第25号 連載コラム ブルンジ国ギテガ県の平和構築案件から(その2)

▷第1弾:ブルンジ国ギテガ県の平和構築案件から(その1)

プロビデンスは頭の回転が速く、各村で実施した生計向上事業でしばしば発生したトラブル(例えば受益者負担の労働提供において一部メンバーが規約に従わない等)に迅速に対応し、受益グループに対し新たなリーダーを
選出する会議の開催をサポートしたり、規約の修正を支援したりといった作業を即日完了させる仕事ぶりでした。

製粉機受益グループ

身の上を聞いてみると、彼は優秀であることから、思春期に生家から比較的裕福なギテガ県警察署所長の家庭に引き取られ、高等教育を受けたとのことでした。プロジェクト実施の2年間はアッという間に過ぎ、彼がリード
してくれた生計向上事業を含め23の事業を各郡と関係カウンターパート機関に引継ぎ、我々はブルンジを去り
ました。

2015年4月25日、ブルンジのンクルンジザ大統領は三期目の出馬表明をしました。これに対する抗議活動、
クーデター未遂事件が起こり、治安が悪化、暴動や武装集団による襲撃を恐れた人々が隣国のタンザニアや
ルワンダ、コンゴに逃れました。同年8月大統領は三期目の当選を果たし、2018年11月現在、人道援助や
ビジネスなどの活動が、一部地域を除いて再開できるようになりました。

プロビデンスは現在、UNHCRのプロジェクトで隣国に避難していた人々の職業訓練や子どもの教育支援に
携わっているとのことでした。

建設中の木工所で作業するプロビデンス

ブルンジでは、家族や親戚を過去の紛争 1 や暴動で失った人々が多く、このような人々は新しい世代のために対話と平和を希求しています。私は、彼らの筆舌に尽くせぬ努力と力強さに敬意を払うとともに、勇気をもらって
います。政治不安が少し改善された中、人々の生活再建はこれからだと思います。少しでも私自身で何かできることを見つけていくとともに、もう一度、ブルンジの事業に関わる機会を願ってやみません。

1 : 1962年にベルギーから独立後、多数派フツと少数派ツチの間で、長年にわたる対立と複数の虐殺事件が
あった。両者間で政治対立が起き、武力闘争まで発展してきた。

NTCインターナショナル株式会社
技術事業本部 平和構築部
糀谷 薫

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