健康管理員(国内/在外)

概要

健康管理員とは、JICA関係者の健康管理支援に携わる看護師です。

在外健康管理員は、JICAの在外事務所で、JICA職員、専門家、海外協力隊員等の日常的な健康相談や開発途上国における疾病の予防対策、医療情報収集等の啓発活動から、病気や事故などの緊急時に、現地医療機関とJICA本部、顧問医との架け橋としての調整業務に携わります。契約期間は原則2年です。

国内健康管理員はJICA本部に配属され、国内外で働くJICA関係者(随伴家族も含む)等の健康状態の把握から、健康相談、医薬品・診断書の管理、医師・医療機関との連絡調整、緊急移送業務等、医療・健康に関わる多岐にわたる業務を担います。

求められる資質と能力

在外では派遣国により異なりますが、一般的に健康管理員に求められる資質と能力は以下のとおりです。
「国際協力人材に求められる6つの資質と能力」も併せてご参照下さい。)

多岐にわたる医療知識

健康管理員が直接医療行為を行うことはありませんが、途上国にはさまざまな病気が存在することから、あらゆる分野の病気についての広範な知識とその予防・初期対応の知識や経験が求められます。

在外では、日本とは異なる環境の中での疾病予防、健康管理における状況に応じた工夫、臨機応変に対応できるノウハウが必要です。そして国内においても、日本と環境が異なるストレスフルな中で活動し、メンタル疾患に罹るリスクが高まる関係者に対しての、メンタルヘルスケアも重要となります。さらには、生活習慣病についての知識・予防対策・啓発方法についても知識が必要です。

マネジメント力

健康管理員に、まず求められるのは調整能力です。
在外では、JICA関係者の健康相談や啓発活動、緊急移送対応などを円滑に実施するため、まず対象となる関係者や現地の保健医療に関わる人々など、多くの関係者間での良好な関係の構築と調整が重要になります。そして医学的知識や豊富な臨床経験等に基づく判断力、常に冷静かつ客観的に物事をとらえ、論理的に対処する能力も不可欠です。
特に重大な疾患や事故が発生した場合には、スタッフが一丸となって対応できるよう連絡や調整に関わる中心的な役割も担っています。そして、関係者が現地でスムーズに必要な医療サービスを受けることができるよう、日常から現地の医師や病院関係者との信頼関係を構築する能力も求められます。
在外健康管理員には、医学的知識や経験と同様に、協調性やコミュニケーション能力も重要な要素となります。事務所内における、唯一の医療専門職ではありますが、関係者の安全や健康が適切に守られるよう、啓発のための広報に取り組んでいただくこともあります。組織内での“報告、連絡、相談”が重要です。

国内では、JICA関係者の健康相談や傷病対応、啓発活動、緊急移送などを円滑に実施するために、現地事務所や現地医療機関、緊急移送サービス会社、及び本部関係各部署など、多方面にわたる関係者の対応を調整することが求められます。医学的知識や豊富な臨床経験等に基づく判断力、常に冷静、かつ客観的に物事をとらえ、論理的に対処する能力も不可欠ですが、組織内で関係者の派遣形態別に異なる制度を踏まえ、個人情報保護にも十分留意しながら、対象案件に迅速に対処することが重要です。

コミュニケーション力

在外健康管理員には現地の医師や病院とのやりとりを行える語学力が必要ですが、コミュニケーション力=語学力ではありません。基本的な語学力は当然、一定レベルが求められますが、医療に関する単語などは事前に準備をしたり、日常の学習や経験により、業務がスムーズに遂行できるようになります。
在外健康管理員にとって最も重要なコミュニケーション力とは、マネジメント力の項でも触れましたが、関係者とのスムーズな意思の疎通を図る姿勢と能力、関係者と日頃から信頼関係を築く能力に代表されます。事務所内のスタッフはもちろん、現地医師や病院関係者、関連各機関など、さまざまな方々との関係が、緊急時や困難な事例の対応に活かされることになります。

国内健康管理員は、基本的には日本国内での業務ですが、現地から送付されてくる所見やデータなどは現地の言語で書かれていますので、基本となる語学力は必要です。前述のような様々な能力は重要な資質ですが、コミュニケーション力も関係者との意志の疎通を図り、日頃からの信頼関係を築くために不可欠な能力といえます。