第51号 PARTNERコラム陸前高田市「SDGs起業家支援プログラム」実況中継②

SDGs課題解決に向けた国内での取り組みについて、2020年11月上旬の第47号PARTNERコラムでご紹介した、JICAから岩手県陸前高田市に出向し、地域振興部商政課長の木全洋一郎さんの紹介による陸前高田市「SDGs起業家支援プログラム」も折り返し地点に来ました。本プログラムの概要については、前回コラムをご覧ください。
https://partner.jica.go.jp/Contents/PartnerColumn?htmlName=column_047

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10、11月はオンラインで「ビジョンから事業の形にする」ためのセミナーを実施してきましたが、12月はいよいよ陸前高田市での現地セミナーです。4名の起業候補者たちと、プログラムを提供する株式会社日経BPや、仙台市にある株式会社MAKOTO WILLが参加しました。

ジム兼リハビリ施設で先輩起業家の説明を聞く参加者たち
ジム兼リハビリ施設で先輩起業家の説明を聞く参加者たち

プログラム参加者たちは、先んじて陸前高田で起業された先輩起業家のゲンバであるりんご農園やジム兼リハビリ施設で、事業内容から起業のきっかけ、陸前高田での事業可能性などについて、熱心に話を聞きました。

コロナ禍で先輩起業家たちの事業も少なからず影響を受けていますが、そこにめげることなく、「コロナ禍だからこそできる事業」を企画実施しています。例えば、本業の電気自動車(EV)のレンタカー事業が滞っている中、ホヤを原料とした「ホヤパウダー」を開発して飲食店に売り込んだり、新進気鋭の若手花火師を集めた花火大会で、迫力のあるドローン空撮映像を撮影して配信したり…いずれも地域を盛り上げる新たな目玉を作ることで、ゆくゆくは交流人口を増やし、本業にも還元していきたいという姿勢です。「地域の持続可能性は、現状維持ではなく、常にステップアップしつづけていくこと」という言葉がとても印象的でした。

陸前高田グローバルキャンパスで立教大学のシェアオフィス構想の説明を聞く参加者たち
陸前高田グローバルキャンパスで立教大学のシェアオフィス構想の説明を聞く参加者たち

コロナ禍により人数や方法も制約された形ではありましたが、オンラインだけでは感じ得ない現場の空気感や、事業実施に向けた関係者間のネットワークに触れることができたのは大きな収穫でした。

今回の現地セミナーでは、参加者の事業案も共有されました。陸前高田の海の見える農園で獲れたりんごからシードルを作りたい、大変な状況にある医療従事者向けのマッサージをしたいといった、具体的な構想も披露され、今後の陸前高田のSDGsを推進する一翼を担う仲間となってくれるワクワク感が得られたひとときでした。

プログラム参加者たちの事業案の発表は3月。次回(4月頃予定)はこの発表の模様をお届けします。

陸前高田市
地域振興部 商政課
木全洋一郎

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