えました。2度目の挑戦ということで、主人も身内も、意外にすんなりと受け入れてくれました。家族が離れて暮らすという提案は、誰からも出なかったことは幸いでした。子供からも、「また(アフリカに)行くんだ」といった程度の反応で、学校の友達と離れることへの寂しさはあったようですが抵抗はなく、拍子抜けしたほどです。

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(南アフリカにて、プロジェクトワークショップの様子)

 そして子供がそれぞれ小学校2年生と4年生の時、家族帯同で南アフリカへ赴任しました。ウガンダの頃と違ったのは、赴任先の周辺に日本人が全くいなかったことです。また、英語が不得手ということで、学校の受入先がなかなか決まらない、という経験もしました。この時はJICAの現地スタッフの方から学校に問合せをしていただいたり、お勧めや評判など、現地でしか得られない情報を提供していただいたりとサポートをいただき、大変助かりました。最終的に、ドイツ人や中国人など、英語があまり得意でない外国人の受入実績がある学校に受け入れてもらうことができました。学校と友達に恵まれたことで、当時を振り返っても子供たちは「南アフリカでの生活は楽しかった!」と言っています。
 教育面でのフォローとしては、当時は、英語と、本人も好きであった数学に関してはKUMONに通わせていました。現在帰国して、中学生になった子供たちが漢字に苦戦しているのを見て、やはり日本語教育に関してはフォローが足りていなかったと反省しています。

 2度の長期派遣を振り返って
 制度面等の改善点や要望を聞かれますが、これ以上望んだら罰があたるのでは、と思うほど恵まれた待遇・環境であったと思います。専門家派遣前の国内研修時に研修場所で託児※1を行っていただいていたことや、派遣中に子供が病気になった際のサポート等、とても心強く感じていました。身分が保障された形で家族揃って赴任できた、ということが何よりの待遇であり、制度面だけでなく周囲の方の協力に感謝している点です。
 主人に関しては、自分だけ日本に残るという選択肢もあった中で、子供との時間、家族での時間を最優先に考えてくれた上での決断かと思います。特に南アフリカでは、日本人が周囲にいない環境下で2年間過ごしたことで、家族の団結力は強いものになったのではないかな、と今振り返ってみて思います。

 今は日本に軸足を置くとき、でもまた挑戦したい
 南アフリカから帰国して、実父の"老い"を強く感じました。要介護状態という段階ではないものの、一人にしておくことは心配なので、現在は同居しています。また、子供は中学生になり、将来を見据えて勉強することが必要な時期でもあり、親として教育面のサポートに力を注ぐ必要もあります。ですので、現在はやはり、ベースは日本にあるべきと考えています。ただ、そろそろ国際協力の仕事を少しずつ、私の生活に盛り込んでいきたいな、と考えています。そして、長期専門家にもう一回挑戦したい、という希望もあります。子供に「英語、ちゃんと勉強しなさい。」というだけなく、私も自分のTOEFLスコアの向上に努めたいと思いますし、もう一回アフリカでの仕事に志願する前に、日本および各国の保険制度について、きちんと学んでおく事も必要かな、と考えています。

 国際協力での活躍を目指す方へ
 私自身のキャリアパスは、協力隊派遣後から現在まで、それぞれのタイミングに応じてライフとワークの軸足(重点)を選択しながらバランスをとってきた、と結果的には言えるかもしれませんが、基本的にはチャンスに恵まれていた、幸運であったという面が大きいと思っています。一方で、それぞれのタイミングでの自分にとっての最優先事項を選びつつも、本当にやりたいことや好きなことを忘れずに考え続けた、ということが今につながっているのではないかと思います。
 国際協力の世界を志す若い方には是非、尻込みせず頑張ってほしいと思いますし、以前に比べ「私も子供がいるんです」と声をかけてくれる女性が増えてきていることを嬉しく、頼もしく思っています。
 どのような結論を出すかは、人によって当然違うでしょうし、思いの強さも様々でしょうが、「ライフ」も「ワーク」も出会いとタイミング次第です。自分自身が何をしたいのか、という思いを常に持ち、出会いやタイミングを大事に、チャンスを掴んでいってほしいと思います。
※1:現在は専門家赴任前の配偶者研修においてのみ、託児を行っております。

パートナーの声に続く