第15号 PARTNER便り 国際協力キャリアに向かって ~2つのインターンで学んだこと~
こんにちは。首都大学東京3年生で社会人類学を専攻している、久留島愛です。
  ケニアの片田舎で農家さんと山中を駆け回っていた生活から2週間が経ち、今は一変、JICA本部のある
  
  ビルの中でパソコンに向き合い、このコラムを書いています。
 
  現在1か月間JICA国際協力人材部でインターンシップをしており、そのご縁でこの度PARTNER便りを
  
  書くことになりました。
 
  初回は、私が国際協力キャリアを志したきっかけ、そこからケニアでのインターンシップに至るまでの
  
  経緯についてお話をしたいと思います。
 
国際協力キャリアを志したきっかけ
  大学1年生の6月、大学内の購買で見かけた『国際協力キャリアガイド』。この雑誌との出合いが決め手
  
  でした。
 
  高校生の時からUSA for Africaの歌「We Are The World」を繰り返し聴いては涙を流したり、
  
  「人間は何のために労働するのだろう?」と自問したり、想像もつかない途上国での暮らしに胸を
  
  躍らせたりと、今思えば国際協力キャリアへ導かれる要素はいくつかあったと思います。
 
  しかし、国際協力を「仕事」にするという選択肢を自分ごととして認識したのは、この雑誌を読んだ時が
  
  初めてでした。自分の中にあった様々な「点」が「線」になり、やりたい仕事が人生で初めて見つかった
  
  瞬間でした。
 
  そこから、国際協力キャリアにはどのようなスキルが必要か、学生のうちにやっておくべきことは何か、
  
  などの情報収集を始めます。
 
その結果、夢の仕事へ一歩近づくためには、どうやら留学するのが一番手っ取り早そうだ!という結論に至り、すぐに交換留学と留学用奨学金への応募に取り掛かりました。
1stステップ、イギリス留学へ
大学2年の9月、まずは英語力と国際協力の基礎知識を身に着けるため、イギリスにあるロンドン大学アジア・アフリカ学院へ行きました。
  国際開発学部の1~2年生が履修する導入クラスで、開発援助の大枠の歴史、各アクターが誕生した背景や
  
  各々の強み弱み、農業やジェンダーなど分野ごとの権威的な理論などを勉強しました。
 
 
  しかし、全9か月間の留学生活が私にもたらしてくれたのは、上記のような知識や英語のスキル以上の
  
  ものでした。
 
  何よりも大きかったのは、出会った友人たちから「社会の声よりも自分の声を優先する」という価値観を
  
  学んだこと。「一度しかない人生で、自分がやりたいことは本当に国際協力か?」「自分にとって幸せな人生
  
  とは何か?」など、自分自身と真剣に向き合うきっかけをくれたのです。時には膨大な選択肢を前にその
  
  “自分の心の声”なるものがわからず、途方に暮れることもありました。しかし日本では躍起になってスケジュールを埋め尽くす大学生活で、落ち着いて物を考える時間さえなかったため、こうして悩むことこそが貴重な経験
  
  だったと思います。
 
 
好きなバンドのコンサートに行ったのが一番の思い出です。
2ndステップ、初めての途上国へ
  留学開始前から、「イギリスの後はそのままアフリカに行き、現場を見る!」という非常にざっくりとした
  
  計画はありました。
  
  留学を経て、①イギリスの大学の授業で深く扱われなかった“ビジネスを通じた国際協力”を、現場に入り
  
  学びたい ②インターン生の裁量権が大きいベンチャー企業で、事業づくりに深くコミットしたい ③ビジョンと
  
  事業内容に強く共感する、という3つの理由で、次の行き先をケニアで事業を展開する「アルファジリ」という日系ソーシャルベンチャーに決めました。
 
次回は、そこでの経験や学びについてお伝えします!
 
                 
                 
                 
                