中小企業海外展開支援事業特集
~日本の技術、世界を変える~


はじめに

国際協力機構(以下、「JICA」)は、2012年度にODAを活用した中小企業海外展開支援事業を開始して以降、日本の中小企業の製品・技術を開発途上国の様々な課題の解決に活かすべく、支援を行ってきました。

この事業の特徴は、日本が持つ製品・技術を自国の課題解決に活用したい途上国と、途上国市場への進出を目指す日本の中小企業とのWin-Winの関係を目指していること、また、製品・技術の活用方法について中小企業から提案を受けることにあります。

開発協力大綱(ODA大綱)においても、中小企業を含む民間の活動が開発途上国の経済成長を促す大きな原動力であると同時に、企業が海外事業に取り組むことや地域の伝統技術・地元大学との共同開発技術等が海外で活用されることによって、日本国内の地方創生や地域活性化にも貢献することになる、とされています。

この事業では中小企業の他にも、海外展開を支援する外部資源(ビジネスコンサルタント、シンクタンク等)、中小企業を支援する機関(JETRO、中小企業基盤整備機構、銀行等)など、従来のJICA事業との直接の接点がなかったアクターも登場します。このことは、国際協力人材を志す人々にとって、新たなキャリアパスとチャンスが生まれたことを意味します。

この特集では、この事業に関与する様々な立場の人々を取り上げていきたいと思います。

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JICAの中小企業海外展開支援事業とは

近年、オールジャパンでの中小企業海外展開の取り組みが拡大する中、JICAは長年政府開発援助(ODA)の経験で築いた途上国政府とのネットワークや信頼関係、途上国事業のノウハウを活用し、日本の中小企業の海外展開に貢献します。
JICAの中小企業海外展開支援事業は日本の中小企業が有する優れた技術・製品を用いて、途上国の開発と日本経済の活性化の両立を目指しています。
また、全国の中小企業を対象とすることで、地方の再生を通じた経済成長、中小企業対策による地域活性化にも貢献する方針です。

中小企業支援事業とは

中小企業支援事業3コース

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インタビュー

中小企業の海外展開支援に携わる方や、途上国進出を決めた企業のインタビューを紹介します。


相園様

相園 賢治さん

ケース1:ビジネス振興という切り口でアフリカ地域活性化を目指す企画調査員の挑戦



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三反畑様

三反畑 希世子さん

ケース2:企業の海外展開支援を通じて途上国の人と向き合う、開発コンサルタントの挑戦



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どうキャリアを形成するか

今回の特集においては、中小企業海外展開支援事業に携わるお二人のキャリアパスを紹介しました。それぞれのキャリアパスをみると、中小企業海外展開支援という軸で「国際協力」にたどり着いているという点は共通しているものの、そこへ至る過程は異なっていることがわかります。相園さんは「ビジネス振興」の可能性を追求する中で国際協力事業との接点を見出されたのに対し、三反畑さんは学生時代から国際協力に関心を持ちながら一旦別の業界に身を置き、そこで培った調整能力を現在、国際協力に活かしておられます。
特集の冒頭でも述べたとおり、中小企業海外展開支援事業では従来のODA事業にはあまり見られなかった中小企業、ビジネスコンサルタント、シンクタンク、そして関連機関が新たなアクターとして登場しており、多様な立場で国際協力に携わることが可能となってきています。

中小企業が海外展開を目指すためには企業自体の基礎体力や海外取引経験も大切ですが、海外経験や語学等のスキルを有する国際協力人材の確保・育成が不可欠です。実際に、青年海外協力隊等、開発途上国経験者が様々な企業の海外進出要員として歓迎されています。
また、JICAボランティア事業の「民間連携ボランティア」制度の活用も、将来のビジネスチャンスに繋がることでしょう。