第6号 PARTNER便り 「国際協力分野で働く」という夢へ~JICAインターンを通しての学び~(下)

(インターン先Matoborwa,Co.Ltd.での1枚。この日はタンザニア国内で販売している芋けんぴ【商品名:Vitamu】の製造日。タンザニア旅行に来た協力隊員、またタンザニアで活動している協力隊員にはお土産として親しまれている。)

皆さん、こんにちは!JICAでインターンシップを行った祖父江なつみです。前回は、私が国際協力に興味を持ったきっかけをお伝えしました。

今回は、初めての国際協力の現場・JICAタンザニア事務所でのインターンシップ経験についてお話しします。

JICAタンザニア事務所で行ったインターン内容は多岐にわたります。最初の2ヵ月はJICAタンザニア事務所内のボランティア班で、海外協力隊員(以下、協力隊員)にかかわる書類や公的文書の整理を行いました。またJICA海外協力隊の活動全般をサポートする企画調査員(ボランティア調整員)の出張に同行し、タンザニアの病院見学、5S-KAIZEN研修( * )の視察、新任協力隊員の任地での表敬訪問等、様々な場所に足を運ぶことができました。自分自身で協力隊員に連絡を取り、活動視察にも行きました。タンザニアの女子陸上選手を対象とした陸上イベント「LADIES FIRST」の運営にも携わりました。

その後の2ヵ月は事務所を離れ、タンザニアの首都ドドマにあるMatoborwa,Co.Ltd.でインターンを行いました。Matoborwa社は元協力隊員の方が代表を務める、サツマイモの品種・栽培・貯蔵技術の普及・実証事業を行っている民間企業です。ここでは、タンザニア人スタッフと一緒に果物の買い付け、ドライフルーツの製造・加工、営業等の業務や、経理業務を行いました。インターンという立場でありながら、社長の元で責任ある仕事を任せていただき、失敗もしながら多くのことを学びました。

最後の3週間は、タンザニアでも長い歴史を誇るコメ振興支援計画プロジェクトの視察で、専門家の出張同行や経理業務補助を行いました。専門家の出張同行では、研修の進捗状況の確認として3つの灌漑地区を視察しました。このプロジェクトはタンザニア全土を対象としているため、2週間の出張のうち半分以上が移動日でした。移動日は、専門家の方とプロジェクトの話や協力隊時代の話、国際協力に関するお話を聞くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

* 5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を定着させることで業務環境を改善し、仕事の無駄を省くカイゼンを積み重ね、サービスの質や効率性の向上、コスト管理、品質管理の改善を目指す取組み。

(LADIES FIRSTでの1枚。JICAタンザニア事務所で働くナショナルスタッフとともに写真撮影を行った。彼らとは毎日一緒にお昼ごはんを食べに行くほど仲が良かった。)
(Matoborwa,Co.Ltd.でのインターン中、ドライマンゴーの製造に必要なマンゴーの買い付けに同行した。この日は2000個のマンゴーを購入した。農家さんは親日家であり、私の訪問をとても喜んでくださり、お土産にパイナップルやマンゴーをいただいた。)
(コメ振興支援計画プロジェクト【通称:TANRICE2】の拠点付近の灌漑地区を訪問。炎天下の中、一生懸命働く現地の皆さんの体力には脱帽した。)

インターンシップを通しての学びは、数多くあります。その中で、特に自身に影響を与えたのは、国際協力分野には様々なアクター、働き方があることを理解でき、将来像を具体化できたことです。インターンに参加する前は、「国際協力=JICA」と想像していました。しかし、実際にJICAが関わる国際協力の現場を体験して、国際協力に関わるたくさんの方々に会い、JICAが行うのはマネジメントだということ、最前線の現場で動いているのは開発コンサルタント、JICA専門家、協力隊員であるということに気が付きました。またビジネスとしても国際協力に関与することは可能であることも知りました。「ビジネス」と聞くと「利益・お金」とのイメージがあり、国際協力という文脈では、あまり良い印象ではありませんでした。しかし、現地の雇用を生み出し、現地の課題解決に向かって取り組む仕組みを初めて理解でき、興味が湧いてきました。

タンザニアでのインターン期間中、JICA事務所の所員や企画調査員の方々、JICA専門家、開発コンサルタント、民間企業の経営者、協力隊員等、現地で活躍されている方々と直接お話をすることができ、曖昧だった自分の将来像というものを具体化させることができました。やはり国際協力の分野で、かつアフリカ地域の発展に携わる仕事がしたい。その想いや経験を、どの職業で生かすのか考えるという次のステップに進むことができました。ウガンダの友人との出会いが国際協力の分野に興味を持つきっかけだったため、やはり「目の前にいる人のための現地に根付いた活動」に魅力を感じています。

私が国際協力やアフリカ地域に興味を持った際、周りに同じような志の人がおらず、自分の夢は間違っているのかと自信をなくしてしまったこともありました。しかし、周りの意見も聞きつつ自分が大切にしたいと思うことを心の中に強く持ち、行動し続けているとその夢に近づくチャンスは必ず目の前にやってきます。そしてそのチャンスを掴むことができれば、自分の成長に繋がります。

アフリカ地域の発展に貢献したい、と言っていますが、まだまだ自分には知識も経験もありません。そのため、これからはより一層勉強に励み、東アフリカ地域だけでなく他のアフリカ地域にも足を運んでみたいと思います。

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