セクシュアル・リプロダクティブヘルス・アンド・ライツを中心に国内外で必要な医療サポートを形にする。

神田 未和さん

国際協力関連機関 国立国際医療研究センター国際医療協力局 40代

  • 国際協力関連機関 職員
  • 保健医療
  • キャリア年表

    看護専門学生

    1999~2002年

    病院勤務

    2002~2007年

    総合病院の外科病棟、循環器専門病院のICUで成人・新生児の看護に従事。

    JICA海外協力隊

    2007~2009年

    JICA「ドミニカ共和国サマナ県地域保健向上プロジェクト」のメンバーとして活動。

    NPO勤務

    2010~2011年

    特定非営利活動法人AMDAに勤務。

    熱帯医学研修課程

    2011年

    長崎大学の熱帯医学に関する短期研修コースに参加。

    大学院生

    2012~2014年

    国内の大学院にて医学研究科人間健康科学系(母性看護・助産学分野)専攻。

    病院勤務

    2014~2015年

    助産師として、妊娠した女性の産前・出産・産後のサポートに従事。

    国際協力関連機関

    2015年10月~現在

    国立国際医療研究センター国際医療協力局へ入局。

    多分野とのパートナーシップで自国や世界の健康格差是正に取り組む。

    国際協力に興味をもったきっかけは何ですか?

    やはり海外協力隊です。看護師として社会に出てから、海外ドラマ 『ER 緊急救命室』の世界に憧れ、なんとなく世界で働くことを夢見るようになりました。海外協力隊に参加し、事前訓練で知った女性性器切除
    (Female Genital Mutilation:FGM)などの有害な習慣による健康被害を知り、赴任してからは、毎日目にする貧困、健康格差にショックを受け、この状況を引き起こしている世界、社会に大きな疑問をもつようになりました。「自分になにができるかわからないけれど、こういった問題を解決する仕事をしたい」と思うようになりました。

    これまでにどのようなキャリアを歩んでこられましたか?

    海外協力隊に参加後、NPO法人AMDAに勤務しました。国内外で自然災害が発生すると多国籍医師団の一員として派遣され、私はコーディネーターとして働きました。その中で「いつ死ぬかわからない、なにをすべきか?」と考えることが多く、大学院で学び直すことを決意しました。女性の健康やSexual and Reproductive Health and Rights(SRHR)を学ぶこと、国際保健を続けるために修士を取ることが目的でした。卒業後は助産師として臨床に戻り、その後、国立国際医療研究センター国際医療協力局に入局しました。宮崎市健康管理部への出向、研究活動、JICA短期専門家、長期専門家(ラオス)派遣を経て、現在に至ります。

    現在の業務について、具体的にどのようなことを担当されていますか?

    現職は、国立国際医療研究センター国際医療協力局の職員です。国際医療協力局のミッションは、「​地球上のすべての人々が健康な生活を送ることが等しくできるような世界を目指し、開発途上国をはじめとする世界の保健向上のために専門性を提供し、​また、我が国にその経験を還元する」で、低中所得国の医療や保健衛生の向上を図るためにさまざまな支援を行っています。私は、助産師のバックグラウンドを活かし、国際医療協力局が参画する「みんなの外国人ネットワーク
    (Migrants' Neighbor Network & Action:MINNA)」の活動の一環で、みんなのSDGs-外国人タスクフォース、シェア=国際保健協力市民の会、アジア経済研究所在日外国人ネットワーク研究会の3つの団体との協働で、外国人コミュニティに情報を届ける仕組みづくりや、検査・診療にたどり着くまでの道筋を整えることに取り組んでいます。​​また、カンボジアにおける包括的な子宮頸がん検診体制整備事業の健康教育の実施・評価に携わっています。

    現在の業務でのやりがいや仕事の魅力は何でしょうか?

    これまで培ってきたSRHRの視点を活かして、SDGsの中で低中所得国と先進国のつながりを考えながら、どちらにも有益となるように、他分野のパートナーシップで分野横断的に考えながら仕事に取り組んでいるときにやりがいを感じます。国際協力ならではの魅力でもあると思います。

    今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。

    日本にベースを置きつつ、SRHRと移民の健康を行き来しながら、多分野とのパートナーシップで自国や世界の健康格差是正に取り組んでいきたいと考えています。試行錯誤だった20代〜30代は、「面白い、わくわくする」という観点で仕事を選び、失敗しながら、自分に合う合わない、ということを蓄積してきました。これからは、​社会にとって意味があること、自分に合っていることを中心に仕事を組み立てていくことで、充実したキャリアを歩めるのではないかと考えています。​ずっと変わらない合言葉が「幸せになるために働く」​なのですが、なかなか難しいけれどそうありたいと思っています。

    国際協力の道を目指す方に向けてのメッセージをお願いします。

    大変なこともありますが、日本と他国の経験を伝え合い、相互に尊重し合いながら、世界が良くなることを考える仕事には希望があると感じています。
    すでに強い信念をお持ちの方は目標に向かって突き進んでください。私の周りには昔からの夢を叶えた素敵な人がたくさん働いています。いま悩まれている方は、保健医療だけでなくどの分野にいても国際協力はできるので、まずは自分の心が惹かれることやものを知り、その世界でキャリアを積むといいのではないでしょうか。なにか違うと感じればいつでも道を変更していいと思いますし、それによって、やりたいことやるべきことも見えてくるでしょう。
    私がそうでした。私も、道半ばです。共にがんばりましょう!

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