第88号 PARTNERコラム尊重しあえる関係でつながる私なりの国際協力

中学生の頃に見たドキュメンタリー番組がきっかけで「開発途上国の援助に携わりたい」と思うようになりました。国際機関など大きな組織での活躍に憧れを抱きながら、大学院では貧困問題の解決について学びました。

そして開発途上国の現状を体感したいという思いから海外協力隊に参加、派遣先はアフリカ・セネガルの小さな農村でした。生活改善を目的として2年間活動する中で、支援する側でもありながら1人の住民として生活していたからこそ見えたことがあります。それは、憧れていた国際協力の中には、支援する側の押し付けもあること、現地住民の声が届かず一時的な支援にしかならないずさんな実態もあることです。経済的な豊かさが、イコール“幸せ”ではないと感じ、心豊かで思いやりに溢れた魅力的なセネガルの友人たちを支援の対象者と見るのではなく、お互いを尊重し合える対等な関係であり続けたいと感じました。

そこで帰国後、“ジャムタン”というブランドを立ち上げました。ビジネスを通じて繋がることで、セネガルの友人たちと対等な立場で共に頑張れると感じたからです。

ジャムタンでは、色鮮やかな現地の生地を使った洋服や雑貨をセネガルの仕立屋に作ってもらい、日本で販売しています。質にこだわり、「雇用や収入支援に繋がるから」という理由ではなく、「魅力的な商品だから」と思って購入してもらうことで、それが自然と継続的な収入へと繋がる仕組みを作っています。購入者に向けてどこの誰が作ったものなのか情報を発信し、作り手には購入者が実際に商品を使用している写真を送るなどし、お互いの顔が見える関係づくりにも取り組んでいます。そうしたところ、仕立屋は収入が増えただけでなく、日本で自分の作品が受け入れられることに自信を持ち、仕事へのやりがいや向上心を抱くようにもなりました。

宿場町にも映えるアフリカの商品(岡山県矢掛町)
宿場町にも映えるアフリカの商品(岡山県矢掛町)

国際協力と聞くと、海外での活動や募金などに意識が向きがちですが、日本にいながらでもできることはあります。ただ対等でいたいとお互いを思いやりながら繋がることで広がる可能性があると私は感じています。今まで海外との接点などなかった地元の年配の方から「セネガル」という言葉が聞ける日が来るとは思っていませんでした。支援を意識した繋がりではなく、魅力のある素敵な国として知ってもらうきっかけをつくることが、私なりの国際協力だと感じています。
“かわいそうな貧しい人たち”ではなく、“魅力あるパートナー”としてお互いの発展を目指すという開発途上国との新しい繋がり方、そしてなにより日常に溶け込み楽しめる国際協力を、岡山から広めていきます。

仕立屋さんとブランドTシャツを着て
仕立屋さんとブランドTシャツを着て

jam tun
田賀 朋子

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