第23号 連載コラム ごまで世界平和がなぜビジネスになるのか?

胡麻は発展途上国で作られていることをご存知でしょうか?

きっと胡麻は日本のものだと思われている方がほとんどだと思います。
そういう私も26歳の時まで知りませんでした。
胡麻の産地はアフリカ、中南米、ミャンマー、ベトナム、中国、トルコ、中東などで、しかも農作機械の
買えない、いわゆる小農の換金作物となっているのが現状です。
裕福な大農は大型機械が買えるので大豆や小麦などを作ってビジネスとして成功している方が多いです。

私と胡麻との出会いは、漢方薬を扱う製薬会社に勤めていた時でした。
胡麻は美味しくて健康にいい。でもいったいどうやってなっているのだろうか?と思ったときに
「きっとこの胡麻の歴史は自分のために残されていたのでは?」と感じたことからでした。
そして34歳の時に“ごまで世界平和”を理念に株式会社わだまんサイエンスを起業しました。
ごまで世界平和とは、ごまを通じて途上国支援と愛のある食卓づくりを目指しそのかけ橋となるものです。

しかし、起業したものの現実はそう甘いものではありませんでした。
日本の市場では途上国支援になるから買うということはありません。
あくまでもお客様が喜び、生活に必要とするものしかビジネスとして通用しないのです。

ゴマソムリエというブランドを自ら称し、焙煎胡麻を杵と臼で手作りするという独自の発想で販売。
途上国支援というのではなく、まずは美味しさと感動を追求しました。
でも赤字が続き、持っていた資金もつきかけました。

もう人生を信じるしかないのです。祈るしかないのです。やるしかないのです。

と、その時です。
百貨店で人気が出始め、胡麻で行列の出来るお店へと変わっていくのです。
また胡麻のお店をしたいというご縁(株式会社寺子屋)があり、錦市場に1号店を出店。
現在では11店舗アドバイザリー契約を結んで全国展開しております。
京都名店会という老舗が集まる会に参加。全国で大京都展の仲間として販売をすることになりました。

企業も軌道に乗り、このノウハウで途上国のお役に立つことはできないだろうか?
そう思っていた時にJICAの第1回中南米民間連携調査団の募集があることをご縁で知るのです。

そして夢であったごまで世界平和の実現は進みました!
パラグアイは胡麻の産地。しかし日本の厳しい受け入れや価格競争で困っていたのです。

少しでも自分のノウハウで困っている農家を助けたい一心で案件化調査、普及実証事業まで進み、
国立アスンシオン大学では課外事業にまで私のノウハウが役立ったのです。

夢は行動して夢となる。

人生は一度きりです。困っている人がいたら自分の出来ることですぐに手を差し伸べてくださいね!

パラグアイ共和国 サンペドロ県 ラノルテーニャ農協にて胡麻の加工技術指導

株式会社わだまんサイエンス
代表取締役
深堀勝謙

毎週金曜日に配信している“PARTNERニュース”では、新着の求人・インターン情報/研修・イベント情報の受け取りの他にも、コラム掲載のお知らせもお届けしています。このコーナーでは、コラムの全文と過去アーカイブをお読みいただけます。

個人登録(「参加レベル登録」または「人材登録」)をして、是非、PARTNERニュースの購読をお願いします。