第78号 PARTNERコラム国際協力を志す仲間たちへ①「人材タイプ別キャリア選択」

JICA人事部開発協力人材室での3ヵ月にわたるインターンは、自分自身の今後のキャリアや生き方に向き合いながら、国際協力のことだけを真剣に考える日々であり、とても充実した時間でした。インターン中に国際協力の第一線で活躍されている専門家の方から直接お話を伺うことで、キャリアの最初の1歩目を踏み出すためのヒントを得ることもできました。

国際協力のキャリアについて考え続けた中で私が感じたことを、国際協力を志す仲間に少しでも届けたいという思いで、お話させてください。

これから国際協力業界で活躍することを願う若年層に対しては、まず自分が将来どのような形で国際協力に関わりたいのかを明確にし、自分が希望する関わり方や働き方は「スペシャリスト系」と「マネジメント系」どちらの職種により近いものなのかを考えることから始めることをお勧めしたいと思います。国際協力の仕事は多種多様ですが、JICA PARTNERでは、国際協力の働き方・関わり方を「マネジメント系/スペシャリスト系」「無期契約(社員・職員)/有期契約(ポジションベース)」の視点で整理しています( 「国際協力の働き方・関わり方を知る」(別ウィンドウで開く) )。私の場合は、在学期間を通して学んだ知識や技術を活かし、国際協力に貢献したいと考えているので、特にスペシャリスト系の業務の魅力を感じています。

JICA職員のようにプロジェクトの計画、立案、調整が主な業務であるマネジメント系の職種は、多方面に関わり、開発に携わる分野横断的な知識が求められるのが特徴です。他方、スペシャリスト系は多くの分野に幅広く関わるのではなく、当該の専門分野から国際協力に貢献し、その内容はより現場に近く、実践タイプの業務が主となります。スペシャリスト系人材の場合、開発コンサルタント企業に所属したり、プロジェクト(有期ポスト)ベースでキャリアを形成したりすることが一般的です。「有期ポスト」というと、不安定なイメージがあるかもしれませんが、専門家の方々のキャリアは実に様々でした(キャリアデザインに関しては次回のコラムで詳しく触れます)。
プロジェクトを通して自分がアプローチしたい対象や課題に、直接的に関わることができること。私は、これが専門家として国際協力に関わるにあたっての大きな魅力だと感じます。

インターン中の様子
インターン中の様子

これからキャリアをスタートさせる若年層が国際協力への関わり方を考える際、「スペシャリスト系/マネジメント系」の視点から国際協力業界の仕事を大別し、自分の適性や理想のキャリア形成により近い働き方を見つけることは、ひとつの方法として有用であると思います。「スペシャリスト系/マネジメント系」の職種としてどのようなものが存在し、それぞれの業務形態がどのようなものなのかをよく知ること。その上で自分がイメージする理想の国際協力の形を明確にすることで、漠然としていて不透明だった国際協力のキャリアパスの解像度を上げ、未来をよりクリアに描くことができるのではないでしょうか。

JICA人事部開発協力人材室インターン
金沢大学 医薬保健学域医学類 若山空也

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