第20号 連載コラム ユース×SDGs 〜SDGsでつながるローカルとグローバル (下)

SDGsはローカルとグローバルを繋げる、まさにグローカルなツール。その文脈の中でユースは何ができるのか。そんなSDGs視点の広い意味での「国際協力」を語る連載もいよいよ最終回!今回は「ユースの役割」についてお話ししたいと思います。

私は、普段SDGs-SWY(エスディージーズ・スワイ)という団体で活動しています。SWYとはShift our World by Youthの略称で「ミレニアル世代で世界を変えよう」というキャッチコピーの元、ポストSDGsを見据えながらSDGs達成のためのミレニアル世代のエンパワーメントを目的にアクションを起こしています。

イラスト:国連で配ったSDGs-SWYのカード

SDGs-SWYでは、第一線で活躍する方へのインタビュー(過去には三日月大造滋賀県知事)や国際会議への参加、これらの経験を伝える登壇などを行っています。最近では、朝日新聞社SDGs ACTION! AWARDS2019と連携協力し、一次審査員も務めました。その中でも、グローカル×ユースの役割として面白かったのが、「明治大学アカデミックフェス」!
明治大学の各学部代表の学生さんと一緒に「明治大学SDGs Map」を作成し、SDGs達成のために明治大学ができることを考えました。

写真:明治大学SDGs Map 左:共同代表の髙木

総合大学のため、集まった学生は法学部、経営学部、そして理系や教育系などさまざま。しかし、SDGsの切り口で見てみたら、多くの学部で共通していたのは「目標11 住み続けられるまちづくりを」でした。世界の問題を見据えながらも足元の地域のスケールから解決していこう、そんなThink Globally Act Locallyのスタンスが共通しています。また、こちらから言うまででもなく、学生さんたちはTransdisciplinary(分野を超える)の大事さをもう分かっている!

ところで、セッション中に学生さんたちに「ユースだからできることって何だろう」と問うと、出てきた答えは「SNSなどのIT力」「行動力」。他にも、「SDGsが目指す2030年って自分たち自身が社会の中心を担っているから、SDGsは自分たち世代に直接関係するものだ」と発見してくれた学生さんもいました。

そうなんです。SDGsは私たちユースのものです。先日のダボス会議で16歳の女の子が大人に向かってこう言いました。「I don’t want your hope. I want you to panic.(希望を持って欲しくない。パニックになってほしい。)」なぜなら私たちの足元にはもう火がついているから。私たちが現役世代になった時、親になった時、ダメな世界だったらとっても嫌ですよね。だから、私たちユースには大人たちに向かって声を上げる、要求する権利があります。

でも、良い世界にするには、要求するだけじゃなくって、一緒に作っちゃう方がきっと楽しい!!ユースにはユースの強みがあります。そして、明治大学SDGs Mapの経験から足元からでも世界とつながる、SDGsレンズで見ながら、協働しながら、今のミレニアル世代・ユース世代は良い世界を作っていく役割を担えると信じています。

SDGs-SWY 共同代表
慶應義塾大学 政策・メディア研究科
(2019年3月現在)

和田 恵

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