期限付職員とは

JICA職員のうち、期限を定めた契約に基づき、JICA事業や組織運営にかかる特定の業務に従事します。
業務内容についての専門性を高めるとともに、国際協力の経験、キャリアを積むことができます。
一定条件を満たす方について正職員への登用制度もあります。

<キャリア紹介>

名前:
金勝 のぞみ
所属:
九州センター 研修業務課
現在の職制:
期限付職員
キャリアパス:
海外大学院(教育学) 3年
 ↓
海外大学職員(アカデミック/スチューデント・オフィス)12年
 ↓
国際機関(国連ハビタット、事務・管理系) 4ヵ月
 ↓
国内NGO(ジェンダー分野、企画・広報) 2年
 ↓
現職

現在の業務内容:

主に都市開発、農業・農村開発分野の研修を担当しています。JICA内外の関係機関と連携・調整しながら研修を企画・運営し、地元のリソースを活かした研修実施を目指します。また、九州管内にて中小企業・SDGsビジネス支援事業に採択された企業のうち、特定の研修テーマと親和性を持ち研修員出身国の開発課題解決に有益な事業を行っている企業への視察を組み入れることで、研修員と採択企業がネットワークを構築し、双方の将来にとってメリットとなる機会を創出する取り組みも実施しています。研修員の帰国後の活動を調査する目的で海外出張する機会もあります。長期研修員(留学生)事業では、日本の大学院で学ぶ研修員に対し、来日から帰国までの期間を通じて学業面・生活面における支援を行います。

業務で感じるやりがい:

各国の将来を担う研修員とふれあい、共に学び合うことのできるやりがいのある仕事です。彼らとの議論を通じて各国の開発課題に関する理解も深まります。また、日本で学位取得を目指す長期研修員の中には、在日中に学業面・健康面等でトラブルを抱える学生も少なくなく、難しい問題を一緒に解決できた時には大きな達成感があります。日本の慣習に不慣れな研修員に寄り添った丁寧な対応を心がけていますが、彼らから「ノゾミが担当で良かった」という言葉をもらえると大変嬉しく、励みになります。


名前:
國井 紗希子
所属:
東南アジア・大洋州部 東南アジア第六・大洋州課
現在の職制:
期限付職員
キャリアパス:
大学院修士課程(国際関係学) 2年
 ↓
民間企業医療機器商社(営業職) 4年6ヵ月
 ↓
現職

現在の業務内容:

私の所属する課では大洋州地域14ヵ国と東ティモールを担当しており、課内で各国の担当を割り振っています。私はソロモン、バヌアツ、ツバル、ナウルの4ヵ国を担当しています。主に無償資金協力や技術協力、数は少ないですが有償資金協力に係る案件形成業務や進捗管理等が国担当の業務内容です。また課内で各担当分野も振り分けられており、私は民間セクターと観光部門を受け持ち、民間企業の方との面談や他の国際機関等が主催する会議やセミナーにも参加し、情報収集・協議等を行っています。

業務で感じるやりがい:

幼い頃からの夢であった国際協力の舞台に立てていることがまず嬉しいことですが、特に私が所属する課では、1国を複数人で担当するのではなく、1カ国以上を1人が担当するため、責任感も相まってやりがいを感じています。特に年に数回の出張で担当国の案件や完工物を目の当たりにすると、現在担っている担当業務の責任の大きさを改めて感じ、身が引き締まる想いと共に、やりがいを感じることができ、日々の業務の励みになります。業務内では、各国の視点で事業を検討するため、現場視点に加えて広い視野、時には狭い視野でも深い思考を求められることもあり難しさも感じますが、勉強になることも多く、新しい発見があり、そこに面白さがあると考えています。


名前:
田原 由貴
所属:
調達・派遣業務部 派遣業務第二課
現在の職制:
期限付職員
キャリアパス:
旅行会社(事務職/営業職) 7年
 ↓
JICA海外協力隊(観光業) 2年
 ↓
民間企業(旅行会社等) 10年
 ↓
JICA海外協力隊(観光業) 2年
 ↓
JICA海外協力隊 短期(観光業) 7ヵ月
 ↓
一般財団法人日本国際協力センター(JICE)(期限付職員) 2年7ヵ月
 ↓
現職

現在の業務内容:

私が所属する調達・派遣業務部は、JICAの中でも最も人数が多く業務が多岐にわたっています。その中でも私は派遣業務に関わり、調査団班というチームの班長を務めています。主な業務として、有識者等の海外派遣や役職員等の出張をサポートをしており、出張旅費や派遣手当等の精算に係る決裁の確認、公用旅券、査証発給支援、JICA内他部署からの派遣手続きや旅費支給の問い合わせ対応や精算書類の確認をしています。また業務における課題の把握および業務改善を提起し、班のスタッフの業務が円滑に遂行できるように他の班長と連携しながら業務を進めています。

業務で感じるやりがい:

派遣業務は自分自身が海外出張することはなく、オフィス内での完全な事務作業であるため、JICA事業に直接的に関わっているイメージはしづらいですが、縁の下でJICAを支える非常に重要な仕事です。JICAには公費を適切に運用するために多くの規定が存在しますが、これらを正しく理解し、各部署からの問い合わせに適切かつ迅速に対応することで、国際協力事業を支える一助となっていることを意識しながら業務にあたっています。


※期限付職員の契約終了後のキャリアは様々ですが、PARTNERでJICA内外の国際協力関連ポストを探してキャリアを形成するケースや、JICAの登用制度を利用して無期雇用職員になるケースなどもあります。

<キャリア紹介:期限付職員から無期雇用職員へ>

名前:
山岡 麻美
所属:
ガバナンス・平和構築部 計画・課題戦略推進課
キャリアパス:
民間企業(人材コンサルティング企業等)5年
 ↓
JICA海外協力隊 2年6ヵ月
 ↓
JICA南アジア部(専門嘱託)3年6ヵ月
 ↓
JICA評価部(専門嘱託)2年
 ↓
JICAガバナンス・平和構築部(期限付職員)1年
 ↓
現職

登用制度に挑戦した理由:

これまでのJICAの仕事、特にバングラデシュの海外協力隊、南アジア部での経験を通じて、相手国や様々な関係者とのとても強い信頼関係の基に、バングラデシュの開発が進んでいることを肌身で感じました。そのような信頼に基づいた国際協力の仕事に大きなやりがいを感じ、またそれが出来るのがJICAの仕事であると思ったため、登用制度に挑戦しました。子供がまだ小さく、夫は海外単身赴任中であったため、仕事と家庭の両立への不安は大きかったですが、両方とも大事にしながら活躍する先輩が周りには大変多く、理解をとても得やすい環境であった点も、正職員へ挑戦しようと思った理由でした。

業務で感じるやりがい:

現在は、計画・課題戦略推進課の「JICAグローバル・アジェンダ/クラスター事業戦略」という組織の事業マネジメントの改革を進めるチームで働いてます。これまでのJICAでの経験を活かしながら、周りの関係者と共に、JICA事業の改善、さらには他の開発パートナーといかに協働・共創しながら、JICAが今後ともグローバルな開発課題に対して貢献できるかという問いに向き合う仕事は、非常にチャレンジングですが、とても刺激的です。
https://www.jica.go.jp/activities/index.htmlを参照。