第5号 PARTNER便り 「国際協力分野で働く」という夢へ~JICAインターンを通しての学び~ (上)

(インターン先の現地法人Matoborwa,Co.Ltd.での1枚。ほとんどの従業員が女性で、和気あいあいとした休憩時間もあれば業務が始まると真剣にやるという切り替えがしっかりしていたのが印象的だった。)

皆さん初めまして! 中央大学で国際経済学を学んでいます、祖父江なつみです。私はJICAタンザニア事務所で2018年10月から5ヵ月間、その後3月末までJICA国際協力人材部でインターンシップを行っています。このPARTNER便りでは、主にタンザニアでのインターンシップを経験して学んだことについて、2回に分けてお話ししたいと思います。

今回は、私が国際協力に興味を持ったきっかけや、JICAインターンシップに参加した経緯をご紹介します。

私が国際協力の分野に興味を持ち始めたのは4年前、高校3年生の時でした。姉が東アフリカのウガンダ共和国での1年間の海外研修に参加したことがきっかけです。ウガンダへ行くと聞いた私は、不安でした。アフリカに関する知識はほとんどなく、「アフリカ=貧困・危険」という悪いイメージしかなかったからです。

(タンザニアの経済都市ダルエスサラームの風景。まさかアフリカ地域のタンザニアに高層ビルが立ち並んでいるとは…。実際に途上国へ足を運んでみたからこそ知ることができた事実。)
(アフリカでは「果物」として食べるバナナと「食事用」として食べるバナナがある。食事用のバナナは果物用のバナナよりも固く、甘さは全くない。そして肉は基本的に骨付き肉である。)

ある日、姉は私に現地で出会ったウガンダ人の男の子を紹介してくれました。彼は日本の大学に進学したいという夢を持っており、日本語を教えてくれる人を探していたそうです。私は自身の英語力向上になると考え、SNSを通じてのやり取りを始めました。

私にとって初めてのアフリカ人の友人。1度も会ったことがなかったのですが、SNSでのやり取りの回数を重ねるごとに仲が深まり、日本人の友達に対するのと同じ感覚になっていました。高校最後のテストが終わったこと、アルバイトで疲れたこと、地元の京都を離れ、東京の大学に進学することが決まったことなど何でも英語で打ち明けていました。

(姉が行ったウガンダにどうしても行きたいと思い、ある奨学金団体が主催するウガンダ短期研修に参加。ウガンダの北部コボコ県でホームステイをした時の1枚。ホストファミリーの子供たちと遊んでいると、近くに住む子供たちがたくさん集まってきた。)

「僕は勉強をする一方で、家族のために遠い村まで歩いて働きに行っているんだ。」

彼からこのメッセージを受け取った時、私の中で衝撃が走りました。部活動を引退し、大学進学が決まった私は、自分が欲しい物を買うことや卒業旅行費を貯めるためだけにアルバイトをしていました。その一方で彼は、一生懸命勉強もしながら家族のために働いている。同じ年齢なのに、生まれた国が違うだけでどうしてこんなにも異なった生活をしているのだろうか。この世界に存在する「貧困格差」に初めて気が付きました。テレビやニュースで見た情報とは違う友人の生の言葉は、私の心に突き刺さりました。

彼とのやり取りをきっかけに、アフリカ地域の貧困問題や国際協力に関心が高まり、将来は国際協力の分野で仕事がしたいと思うようになりました。

大学2年生の秋、JICA中期インターンシップ・プログラムの募集があることを知り、学生のうちにJICAで働く経験が得られること、国際協力の現場を見ることができることに魅力を感じ応募しました。
そして、高校生の頃から目指していた「国際協力の現場」を体験する機会を得ることができました。

次回は、タンザニアでのインターンシップ経験と、その経験を通して学んだことをお伝えします。

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