コラム 地球規模で生きる人

秋田 智司さん(WASSHA株式会社)

夢の実現のために学生時代にやるべきことは?「躊躇(ちゅうちょ)せず飛び込む勇気を持とう!」

夢も野望も英語力もなく日本を出たこともないチャラい高校3年生が、彼女の浮気と紛争ニュースをきっかけに覚醒!?大学・大学院・就職を経てアフリカで起業するまでのリアルなストーリーを全3回でお届け。最終回は、語学力をはじめ、世界で活躍するために必要なことについて聞きました!

海外に出るときの最初のハードル「語学力」

世界を舞台に活躍するために必要な語学力ってどの程度なの?ほかに大事なことってある?みんなが気になることを秋田さんに聞いてみたよ。

海外で仕事をするためには、語学力はネイティブレベルじゃないとダメ?

自分の思いは言葉にしないと伝わらないから、最低限の語学力は必要だ。だけど、最初からペラペラを目指さなくてもいいと思う。それより、まずは世界に出てみることが大切。現地で出会った人のことをもっと知りたいと思えば、語学を学ぶモチベーションになる。
実際、僕の場合、「YESかNOか、好きか嫌いかくらいがわかれば、あとはボディランゲージで何とかなる!」って思って海外に飛び出したんだ(笑)。今も、英語とスワヒリ語を勉強しているけど、そんなに上手じゃない。でも、思いは伝えられていると思うよ。

秋田さんの場合、最低限の語学力とボディランゲージで勝負。
語学力のほかに必要なことって何?

何をするのにも大切なのが「コミュニケーション力」だと思う。といっても、難しいことじゃない。僕の場合、親に言われてきた、「挨拶すること、感謝の言葉を述べること、自分の意見をはっきり言うこと」を守ること。そして、困ったことがあったら「困った」、できないことがあったら「できない」と素直に言うこと。そうやって心を開いて接すれば、周りの大人は助けてくれる。思春期って斜に構えがちだけど、素直な態度のほうが実はカッコいいと思うんだ。
そして、笑顔がある空間に人は集まってくるものだから、周りの人が笑顔になれるような話し方や話題を心がけることも大切だよ。

秋田さんの周りは、いつも笑顔があふれている。

学生時代にやっておいたほうがよいことは?

「海外で活躍する」という夢を実現するために、学生時代にやっておいたほうがいいことってあるのかな?秋田さん流のアドバイスをもらったよ。

学生時代に海外に行ってみたほうがいいの?

行ったことがないことが駄目というわけではないけれど、途上国に関心があるなら、難しく考える前に行ってみるといいと思う。きっと「現地でこういう経験をしたから、これをやりたい」という原体験になるよ。
僕の会社にも、「超有名大学を出た」、「国連機関にいた」、「英語はネイティブです」といったキラキラしたキャリアを持っている人がインターンに応募してくる。けれど、その中には途上国に行った経験がなく、何をしたいのか明確でない人も多いんだ。「CAN(自分はこれができる)」より、「WILL(自分はこれがしたい)」を見つけるほうが大切だよ。

途上国での原体験がWILLにつながる。
秋田さんのように、途上国で起業したいと思ったらどうすればいい?

一般的に「情熱があれば何とかなる」と言われているけど、僕の経験からいうと、情熱だけでは不十分。自分のやりたいことがあり、実現できるスキルを持ち、それがお客さんの要望とぴったり合うことが重要だ。
それらが重なる仕事を探し続け、機会を見つけたら、スキルはまだ十分じゃないとしても飛び込む勇気を持とう。躊躇(ちゅうちょ)してしまうかもしれないけれど、むしろ、学生のうちにやってみることに価値があると思う。仮に失敗したとしても、その経験をもとに就職活動することに意味があるし、うまくいけば、その道で頑張っていけばいいのだから。このとき気をつけるのは、借金してまで起業はしないことだよ(笑)。

学生時代こそ、起業してみる価値がある。

秋田さんが伝えたいメッセージ

HAVE-DO-BEではなく
BE-DO-HAVE

何か始めるには、完璧な勉強や準備が必要。そう思っている人も多いと思う。実はそうではなくて、まずは「なりたい自分になる(BE)」ことが大切だ。海外でやりたいことがあるなら、「英語ができないから…」などと尻込みせずに、まず飛び立とう。アクションを起こせば、できないながらもやらなくちゃいけないし(DO)、いつの間にかできる(HAVE)ようになっているから!

プロフィール

秋田 智司さん

WASSHA株式会社共同創業者/代表取締役CEO 1981年茨城県生まれ。拓殖大学国際開発学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科修了。外資系コンサルティングファームにて、新しい事業の立ち上げ、業務効率化プロジェクト等に従事、その後NPO法人ソケットを友人と共に設立し、日本企業の途上国進出を推進。ソケットの顧客であった東京大学阿部教授と共に株式会社デジタルグリッドを創業し、2016年3月より現職。

WEB http://wassha.com